そこは、まるで絵空事が紙から飛び出てきたような
そんな世界だった。
ぎこちなく、しかし目まぐるしく回る空に
雲が渦巻き
繋がっては消え、消えては現れ……
まるでそれは……
「……(トイレットペーパーの芯と鏡とビーズ……総額500円なのは黙っておこう)」
さて、ラストバトルはハック&スラッシュです。
全部で、9段ある『誰其彼怪奇譚』の物語を踏破して、怪異を納めること!」
それに僕という人質の命が惜しくなかったら、思う存分使ってくれてもいいけどね……」
「さて、シナリオギミックだけど……9つの怪談が収録されています。
第1段 『雲外鏡』
第2段 『覚女』
第3段 『猫娘』
第4段 『雪子』
第5段 『ろくろ首』
第6段 『川禿』
第7段 『刑部』
第8話 『件』
第9話 『夜鷹浄土』
あります」
なんか、女の人の名前みたいなのがあるけど……」
「基本的に化物女に出会って、逢瀬して飽きて捨てられて祟られるというお話だからね」
まあ、これを1つづつ攻略してもいいし……
君が調べてきた情報の場所を調べてもいいよ」
で、どうやって攻略するの?」
または、出てくる妖怪の影を倒せば、落丁する。
で、十三の記憶を奪った話と僕を囲ってる話があるんで、どうするか気をつけてね」
行きます!」
「……意外にオーソドックスなのを選んだね……『夜鷹浄土』以外」
私なんて6段以降の妖怪の元ネタわからないわよ?」
川禿=かっぱ
刑部=刑部姫か刑部たぬき
件=女の首を持った牛
夜鷹浄土=隠れ里もしくは吉原……
かなぁ……
で、多分最後のやつが新作なんだろうなぁ……
これだけ、経路が違うからなぁ……」
「それもあるな……ひょっとすると百マスダンジョンするつもりだったかもな……」