タバコ後進国、日本。

つい先日、アニメ、風立ちぬ、に関するNHKのインタビューを見た時、
宮崎駿もついに老害に達したかな、と思いました。テレビカメラの前で、モクモクと煙をふかしながらのインタビュー。2013年のテレビ映像とは信じ難い、異様な光景でした。

本人としては確信犯なんでしょうけど、誰も止められなかったんだろうなと思います。そういう意味で、残念を通り越して、痛々しい光景でした。

その昔、バカの壁で一世を風靡した養老孟司も、テレビの前でタバコを吸ってましたが、最も脳とタバコの奴隷関係を熟知しているはずの脳科学者が、自らスパスパしてたのは、単に滑稽なだけでなく、大事な使命の放棄とも感じました。

テレビや映画は、タバコの臭さや汚らしさが直接伝わらないだけに、もしかしたら憧れの念をもって接することになるキラキラした目の子供たちに、誤った先入観を植え付けないよう、より一層、 慎重な配慮が必要と思います。

本当に怖いのは臭いや発ガン物質だけでなく、薬物中毒患者を支配するニコチンです。大人ですらまともな思考が出来なくなってしまう恐ろしい相手ですから。

世界的に醸成された人類の叡智が、久しくメディアからタバコを遠ざけるよう努めてきたと思っていましたが、今頃になって、死んだはずの超強力な昭和の亡霊が現れた感じです。

昭和の不幸な歴史の一つの側面が、21世紀になって、 やっと、ほんのちょっと生まれ変われそうな機運が芽吹きかけているのですから、そっと成就させてはくれないでしょうか。