Why don't we choke the alligator? / 広瀬量志郎

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サヨナラやよい荘

2007年01月13日 | LIFE
実はただいま引っ越しの真っ最中です。

新しい暮らしのために
新しいゴミの分別を覚えたり
新しいステレオの特性をチェックしたり
タバコの吸い場所を検討したりしています。

いい天気なのでとりあえず布団を干しながら
サニーデイの『東京』を程良い音量で聴いています。

日当たりと風通しのいいやよい荘が好きでした。
さようなら。
また会う日はないでしょう。

さて、休憩終わり。
CDを整理するか。
詳細はまた。


スタジオやよい荘

2007年01月12日 | LIFE
先日うちでツルさんのレコーディングをやった。
マイクは1本しかないので歌とギターの一発録り。
時間があまりないのでささっと録る。
帰った後、あれこれ試しながらミックスした。

素材がシンプルなのでそんなにやることはない。
壊さないように、一番歌が光るように磨く感じ。

料理するってこんな感じなのかなと思いながらやった。
元が良いものなら手を加えるのは最小限でいい。
分かるようにはやらない。

飛び出てた1kHzちょいのとこをアイソレーターを使ってピンポイントで削る。
リミッターをかけて一度ダビング。
後は80Hzの辺を持ち上げて下を支え
中域を中心にコンプでまとめる。

リバーブもほとんど分からないくらい。
ツルさんの家はおもしろくて、門をくぐると庭があって
木がはえてて、緑に囲まれた家なんやけど
そこで歌ってる感じをイメージする。

8畳くらいの古い和室。
下は畳。
季節は梅雨で空気はやや重い。
ハイ上がり設定のリバーブからややハイを落とす。
少し湿った感じにしたかった。
雨が振り出しそうなリバーブを、
理想は高く掲げるのだ。

分からなくなったら素の状態に戻る。
ないものは出せない。
人参は大根ではないのだ。

やってるともっと時間かけてマイキングすれば良かったと思う。
録りの時点で大半は決まるってほんとだ。
演奏はその時一回限りのもの。
再現はできないのだ。
それに見合った気合いでマイクを向けなきゃいけない。

曲の終わりと同時に小さくカラスの鳴き声が入ってた。
それがとても良くて、それで救われる気持ちになった。

いい曲だねと言われるミックスが一番いい。
一晩寝て仮ミックスを聴いた。
いい曲やと思ったんでツルさんの家のポストまで届けに行った。


初買い

2007年01月08日 | LIFE
レコード3枚で1000円!
それにとにかく弱い。
1枚手に取ったら止まらない。

アル・クーパーの最低なアルバムを見つけた。
『チャンピオンシップ・レスリング』
最低だ。
ジャケットが終わってる。
絶対欲しい。

付け合わせにプロコル・ハルムとトム・バーライン。

結果はトム・バーラインが一番良かった。
『Postcard from Waterloo』って曲が入ってた。

エリオット・スミスが歌う『Waterloo sunset』を見たことがある。
ユーチューブやし誰でも見れるけど。
やっぱりWaterlooやんな。

しかしこのアル・クーパーのアルバムは部屋の空気を和ませる。
主に見た目で。
内容はまあまあ。

アル・クーパーは外してもまた買いたい人なのだ。
何か好きなのだ。
しょうがないなあこの人はって思うんやけど
実はCBSの重役であったりもして
何の人なのかよく分からない。
でも誰もが知ってる。
『ライク・ア・ローリングストーン』のあのハモンド。
あれ弾いたのがアル・クーパーだ。

確か一昨年に新作が出た。
試聴機で1回聴いた。
それ以来、何か好きなのだ。


今年初めの最終通告

2007年01月04日 | LIFE
実家からリコーダーを持って帰った。
さっそくピーヒャラやってたら住人が怒ったらしく
新年早々管理会社から電話がかかってきた。
退去という言葉が出てきた。

仕方ない。
笛はしばらく封印しとこう。

でかい音で昔のロックが聴きたいわ。
でかい音でうるさくない音楽が聴きたいんやけどな。
音が小さいと空気感が伝わらへんねんな。
聴きたいのはリズムとメロディーだけじゃないんやけど。

ベースを絞ってラビン・スプーンフルのベストを聴いた。
1曲目『魔法を信じるかい』。
あー心から信じる。
この至福の2分間は何なのだ。
そこで何が起きてるんだろう。
何がどうなってこんな気持ちにさせるんだろう。

