降って来るもの

写真と散文とぽえむ

心訓抄

2017-09-01 17:17:18 | 徒然

              心訓抄・Ⅺ「一期一会」

 

ぼーるぺんを忘れたので

大いに戸惑ったのだ、今朝は

呼吸を一回失念したように

三秒ばかり動悸が止まったように

脳内の歯車が一つ欠けたように

 息苦しくなった

降ってくるもの達は、容赦なく僕を擦り抜け

事情など寸借する素振りも見せず

一期一会の一瞥を置いて

 つぎつぎに過去へと傾れた

 

一頻りの後悔の後で

めぐり合い、触れ合い、交わえる、奇蹟の瞬間は

ほんとうに一度限りなのだと

 再び胸の石板に刻む込む

*09/01 17:17:17

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気づけない程の窪みで

2017-09-01 06:20:07 | 

            気づけない程の窪みで

 

儚げな呼吸の音が聞こえる

あの人の吐き出す切ない情感の息が

静かに揺らめきながら届いてくる

 

あの人の影が僕の網膜を掠めて過ぎる

五感に触れて

陽炎のように散見する

 

めぐり合う瞬間には

いつでも

些かの衝撃を受けるが

 その出会いが本物かどうかは

その波動を

綿花のように胸に含めるか否かなのだ

 

めぐり逢いや出逢いや縁の種は

彼方此方の隙間や、思い掛けない石榑や

気づけない程の窪みで

 何時でも

息をひそめて待っているけれど・・

*09/01 06:20:06 万甫

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存在の影を

2017-09-01 05:52:36 | 

                存在の影を

 

いつでも言葉に

存在の影を伴わせて

送り出したい

 それこそが

僕の分身の役目だと

 

明と暗と、光と影と

有無と夢現と永劫と刹那と

 それから、生と死と

 

分かち難く融合する

その不可思議を語らせて

*09/01 05:52

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誰かに

2017-09-01 04:01:36 | 

              誰かに

 

壊れ続ける時間軸に

杭打ちをしてゆく職人なのだ

俺は

握れぬ砂に

楼閣を与えようとする手品師のように

零れ落ちる時間と水を

意識の鑿で

時空に繋ぎ止めようとする

絶望的なその作業を

 押し潰されそうな黒暗に

ZEROグラビティを穿って続ける

霊長類ヒト科ヒト属の一職人

誰か、その音を聴け!

 何処かにその音を運んで

滞って、何時か弾けよ!

 暗中を走る

 流星のように

何時か何処かの誰かの胸に・・

*09/01 04:01:04 万甫

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