叶った夢

2005年07月17日 | 航空祭

1996年、初めて見に行った航空自衛隊築城基地航空祭で見たF-15イーグルの迫力に圧倒された。あんな飛び方をする事ができるという事実には、正直驚いた。

特にイーグルの上昇能力は凄まじく、アフターバーナーを焚きながら、垂直上昇していくさまを見て度肝を抜かれた。 飛行機好きを自称する自分にしては、それまでなぜか自衛隊が行う航空祭のことをよく知らなかった。プロペラのついてない飛行機にはあまり興味がなかったせいもある。

航空祭では、普段見られない戦闘機のコックピットや派手な機動飛行を見ることができるのである。しかも何十億もするような航空機と、その飛びっぷりをたっぷり見れるにもかかわらず、お金は一円もいらない。

澄み切った秋の青空のもと、出かけていくだけでも気持ちがいい。かくして毎年秋に行われる航空祭見物は私の恒例行事の一つとなった。

一方で、私はセスナなどがプロペラを一生懸命回して飛ぶ、あのひたむきさというか、あの感じがなんとも言えず好きだ。クンクンクン、スパッ、スパスパスパ・・ブロロロォー、ブォーというエンジン始動時のあの音もたまらなく好きだ。鉄道ファンがSLにひかれるのと似たところがあるのかもしれない。

私がセスナに初めて乗ったのは30代になってからである。多くの人はビジネスや旅行などで旅客機に乗る機会はあっても、特に希望しない限り軽飛行機にかかわる機会はあまりないと思う。

初めて乗った時は整備士がランナップを行うところから見学させてもらった。無線のスイッチが入るとATISが聞こえてきた、初めて聞く英語による航空無線。出発前のパイロットとTOWERとのやりとり。意味はわからずとも胸が弾んだ。

航空無線では数字の9をナインと言わずに、ナイナーと発声する。これがまた私みたいな人間にとってはたまらなくカッコよく聞こえてしかたがない。

実は私がセスナに初めて乗ったのは遊覧飛行ではなく、学校で人文字を作って上空から撮影をする航空写真撮影の時だった。けなげに人文字を作って待っている子供達を上空から見た時、飛行機のコックピットに同乗できた嬉しさとが一緒になり、感激で目が潤んだ

こぼれそうになる涙をぬぐいながら、『俺は・・俺は、ほんとに飛行機が好きだったんだ・・』とその時あらためて自分自身、気づくことになった。

セスナという飛行機の操縦席に乗って飛んだ事によって、あらためて自分の存在なり、自分が心の底から望んでいたものにあらためて気づいたのだった。そしていつかこの飛行機の

 機長席に乗って操縦するんだ!

そう誓った。その夢はなんと、それから20年近くも経ってから叶う事になった。人生とはわからないものである。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