弁理士試験に合格したら平野式特許事務所開業ゼミ

弁理士による独立開業ゼミです。弁理士試験卒業後は弁理士の資格で独立。弁理士の年収アップ、特許事務所の開設に挑戦

損失を回避する方法 - 弁理士の独立・特許事務所開業

2012-09-29 10:56:19 | Weblog
こんにちは。特許事務所開業ゼミの管理人の平野泰弘です。
さて今日は損失を回避する一つの方法を説明したいと思います。

今回は場面設定を変えます。

今、武装した悪徳勢力が人質を取って学校に立てこもっている、とします。
あなたは事件解決を命じられた警察隊の隊長である。とします。

悪徳勢力に占拠された学校を、現在1000名の警察官で包囲していて、武装した悪徳勢力は学校から脱出することはできない状態です。

現在、学校の内部はどうなっているかは分かりません。
そこであなたは一人の隊員に、学校内部がどうなっているか調べるために学校内部に潜入して様子をみてくるように命令します。

隊長:「おい、鈴木。学校内部に潜入して、中の様子がどうなっているかみてこい。」
鈴木隊員:「了解しました!」

・・・一人で学校内部に潜入した鈴木隊員は10分経っても20分経っても戻ってきません。
無線で呼び出しても応答もありません。

そこであなたは二人目の隊員に、学校内部がどうなっているか調べるために学校内部に潜入して様子をみてくるように命令します。
隊長:「おい、佐藤。学校内部に潜入して、中の様子がどうなっているかみてこい。」
佐藤隊員:「了解しました!」

・・・一人で学校内部に潜入した佐藤隊員は10分経っても20分経ってもやはり戻ってきません。
無線で呼び出しても応答もありません。

・・・おちは分かると思いますが、悪徳武装勢力の中に一定時間おきに小出しに戦力を突入させたのでは、相手側に確実にこちら側が倒されてしまいます。

一人ずつ隊員を現場に送り込むことにしたのは、多人数では相手に察知される可能性があること、また仮に相手に倒されたとしても倒される被害が一人で済むことによります。

けれども、一定時間おきに小出しに戦力を送り込んだのでは、警官隊が1000人いても5000人いても、やがて警官隊は全滅します。

【戦力の逐次投入は避けなければならない】

・・・これがセオリーです。

次に、武装した悪徳勢力が一定時間おきに人質に危害を与える、と警官隊に通告し、これを実際に実行始めたとします。
もたもたしていると被害が拡大します。
あなたが隊長なら、どのように判断しますか。

一つの答えは(これが唯一の回答ではありませんが)、

全警官隊を一気に現場に突入させて、警官隊により学校内部を制圧してしまうことです。

予想は付きますが、全警官隊を一気に現場に突入させた場合、こちら側と相手側に確実に被害がでます。
けれども、何もせず手をこまねていて人質全員がやられてしまうことも回避する必要があります。

あなたなら、どのような判断をしますか。

ちなみに前回までに説明した、50%50%の条件における投資効率を思い出してください。
この投資効率との関係で、あなたの判断に矛盾は生じませんか。

これはあくまで思考実験です。
日常生活では、たぶんあなたはこの様な判断を迫られることはないでしょう。

けれでもレベルは違うと思いますが、長い特許事務所経営の中では、
右に行ってもアウト、左に行ってもアウト、という局面に追い込まれることもあります。

その局面の中で、あなたはどのように行動しますか。


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数字のマジック-弁理士の独立・特許事務所開業

2012-09-28 09:45:20 | Weblog
こんにちは。特許事務所開業ゼミの管理人の平野泰弘です。

さて、前回までは勝率50%の場合の定額投資と定率投資を行った場合、どの様に手持ちポイントが推移するか検討してきました。
どうですか。検討の結果は日頃あなたが感じている数字に対する印象と違うでしょ?

この日頃感じている数字に対する印象と、実際の手持ちポイントの推移のズレは、特許事務所を経営するようになったあとのキャッシュの流れのコントロールにも影響を与えます。このため、根拠のない数字に対する印象は振り払っておく必要があります。

