現代へのまなざし

日本とはなにかを探求します。

神話と現実-原発安全神話への単純な疑問-

2015-04-27 20:15:11 | 日記
(要旨)
・自動車事故や火力発電所の事故、さらには戦争についても人間の手でそれを止めることが可能だ。
・しかし、地震大国日本では原発事故のリスクがあり、原発事故は全電源喪失など過酷な状況下では止めることができない。
・つまり、原発は制御不能となる可能性がある。
・これらのことから、原発は安全だというのは神話でしかなく、原発が安全だという主張は戯言でしかない。

(本文)
 2011年3月11日、東北地方を襲ったマグニチュード9.0の大地震により、福島第一原子力発電所は全電源喪失という状況に陥り、チェルノブイリ原発事故と同等の重大な事故を起こした。
 核燃料がメルトダウンし、大量の放射性物質を周辺にまき散らした。場合によっては、首都圏全域が避難対象となる事態に陥りかねない状況だった。

 さて、なぜ原子力発電所が危険なのか。原発事故は他の事故と比べてなぜ危険なのか。なぜ原発を停止させる必要があるのか。日本は太平洋プレートやフィリピン海プレート、ユーラシアプレート、北米プレートに囲まれた場所にあり、地震が多発する地域であることが一番のポイントである。従って、火山も多く存在する。日本では地震が発生するのは当然であり必然なのだ。

 そして、原発事故が他の事故と最も異なる点、それは、人間の手によって制御できないという点である。原子力発電は核分裂によるエネルギーを熱エネルギーに変換し、電気を生み出している。核分裂は一度始まると制御が難しい、実際に、福島第一原発の事故でもどのように制御するかが最も大きな問題となった。

 あとは、他の事故などと単純に比較すればわかりやすいだろう。

 自動車事故:自動車を運転する人間の操作ミスや自動車の欠陥などから発生するが、自動車の進入を禁止すれば自動車事故はゼロになる。歩行者天国の場所では自動車事故は起こらない。さらに進めて、自動車の使用を一定期間禁止すれば、その期間は自動車事故は発生しない。

 火力発電の事故:火力発電所で事故が発生した場合、大量の消火剤を投入すれば消火が進む。仮に、放置していたとしても、燃料である石油、石炭、LNGが燃え尽きれば自然に鎮火していき、事故は終息するだろう。

 戦争:戦争を起こすのは軍隊であるが、軍隊は指揮命令系統がはっきりしており、実働部隊は上官の指示どおりに行動する。したがって、各軍隊の最高指導者が停戦を命ずれば軍隊による戦闘は停止する。人間の実働によって軍隊は動くものである限り、人間の手によって軍隊は停止し、戦争も終結させることができる。

 原発事故:全電源喪失により制御不能になった原子力発電所は、核分裂を止めることができず、人間の力ではどうしようもできない。「制御不能」となるのが原発事故の特徴である。大地震の発生が運命づけられている日本では原発事故のリスクは必ずつきまとう。日本人全員が、日本政府の最高責任者が止めようとしても止まらないのが原発事故の特徴である。

 日本では、原発が安全だなどということは神話であり、現実を直視できない者の戯言だとしか言えないのである。
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