薫のよもやま話

森山かおる
市原市議会議員
重度障がいの息子を育てながら、日々感じる事を想いのままに

福祉の暗いイメージを払拭!

2017年08月06日 | 障がい

かながわ福祉サービス大賞の特別賞を受賞した(株)アイムの放課後等児童デイサービス「エジソン放課後」「ダヴィンチ放課後」の2か所を訪れました。

経営者の佐藤さんは息子さんが3歳の時に自閉症と診断されたことで、取り組みが進んでいるロスアンジェルスに引っ越し、9年を過ごした後に帰国して、自閉症に対する取り組みがアメリカと比べて30年遅れている日本の状況に危機感をもち、自分で事業を立ち上げられたのです。

佐藤さんの経歴はグラフィックデザイナー、ヤフーのマーケティング、東京ガールズコレクションやキッドソン等のプロデュースなど、福祉の世界とは違う華々しいもの。

だからこそ、日本の暗い福祉のイメージを払拭し、親が我が子を預けたいと思えるような施設にするために、「まず最初に、大人がいたいと思えるような空間作り」を大切にされているのです。

壁に絵画を飾り部屋ごとに照明を変え、シャンデリアまである。棚や家具などのインテリア選びから壁の色などにもセンスが溢れていました。

シャンデリアの下で宿題。

美しいものを好むのは自閉症であっても同じはずなのに、こんな空間は今までの福祉施設にあったでしょうか。

一日の利用者(6名)に行き渡るパソコンが用意されています。

ITを使うことは、好奇心を追及できるし、楽しいと思えば子どもは自ら学んでいくからです。

ヴァーチャルで絵を描ける機器もあり、これにはハマりました。

ゴーグルをつけるので集中できるし描いた線をくぐったりできるので、空間認知が苦手な自閉症児でも楽しく遊べます。

次に訪問した「ダヴィンチ放課後」は、多動傾向で体を動かすことが好きな子どもたちが多いのが特徴です。

壁にカラフルな石をはめ込んだボルダリングに挑戦する私。やってみたくなります。

滑り台もあります。

多動傾向の子どもさんは日中にしっかり体を使って帰宅しなければ、家庭ではフォローしきれません。室内なので雨天でも体を動かせます。

勿論こちらにもパソコンが用意されていて、「やりたい!」と思わせるものがいっぱいでした。

ビルのワンフロアを借りていて、部屋全体をスタッフが見渡せるように壁を作っていないため窓からの入光が部屋全体に行きわたり、明るくて開放的。

特に注目したのはスタッフの4割が児童の保護者であること。(しかも美人ぞろい!)その理由は「子育ての中で経験し得た知識は、どんな専門家よりも子どもを理解しているから」と、佐藤さん。

私はヘルパーの資格を持ってるんだけど、受講の際に学習した障がいに関する内容よりも、息子の子育てで得た知識のほうが役に立つと感じてきただけに、そうそう!と大きく頷いてしまいました。

遊びの中にこそ自主的な学びがある。得意なことを伸ばすことで全体のスキルもあがっていくという考えの元で、自由に遊びながら人との交流やルールを学び、自分をコントロールする力を身に着けていくのです。

最近では健常児の親からも子どもを通わせたいと言われるほど注目されていて、まさに福祉や障がいに対する暗いイメージを払拭した施設でした。

佐藤さんのような考え方が、もっともっと広がってほしい。

暗いイメージの払拭は、障がい児者の理解にもつながるはずです。

 中央が佐藤さん。皆を楽しくさせてくれる魅力的な方です。有難うございました!

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