いつものように、そんなことはどうでもいいのだ。
いいんやからそれでいいのだ。

ロックンロールって言葉がみずみずしく響く。
エバーグリーンってそうゆうことか。
ロックンロールはいろいろある。
こんな切なくさせるようなのもある。

このベスト盤は時代順に編集されていて
1965年に始まって1968年に終わる。
3年でアルバムが6枚って今じゃ考えられないペースだ。

たぶん何か特別だった季節。
その空気に触りたくてしかたない。
いくらボリュームをあげたって触れるわけではないんやけど。
包まれるくらいの音で聴けば埃の匂いが立ち上がってくるような
気がしてボリュームに手が伸びそうだ。


ひとつの変化インわたしのライフ

2007年01月02日 | LIFE
去年の話やけど帽子をなくした。
僕が人生で大事に思ってる少ないもののひとつだ。
ものすごく大事なのだ。

でも無くすのは初めてではない。
思いだせるだけで2、3回無くした。
飲み屋に忘れたり、どっかで落としたり。
その度に奇跡的に出てきたんやけど。

今回はあかんかも。
あきらめることに関しては僕はいい線行くけど、
まだ名残惜しい。

最初から話せば、海を見に行ったのだ。
レンタカー借りて初めて東北まで行った。

途中、カーステレオが壊れた。
入れたCDが出てこなくなった。
この状況を分かりやすく言うと
すごく困った。

道中は片道6時間。
僕は5枚のCDを借り、3枚を買ってきたのだ。
旅の目的の半分は音楽を聴くこと。
そこでカーステレオの故障。

僕が最初に思ったのはどうやって直すかではなく
これってアメリカやったら賠償金出るんかなということだった。
時間は戻って来ないしな。
どうなんやろ。
僕の僕にとっては貴重な6時間は保障されるんだろうか。

僕はあきらめるために努力していた。
もうひとりは直す努力を始めた。

イジェクトボタンはいくら押しても反応しない。
リセットしても同じ。
次は、もう一枚CDを出してきて飲み込ませようとし始めた。
何を考えてるのか。
どうして女はこう電化製品に対してサディスティックなのかと
僕はまたいらんことを考えてた。

そしたら直ってしまった。
友釣りの要領で、おとりのCDにつられてつかえてたCDが出てきた。

あきらめてはいけないのだ。
誰に言われるよりはっきりそう思った。
御告げも運命もどうでもいい。
おれは車の中でCDが聴きたかったのだ。
じゃあそれを阻むものは打破せんとあかんやん。
今日は静かにするべき日やとか
何を勝手に神の声聞こえてんのか。

それで無事キャロル・キングが聴けた。
続けてダニー・ハサウェイが聴けて生きてて良かったと思った。

帰りは教訓を生かして夕暮れを追いかけてみた。
道を外れても空がきれいに見えそうなほうを選んだ。
それでもやっぱり信号待ちの何十秒かで置いていかれた。

夜が来た瞬間『コーヒーと恋愛』が終わって
新しいCDの1曲目は『ワンダーフォーゲル』やった。
努力はちゃんと報われるのだ。
知らなかったけど、僕はそれがそうやって聴きたかった。

さて、話は現在に帰る。
さっき実家のMDを整理した。
そしたらアカペラやってた時の練習録音が出てきた。
雑談とかは無し。
演奏だけ8曲入ってる。
たぶんどっかのデモテープ用にとったやつだ。

何年ぶりかに『A CHANGE IN MY LIFE』聴いた。
これすごい曲やったんやな。
さんざん歌ったのに知らんかった。

どの演奏も若くてエゴがたっぷりやけどよかった。
引くことを知らない。
全パート全力だ。

あーと思いながら聴いてたら音がプチプチと切れ始めた。
他のMDに変えてみたらそんなことはないのでディスクの問題なんやと思う。
古いから劣化してるのか、録音状態がそもそも悪いのか。

僕がいまこのMDを捨てたら、この演奏は消えてしまう。
もう誰も知らない。
自分やってきっと思い出せない。

ここには確かなエネルギーの記録があるんやけど
もうたぶん消えて行くらしい。

それでいいのだろうな。
もう終わったことなのだから。
たぶん。
それとも僕はあきらめずPCにデータを移して復元を試みるべきか。

どうしようもないことのみ、祈る価値があると去年知った。
祈るくらいまでやったなら後はどうなっても大丈夫ということだ。

新しいことが始まるらしい。
新年は関係ない。
帽子が無いからだ。