BALIぴあNote

Pianoと納豆と、そしてBALI

ショパン、バルカローレ、聴き比べ

2013-04-25 20:19:55 | piano


先日のコンサートの演目中一番の難曲は
ショパンのバルカローレ。
昔から、ショパンはあまり得意ではなかったのに、
やっぱりこの曲の美しさに負けて、選んでしまった。

どうしてもこの曲を弾いてみたい、
という執念(?)でがんばった。

とても、弾きやすくて
(というと生意気だけど、わかりやすいというか、理解しやすいというか)
弾けば弾くほど、大好きになっていった。

プロのピアニストは、どんな風に弾いているのだろう?
自分の表現は間違ってないんだろうか?
自信のない私は、3人のプロの方の演奏を聴いてみた。

1人は、自分と同じ年代の女性ピアニスト、小山実稚恵さん。
もう一人は、ツィメルマン。
最後の一人は、辻井伸行さん。

まず、感想から。

一番、ぴったり来たのは、小山さんの演奏。
波間に翻弄されるゴンドラの様子が目に見えるよう。
それに加えて、明るい陽光のもとにいながら、
内面に溢れんばかりの情感と寂寞と、
情念のようなものも感じられて、
美しいだけではない曲の凄みがよく出ていた。

ツィメルマンは、まるでベートーベンのようなショパンで、
わたし的には、イマイチであった。

辻井さんは、きっとまだ若いのだろう。
美しいけど、すごくあっさりした演奏だった。
ショパンの苦悩みたいなものは感じられず、
ただただ、明るくきれいだった。

曲の解説を読むと必ずあるように、
ショパンと恋人であるサンドが
別れる直前にかかれたこの作品。
胸の病気が悪化する一方のショパンは
サンドの別れの気配をどのような気持ちで受け止めていたのだろうか?
献身的に尽くしてくれたサンドが去ろうとしているのに、
引き止めるすべも力も、もはや自分にはないという悲しみと諦め。
底の方で、うねうねと動いているショパンの感情が
この曲にはあると思う。



とても弾き甲斐のある、いい曲だった。
まだ、弾きこなせてないけど、いつかもっといいものにできるように
ずっと弾いていきたい。






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