これまでの検討結果と同様に、例えば最初の手持ちポイントを100万ポイントとして市場に参入する、とします。

何回戦か勝負を重ねた、とします(この一区切りを「1ターン」といいます。)。

1ターンを終えた後、最初の手持ちポイントである100万ポイントが50万ポイントに減少した、とします。

1ターンを終えた後の結果は、最初の元金の50%が減少した、と表現することができます。

しかし、50万ポイントを100万ポイントに戻すには、50%増では足りず、2倍、すなわち200%にする必要があります。

・100万ポイント×【50%】=50万ポイント
・50万ポイント×【2倍(200%)】=100万ポイント

・・・あれ、って思いませんか。

最初の手持ちの100万ポイントが50万ポイントに減った場合は50%減ですが、これを元に戻すには減少後の手持ち資金を2倍にする必要があります。手持ちポイントが減少してしまうような勝負の流れの中で手持ちポイントを2倍にする。これは非常に大変です。

★最大の問題は、上記の「1ターン」で手持ちポイントが50万ポイントになった「勝負の流れ」です。

漫然と次のターンに挑戦したなら、再度同様の攻撃を市場から受けることになります。
最初の1ターンで失った50万ポイントが定額攻撃であったなら、次のターンで手持ちポイントはゼロになる可能性があります。
また最初の1ターンで失った50万ポイントが定率攻撃であったなら、次のターンで手持ちポイントは25万ポイントになる可能性があります。

そして手持ちポイントが25万ポイントまで凹んだ場合には、元の100万ポイントまで戻すためには25万ポイントを4倍にする必要があります。

あまり意識されていないかもしれませんが、これが最も注意しなければならない「数字のマジック」です。

お金を貯めるのはコツコツ時間がかかるのに対し、
使う場合にはあっという間になくなる感覚というのは、私は正しいと思います。

上記の「1ターン」で手持ちポイントが50万ポイントになった「勝負の流れ」を解析せず、
漫然と再度市場に出ると、回復不能なまでに市場から叩きのめされる場合がある、ということです。

・・・というか、まず間違いなく、市場から叩きのめされます。


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ビギナーズラック-弁理士の独立・特許事務所開業

2012-09-27 09:57:17 | Weblog
こんにちは。特許事務所開業ゼミの管理人の平野泰弘です。

さて、投資の効率についての感覚については、先にこのブログで説明したエクセルを使った方法により把握されていると思います。
まだエクセルで実際に検討していない方はぜひチャレンジしてみてください。

昨日までの説明で、勝率を50%に設定した場合、定額投資でも定率投資でも勝つことはできないことを説明しました。
手持ちポイントは、投資の回数を増やす毎にだんだん減少していきます。

でも負けっぱなしではないことも分かると思います。

例えば、手持ちのポイントが100万ポイントとします。
勝率50%の定率投資にチャレンジしたとします。

モデルを簡単にするために勝ち負けは交互に現れると仮定します。

手持ちポイントの50%を投資するとして、
最初に50万ポイントを拠出して、勝ったとすると、

・1回目の勝ち:100万ポイント+(100万ポイント×50%)=150万ポイント
・2回目は負け:150万ポイント-(150万ポイント×50%)=75万ポイント
・3回目は勝ち:75万ポイント+(75万ポイント×50%)=112.5万ポイント
・4回目は負け:112.5万ポイント-(112.5万ポイント×50%)=56.3万ポイント
・5回目は勝ち:56.3万ポイント+(56.3万ポイント×50%)=84.5万ポイント

・・・との結果になります。

注目していただきたいのは、1回目の勝ちと3回目の勝ちです。
最初の合計2回の勝ちの局面だけ、当初の手持ちポイントである100万ポイントを上回っています。

★これがビギナーズラックと言われるものの正体です。

投資を複数回繰り返すとすると、
最初に勝つことのできるほんのわずかの段階だけ、当初の手持ちポイントを上回ることがあります。

以降だらだら勝負を続けたら、確実に手持ちポイントは市場に巻き上げられてしまいます。


1)勝率が五分五分の場合、定率投資でも定額投資でも勝つことはできず、定率投資なら手持ち資金はいずれなくなる。
2)勝率が五分五分の場合、定率投資で勝つことができるのは投資の初期の局面だけ。

