轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

三菱 i-MiEV(アイ・ミーブ)

2009-08-28 18:00:25 | MITSUBISHI
助手 「アイ・ミーブがついに発売されましたね。」

所長 「発売と言っても法人や自治体向けじゃし、来年にならんと個人では買えんそうじゃの。」

助手 「そうですけど、それでも凄いじゃないですか。未来のクルマだった電気自動車の時代がついにやってきたんですから。」

所長 「どうなんじゃろうな。これまでも法人向けの少量販売は何度かあったし、それがなかなか普及していかんかったトコを見るとまだまだ時間が掛かりそうな気がするんじゃがのぉ。」

助手 「でも実際に買えるようになった訳ですし、いきなりエンジン付にとって代わることはないにしても徐々に浸透していくんじゃないですか。」

所長 「じゃが年内に1,400台じゃろ。スバルのステラに至っては、たったの170台じゃ。これじゃったら2000年に出た日産のハイパーミニとたいして変わらんじゃろ。」

助手 「なんか否定的ですね。」

所長 「いや、そういう訳じゃないんじゃが、規模や内容を見とるとこれまで少量販売しとったEVと比較して、それほど変わっとらんように思えるんじゃ。じゃが報道なんかを見とるとお祭り騒ぎじゃし、余計に冷静になってしまうんじゃ。」

助手 「相変わらずヒネくれてますね。確かにこれまでは実験的な販売だったのが、量産できるメドがついたってところでしょうね。でもこの間発表された日産のリーフなんていきなり5万台体制らしいですし、案外早いかもしれませんよ。」

所長 「EVのネックはバッテリーの性能とコストじゃから、量産すれば一気に開発が進むんじゃろうけど、今の内容で年間5万台も掃けるのか疑問じゃわい。」

助手 「なんでもゴーン社長自ら各国に売り込みに行って、すでに5万台のメドは立ってるそうですよ。」

所長 「そのうち日本でどれぐらい見込んどるのか知らんが、今の状況では怖くて買えんと思うんじゃがな。」

助手 「ま、確かに航続距離が160kmですから遠出は厳しいでしょうね。でも世界中のドライバーの70%が日常の運転距離は160km以内ということですし、実際に使っても困ることってほとんどないんじゃないですかね。」

所長 「そうかのぉ。10・15モードでの160kmじゃし、実際の走行では100kmを超えたらビクビクせんといかんじゃろ。考えてみろ、ガソリンエンジンの場合、残量が10Lほどでランプが点くじゃろ。フル充電であの状態な訳じゃ。精神衛生上好ましくないじゃろ。」

助手 「それはそうですよね。」

所長 「おまけにガソリンスタンドならよっぽどの山奥でもない限り100kmも走れば見つかるじゃろうけど、急速充電器なんてどこにあるんじゃ。ワシは見たことないぞ。」

助手 「これからドンドン増えるんでしょうけど、それでもガソリンスタンドと同等にはならないでしょうね。」

所長 「そんな乗り物、いくら維持費が安いと言っても怖くて乗れんじゃろ。」

助手 「ですね。」

所長 「それが460万もするんじゃろ、まだまだ普及する段階とは思えんの。」

助手 「でも補助金がありますし、140万ほど安くなりますけどね。」

所長 「それでもガソリンエンジンのアイの倍以上するんじゃ。ワシじゃったら安心して乗れる普通のアイを選ぶわ。」

助手 「でも燃料代が全然違うでしょ。夜間電力を使えば1km当り1円程度だそうですし。」

所長 「ふーん、そうか。」

助手 「ふーん、そうかって、考えてみて下さいよ。年間1万キロ走るとして、電気代がたったの1万円で済むんですよ。ガソリンで1万キロ走ったら、アイの一番燃費のいいので、リッター19.2kmですから、520.8L必要ですし、リッター120円として62,500円も掛かるんですよ。」

