快読日記

日々の読書記録

「蟻」ベルナール・ウェルベル

2011年02月03日 | 翻訳小説
《1/31読了 ウェルベル・コレクションⅠ 小中陽太郎・森山隆/訳 角川文庫 2003年刊(1995年にジャンニ・コミュニケーションズから刊行された「蟻」(上下)に加筆・訂正して文庫化) 【翻訳小説 フランス】 Bernard Werber(1961~)》

角川文庫が「文庫ソムリエ」ってのをやってるんですね。
本屋で、そのソムリエが激しく推奨している帯を見てムラムラきて即買いです。
そして、幸せなことに期待は裏切られませんでした。

高度な知恵を持ち、秩序ある社会を構築する昆虫・蟻の小説です。
共同体をつくり、農業をし、戦争までする蟻。
さらには、仲間同士の完全な意思の伝達を行い、麻薬まで使い、
その上、あんなことやこんなことも!
(これから読む人のために、この辺でやめときます)
とにかくびっくりする話の連打を浴びました。

振り返ってみると、ストーリー自体はそんなにおもしろくないんですが、
(蟻のドラマに比べて、人間の話がいまいち中途半端で貧相だからかな)
作者が「全く理解不能なもの」として何度か日本人を挙げているのも引っ掛かりました。
あと、カバー袖の登場人物紹介でいきなりネタバレしてるのはいかがなものかと。

…と、あれこれ小姑みたいに言ったけど、全般的にはこれ、かなりおもしろいです。
ソムリエも薦めるわけだ。
もう蟻を見つけても絶対つぶしません。
巣に水をかけたりしません。

宇宙開発も地底探検もいいけど、この地上にこそ未知のおもしろいものたちがまだまだひしめきあってるんですね。

養老孟司のちょっとツンとした解説も素敵。


/「蟻」ベルナール・ウェルベル
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