上記の(1)については、「よく分からないところに手を出してはいけない」という、よく耳にする話に合致していることが分かると思います。

また上記の(2)については「ビギナーズラック」としてよく知られているところです。



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市場に出る前に

2012-09-26 11:10:07 | Weblog
さて前回のブログで解説したエクセルで、投資効率の感度をつかんでいただけましたでしょうか。

結論として、
・手持ちポイントの定額投資では勝つことはできない
・手持ちポイントの定率投資では、勝率が50%の場合は負ける

・・・ということが理解できたと思います。


勝率を50%として、モデルを簡略化するために交互に勝ち負けが現れると仮定します。

最初に100万ポイントがあったとします。
一回の投資で50万ポイントを拠出したとすると、


(1)最初に負けた場合

100万ポイント-(100万ポイント×50%)=残額50万ポイント

残りは50万ポイントになってしまいます。

次に勝った場合には、

残額50万ポイント+(50万ポイント×50%)=残額75万ポイント

・・・になり、最初の100万ポイントに戻ることはありません。

いつの間にか、25万ポイントが市場に巻き上げられていることが分かると思います。

これは最初の一回目で負けたから残額ポイントが減少した、と思いますか。
それは違います。

(2)最初に勝った場合

勝ち:100万ポイント+(100万ポイント×50%)=残額150万ポイント

負け:残額150万ポイント-(150万ポイント×50%)=残額75万ポイント

一回負けた段階で残りはスタート時点よりも減ります。

★最初に勝っても負けても、勝率50%で定率投資に挑んだ場合には、必ず負けます。

そして定額投資をそれに組み合わせたとしても、勝つことはできません。


この点はしっかり頭に刻み込んでおいてくださいね。


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投資の効率(エクセルを使って計算してみてください)

2012-09-24 20:53:27 | Weblog
こんにちは。特許事務所開業ゼミの管理人の平野泰弘です。

毎年開催している特許事務所開業ゼミも今年で第8期になります。
毎年ゼミは8月に募集を行い、秋の9月から開講してきました。

今年からは開講を遅くします。
今年、弁理士試験に最終合格した方々がゼミに参加するのが1年後になってしまいますから。

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・・・さて。

今日は投資の効率についてお話したいと思います。

例えば、現在、100万ポイントをあなたは保有していると仮定します。
それを次の様な条件で運用した場合、どのような結果になると思いますか。


(1)定額運用の場合

100万ポイントのうち、定額の10万ポイントを毎回投資します(定額投資)。
毎回の投資の結果を一つのサイコロで代用します。

サイコロで偶数(○とします)が出た場合には10万ポイントが貰えます。
逆にサイコロで奇数(×とします)が出た場合には10万ポイントが没収されます。

仮にサイコロで偶数、奇数が交互に出る、と仮定します。

そうすると、最初は10万ポイント勝って、次は10万ポイント負けて、次は10万ポイント勝って・・・というサイクルが延々と続きます。

最初の100万ポイントは増えも減りもしないことが分かると思います。


(2)定率運用の場合

100万ポイントのうち、前回の投資の結果、残った残額の10%を毎回投資します(定率投資)。

サイコロで偶数(○とします)が出た場合にはサイコロを振る前の手持ちポイントの10%のポイントが貰えます。

逆にサイコロで奇数(×とします)が出た場合にはサイコロを振る前の手持ちポイントの10%のポイントが没収されます。

仮にサイコロで偶数、奇数が交互に出る、と仮定します。

・・・結果はどうなると思いますか。

おそらく予想に反する結果になると思います。

★回数を重ねるごとに、手持ちポイントはだんだん減少していきます。

理由は簡単ですネ。
手持ち額の10%を負けた後で、減少した手持ち額の10%を勝ってもらったとしても元の状態には戻らないからです。

・一回目:負けた 100万ポイント → 90万ポイント
・二回目:勝った  90万ポイント → 99万ポイント 

お金を貯めるにはコツコツなのに、
使うとあっという間に減ってしまう感覚とか、

クレジットカードの明細書を見て、そんなに使った記憶がないのにトータルの金額が多く感じる感覚は、私は正しいと思います。


(3)エクセルでの再現

エクセルを開いてください。
A1は空欄にしておきます。
A2から下の縦のカラムに、「1、0、1,0・・・」と入力します。

B1に、「100」と入力します。

B2に、「=if(A2=1,B1+B1*0,1,B1-B1*0.1)」と入力します。
(となりのAカラムの数値が1なら10%加算、0なら10%減算、との意味)

B2から下の縦のカラムに、コントロールキー+DでB2の内容をコピペします。

具体的にどの程度、最初の持ち金が減っていくか理解できると思います。

遊んでみてください。


(4)結果

最初に投資するポイントを増加させると、あっという間に、市場に手持ちポイントを巻き上げられるのを実感できると思います。

また、50%50%の条件の戦いではいずれ手持ちポイントがなくなるのも分かって頂けると思います。

勝率何%なら市場に残ることができるのか、
一回当たりの投資額はどのレベルがよいのか、

の感覚について、ご自身のエクセルのパラメータを動かしてみて、
ぜひ体観してみてください。