轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

日産 スカイライン その1

2006-12-14 18:14:42 | NISSAN
助手 「所長、スカイラインが出ましたね。」

所長 「そうじゃな。」

助手 「また色々と言われてるみたいですね。」

所長 「騒がれるのは、それだけ注目されとるということじゃ。」

助手 「所長はどう思われますか。」

所長 「うーん、デザインは結構いいんじゃないか。写真で見たときは先代から変わり映えせんとか、フーガに似とるとか思ったんじゃが、実物はもっと躍動感があって新世代のスポーツセダンという感じじゃな。」

助手 「そうですよね、ボクもカッコいいと思ってたんですよ。先代は変に優等生っぽかったのが、グッと締りましたしね。特にリアのホイール周りのデザインが新しいですよね。」

所長 「どこかで見たような気がしたんじゃが、前にデトロイトに出とったクラーザに似とるんじゃ。」

助手 「クラーザって、どんなクルマでしたっけ。」

所長 「何じゃ、そんなこともわからんのか。ほらっ6枚ドアのデカいミニバンがあったじゃろ。」

助手 「あぁ、そう言えばありましたね。でもスカイラインとは全然違うんじゃないですか。」

所長 「じゃがクラーザでインフィニティの新しいデザインを試しとったのかもしれんじゃろ。」

助手 「そうですか、今度じっくり見てみます。あとはどうですか。」

所長 「そうじゃな、北米と日本の両方で受け入れられようとしとるんが、中途半端でいかんのぉ。」

助手 「そこなんですよ。日本ではスカイラインですけど、北米ではインフィニティG35として売ってるんですよね。そのキャラクターの差に問題があるんですよ。」

所長 「そうじゃ。特にサイズがダメじゃ。」

助手 「今日は意見が合いますね。僕もそう言おうと思ってたんですよ。」

所長 「ほぉ、そうか。やっとお前もワシとおんなじモノの見方が出来るようになったか。」

助手 「そりゃ伊達に長いこと助手をしてませんから。先代もそうでしたけど、もはやスカイラインじゃないでしょ。いくらアメリカの方がよく売れると言っても、日本で乗るには大き過ぎるんですよね。」

所長 「ちょっと待て、何か勘違いしとらんか。」

助手 「え、何がいけないんですか。北米で売ることを優先するからどんどん肥大化してるんじゃないんですか。」

所長 「まったく反対じゃ。」

助手 「え、どういうことですか。」

所長 「アメリカでインフィニティ・ブランドとして売るには大き過ぎると言うとるんじゃ。」

助手 「所長、何を言ってるんですか。頭、大丈夫ですか。」

所長 「馬鹿モン!大丈夫じゃないのはお前の方じゃ。よぉく考えてみろ、インフィニティと言ったらレクサスやアキュラと並ぶ日産の高級チャンネルじゃろ。」

助手 「もちろん知ってますよ。」

所長 「じゃあスカイラインのライバルはなんじゃ。」

助手 「そりゃ、レクサスのISやBMWの3シリーズ、あとベンツのCクラス辺りでしょ。」

所長 「そうじゃろ。それら売れ線のクルマと比べて20cmも大きいんじゃぞ、スカイラインは。」

助手 「え、そんなに大きいんですか。でも、でもですよ別にライバルにサイズを合わせなくてもいいんじゃないですか、大きいことでプラスにはなってもマイナスになることって少ないと思うんですけど、特にアメリカなんかでは。」

所長 「確かにそうなんじゃが、G35はミドルクラスじゃなくって、ラグジャリー・コンパクトセダンという分類になるんじゃ。じゃから扱いやすい大きさというのも立派な武器なんじゃ。その証拠に昨年モデルチェンジしたBMWの3シリーズもレクサスのISも4m50台をキープしとるじゃろ。」

助手 「そうなんですか。」

所長 「それにスカイラインのひとつ上の車種、つまり日本で言うフーガのサイズと9cmしか変わらんのじゃ。たったの9cmじゃぞ、ライバル車とは20cmも違うのに。スポーツセダンという性格も似通っとるし、これでは差別化は単に価格だけになってしまうじゃろ。そうなるとフーガの客を奪うことにもなりかねん。」

助手 「でも先代も似たようなサイズだったんじゃないですか。」

所長 「先代は元々インフィニティで売るつもりじゃなかったんじゃろ。じゃが今回のは初めっからインフィニティで売るつもりなんじゃから、もっとマーケットに合わすことが出来たはずじゃ。」

助手 「言われてみればそうかもしれませんね。じゃあスカイラインはどうしてこのサイズになったんですか。」

所長 「そんなの決まっとるじゃろ、日本で売りやすくするためじゃ。ようするにマークXに対抗する、かつてのスカイラインのポジションから何にも変わっとりゃせんのじゃ。」

助手 「えーっ、そうなんですか。」

所長 「そうじゃ。スリーサイズやホイールベース、価格からグレード構成まで、3.5Lの排気量以外はほとんどマークXと被っとるんじゃ。そのクルマを北米では高級ブランドとして売ろうというんじゃから、ダメじゃと言うとるんじゃ。」

助手 「そうだったんですか。でも、国内でもそんなに売れるとは思えませんけど。」

所長 「そうじゃな、クルマの良し悪し以前に、この手のクルマ自体が求められとらんのじゃからしょうがないわ。」

助手 「頼みの綱のスカイラインがこれでは、日産はホントにやばいんじゃないですか。」

所長 「どうして日産がやばいんじゃ。」

その2へつづく

参考資料
日産 スカイライン(日産自動車株式会社)
日産 スカイラインV35(轟クルマ文化研究所)


Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« シトロエン C6 | トップ | 日産 スカイライン その2 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

NISSAN」カテゴリの最新記事