米海兵隊は撤収を

2010年04月24日 | 掲示板
(2010.4.24)琉球新報

米海兵隊は撤収を 
      ・・普天間基地問題についての第二の声明(全文)


 米海兵隊普天間飛行場は、住宅密集地の中にある世界で最も危険な基地と
して、速やかな閉鎖、撤去が求められてきた。旧自民党政権は、普天間の移
設先として、北部名護市の辺野古(キャンプ・シュワブ沿岸部)に代替基地
を建設することを米国との間で「合意」したが、それは、沖縄の中に新た
な巨大基地を建設することに他ならず、沖縄県民はあらゆる機会にそれに
反対する意思を表明してきた。
 2009年秋の政権交代と、民主党の「国外、最低でも県外(移設)」と
いう選挙での訴えが、沖縄県民に希望を与え、状況を大きく変えた。201
0年1月の名護市長選挙では、辺野古への移設に反対する稲嶺進候補が勝利
した。2月には、これまで移設を容認してきた自民党、公明党を含め、沖縄
沖縄県議会が全会一致で「普天間基地の県外移設」を求める意見書を採択した。
また県内41市町村長全員が県外・国外を主張している。保守が擁立した仲井
真弘多県知事も「県内(移設)は厳しい」と語り始めた。沖縄は、いまや”オール
沖縄”で「県内移設」反対を明確にしたのである。

しかし2010年5月まで「決断」を先送りした鳩山政権は、県外移設の可能
性を真剣に追求することはなく、キャンプ・シュワブ陸上案や勝連半島沖埋め
立て案など、「県内」うぃ軸に決着することを図り、動き始めている。
 私たちはこの政権の動きを深く憂慮し、以下のように声明する。(呼び掛
け人のうち18人は、2010年1月に発表した本土の学者・知識人声明の呼
び掛け人である。沖縄でもすでに学者・知識人による海兵隊撤収要求の共同声
明が出されており、その意味でこれは合同で第二の声明といことになる)

(1)私たちは、辺野古陸上案(キャンプ・シュワブ内)、勝連半島沖案は
もちろん、すべての沖縄県内移設に反対する。これ以上沖縄に過重な負担を
かけてはならない。沖縄の意思を無視してはならない。沖縄の環境を破壊して
はならない。
(2)民主党は、衆議院選挙で「国外、最低でも県外」を訴えた。また名護市長
選では、辺野古移設反対を主張する稲嶺進候補を推薦し、勝利させた。鳩山政権が、
県内移設で決着させるならば、それは明確な公約違反であり、国民・県民への
裏切りと言わなければならない。鳩山政権は、仮に現在の日米安保体制を前提に
するとしても、まず県外移設の可能性を徹底して追求すべきである。
(3)県外でも県内でも移設を受け入れる地域がなかった場合、現在の普天間
飛行場をそのまま継続使用するという案が出ているが、それは許されない。周辺
住民の生命と暮らしを脅かしているこの危険な基地は、速やかに閉鎖されなけれ
ばならない。
(4)県外移設を追求した結果、どの地域も受け入れないということならば、
日本国民には海兵隊の基地を受け入れる意思がないということを意味する。
必然的に米海兵隊は日本から全面的に撤収する以外にない。日本国民には、
米海兵隊の存在なしに、東アジア地域の平和と安定を構築する積極的な役割を
果たす意思があるということである。米国は、日本国民の意思を尊重しなけれ
ばならない。
(5)そもそも政権が奔走し、メディアが関心を集中させたのは、「基地用地」
探しばかりであった。いま考えるべきことは、本当にそのようなことなのだろうか。
むしろ冷戦時代の思考法である「抑止力」とか「敵」とか「同盟」といった
発想そのものを疑い、その呪縛から逃れることが必要なのではないか。国際
社会に「共通の安全保障」や「人間の安全保障」といった考え方が現れ、冷戦
の敵対構造を解体していく大きな力になった。私たちは、米軍基地の代替地を
タライ回しのように探すのではなく、米軍基地を沖縄・本土に存在させ、米軍
に勝手気ままに使用させている構造こそを問わなければならない。日米安保条約
は、冷戦時代の遺物であり、今こそ、日米地位協定、ガイドライン(日米防衛
協力の指針)などを含めて、日米安保体制を根幹から見直していく最大のチャンス
である。その作業を開始することを、日本政府、そして日本国民に訴える。

呼びかけ人

【県外】宇沢弘文東京大名誉教授、遠藤誠治成蹊大教授、岡本厚氏(岩波書店
「世界」編集長)、加茂利男立命館大教授、川瀬光義京都府立大教授、古関彰一
獨協大教授、小林正弥千葉大教授、小森陽一東京大教授、千葉真国際基督教大教授、
寺西俊一一橋大教授、西川潤早稲田大名誉教授、西谷修東京外国語大教授、原科幸彦
東京工業大教授、前田哲男氏(評論家)、水島朝穂早稲田大教授、宮本憲一大阪市立
大・滋賀大名誉教授、山口二郎北海道大教授、和田春樹東京大名誉教授
【県内】新崎盛暉沖縄大名誉教授、大城立裕氏(作家)、大田昌秀元沖縄県知事、
我部政明琉球大教授、桜井国俊沖縄大教授、島袋純琉球大教授、新城郁夫琉球大教授、
高里鈴代氏(基地・軍隊を許さない行動する女たちの会)、高良鉄美琉球大教授、
高良勉氏(詩人、批評家)、照屋寛之沖縄国際大教授、富川盛武沖縄国際大教授、
仲里効氏(メディアエ作者)、仲地博沖縄大教授、比屋根照夫琉球大名誉教授、
三本健氏(ジャーナリスト)、宮里昭也氏(同)、宮里政玄沖縄対外間題研究会代表
山城紀子氏(ジャーナリスト)、由井晶子氏(同)

「関西の会」設立の集い (沖縄タイムス2010.4.5)

2010年04月05日 | 掲示板
沖縄戦や米軍基地のガイド、調査研究などに取り組む
沖縄平和ネットワーク(平和ネット) の「関西の会」
が3日、発足した。県外では首都圏の会(東京)に続く
2カ所目の拠点。大阪や京都を中心に、3カ月に1度
のペースで集まり、講演会や戦跡をめぐるフィールド
ワークなどの開催を目指す。
共同代表にいずれも中学校教諭の竹山幸男さん、平井
美津子さん、本庄豊さんの3人が就いた。
平井さんは「これまで平和ネットの活動は沖縄に限定
されていたこともあり、関西で沖縄の問題を考える受け
皿が必要だった」と話す。関西には、慶良間諸島での沖
縄戦時の軍命の有無をめぐり、旧日本軍の元戦隊長らが
大阪地裁に起こした「大江・岩波裁判」の被告側を支援
する連絡会もあり「関西ならではの活動をしたい。会員
に限らず広く門戸を開き、多くの人に参加してほしい」と
意欲を見せた。
同日、同会の事務局を置く京都市上京区の同志社中学校
で設立の集い=写真=があり、京都や大阪、三重などから
43人が参加。沖縄国際大の石原昌家名誉教授が「有事体制
下・沖縄戦裁判の到達点」と題して講演し、戦傷病者戦没者
援護法と靖国合祀との関係や沖縄戦の実相がねじ曲げられる
背景、米軍普天間飛行場移設問題などを説明した。