肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『リンダ リンダ リンダ』、観ました。

2006-05-14 21:10:11 | 映画(ら・わ行)

☆おすすめ品☆ リンダ リンダ リンダ 型番:VPBT-12477

 『リンダ リンダ リンダ』、観ました。
高校生活最後の文化祭で、ブルーハーツのコピーをやることになったボーカル
不在のガールズバンド。彼女たちがボーカルとして声を掛けたのは、何と韓国
からの留学生。本番まであと3日。4人の寄り道だらけの猛練習が始まった‥‥。
 思い起こせば18の頃、ド田舎の高校から東京の専門学校に通い始めて一年目。
音楽通の友達から「お前に“ストレートなロックンロール”を聴かせてやる」と
渡されたテープが、(当時まだ無名だった)ブルーハーツの“1st.”だった。
剥き出しの感情と、単純だが嘘偽りのない“彼らの叫び”は、等身大のリアルな
メッセージとなって聴いてるオイラの耳に飛び込んできた…。あれから20年の
歳月が経ち、(この映画で)改めて聴くブルーハーツは“あの頃”と同じ…。
いや、そんな彼らの曲同様に、映画の方も飾らず気取らず素直な作りの青春映画。
計算され、選りすぐられた美辞麗句なんかじゃなくて、互いの目を見ながら
「ありがとう」の一言だけで分かり合えるような“友情の固い絆”…。悩みながら
傷付き、道によろけながら励まし合う“仲間との信頼感”…。そんな“若さ”
ゆえに衝突し合い、許し合えるヒロインたちがうらやましくて、思わず当時の
自分の思い出とダブらせながら観てしまった。物語終盤、目的の地へと向かう
ヒロインたちに“土砂降りの雨”。しかし、その激しい雨さえ“圧倒的な若さの
エナジー”を発散させ、切り裂くように駆け抜ける彼女たちは、まさにブルー
ハーツの曲のイメージにピッタリ。その後に待ち受ける“感動のフィナーレ”を
予感させる。もしも、今…、かつての友達に会えるとしたら、きっとその時は
この作品を薦めるだろうよ。「おい、お前、どこまでも“真っ直ぐな青春映画”を
見付けたゾ」って言ってね。
 さて、映画は、女生徒4人がすったもんだの末にバンドを結成。それぞれの
悩みをかかえながらも、同じ目的(ライヴの成功)のために団結していく‥‥
いわゆる“音楽ものの青春映画”としては定番の作り。今回オイラがこの映画で
嬉しくなってしまったのは、物語の舞台となる学園が、ジメジメした陰気臭い
「イジメ」や「古い偏見」に縛られない…、常に新しい「自由」の風が吹く
場所であったこと。生徒はそれぞれ自分自身のスタイルで、自分だけの長所を
アピールする。教師も生徒の自主性を尊重し、近ず離れず“一定の位置”から
生徒の成長をそっと見守る姿に好感が持てる。大切なのは、バンドの仲間同士、
教師と生徒間だけの関係に限らず、“言葉”以上にもっと大切で、“内面的な
信頼関係”を築くこと‥‥。“言葉”じゃ上手く説明できないけど、この映画が
云わんとしていることは良く分かる。

 



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