所長 「と言うことは燃料代の差額が年間52,500円じゃから、1万キロ走ったとして、元を取ろうと考えたら30年以上も掛かるということじゃな。」

助手 「うっ・・・。」

所長 「結局コストパフォーマンスでガソリンエンジンを凌ぐのはまだまだ無理なんじゃ。純粋に環境のことを考えて乗り替えるモンがどれ程おるんじゃろうな。」

助手 「やっぱりまだまだ現実的だとは言えませんね。」

所長 「日産は量産効果でガソリンエンジン並の価格に抑えるとか言っとるけど、今の性能ではガソリンエンジンに遠く及ばんし、例えガソリンエンジンと同等の価格になったとしても、簡単に普及するとは思えんの。」

助手 「・・・・。」

所長 「じゃから現時点ではファーストカーとして開発された日産のリーフよりも、街乗り専用のセカンドカーと割り切った軽ベースのアイ・ミーブやステラの方が現実的じゃろ。ま、それも価格がこなれてきたらの話じゃけどな。」

助手 「うーん、やっぱりまだまだ時間が掛かりそうですね。」

所長 「とは言ってもいつまでも化石燃料を使い続けられる訳じゃないから、どっかの時点で移っていくことにはなるんじゃろう。その第一歩として考えれば、やっぱり凄いことなんじゃろうな。」

助手 「ですよね。」

所長 「ま、金持ちがセカンドカーとして買ってくれれば、どんどん進化していくじゃろうし、ワシら庶民はもう少し様子見じゃな。」


参考資料
三菱 i-MiEV(アイ・ミーブ)(三菱自動車工業株式会社)
スバル・プラグインステラ(富士重工業株式会社)
日産 リーフ(日産自動車株式会社)
日産 ハイバーミニ(日産自動車株式会社)
三菱 i(アイ)(轟クルマ文化研究所)

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4 コメント

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Unknown (だいだい)
2009-08-31 21:36:30
日経BPのサイトに、先日発表になった電気自動車専門会社「シムドライブ」
社長に就任した清水教授のインタビューが出てました。



「インフラなんて後から着いてきます。
特に電気自動車のインフラなんて簡単ですよ。だってコンセントさえあればいいんですから。」
「安い方が良いんですよ太陽電池は。1%効率を上げるためにものすごくお金を掛けるんだったら、たくさん作って早いタイミングで売った方が良い。」


http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20090825/203330/
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Re:Unknown (宇垂)
2009-09-01 18:52:09
日経BPのインタビュー見ました。
面白かったです。(前編まで一気に読みました)

話を聞いていると明るい未来がそこまで来てるって気になりますよね。
5~10年後、どんな世の中になってるのか楽しみです。

ま、それまでは内燃機関を十分に味わいたいところですが。
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インフラどうなるでしょうねー (key-bee)
2009-09-15 23:32:58
コンセントひとつでいいから悩まんでもいいって説もあるけど。

バッテリの残表示ってどうなるんでしょうね。
あと何km走行可能とか表示されるのかな。
また、それが信頼できるかどうかw
信頼できなきゃ走れない。

現状、まわりにあるデジタル製品のバッテリ残表示はあんまり信用してないです。
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Re:インフラどうなるんでしょうねー (宇垂)
2009-09-16 19:14:05
コンセントの設置するだけですし、ガソリンスタンドをつくるよりも簡単だというのはわかるんですよ。

ただ、想像してみるといろいろと問題がありそうな気がします。

例えば高速のSAに20台分設置したとして、21台以上の需要があれば30分待たないといけないじゃないですか。
充電時間の30分もじっとしてられないでしょうし、食事するなり、土産物を見るなり、クルマを離れますよね。

そうすると充電が終わってるにも関わらず、充電器を独占してるクルマが出てくるじゃないですか、待ってるヒトからするとたまったモンじゃないですよね。

夏や冬だったら待ってる間にバッテリーの残量が…。
てなことにならないか心配です。

>現状、まわりにあるデジタル製品のバッテリ残表示はあんまり信用してないです。

そうそう。ウチのデジカメもさっきまで満充電だったのがいきなり赤色になってハラハラしたり、しばらくたったら復活したり、ありますよね。

当面、家での充電のみで近所を走るだけにとどめとくのが正解でしょうね。
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