助手 「とうとう出ましたね。」
所長 「何がじゃ。」
助手 「LSのハイブリッドですよ、それもロングホイールベースのLS600hLです。いやー、国産車もいよいよ世界の高級車の仲間入りですよ。正直嬉しいですね。」
所長 「そうかぁ。」
助手 「所長は嬉しくないんですか。」
所長 「何でワシが嬉しがらんといかんのじゃ。」
助手 「だって今までクラウンやセルシオとか国産の高級車はありましたけど、ベンツのSクラスやBMWの7シリーズのトップモデルと比べたらどうしても見劣りしたじゃないですか。それがどうです、今度のLSのロングの堂々とした姿。全くひけをとってないじゃないですか。同じ日本人として誇らしいでしょ。」
所長 「そうかぁ、ワシは正直がっかりしたんじゃがな。」
助手 「えー、どこがいけないんですか。どの雑誌を見てもベタ褒めですよ。」
所長 「そんなモン新型じゃから褒めるのは当たり前じゃ。それもトヨタの威信を掛けたクルマなんじゃから。」
助手 「所長、雑誌の記事とかちゃんと読んでないんじゃないですか。4.6Lを5Lまで排気量アップして、そこにモーターでさらに上乗せしてるんですよ。システム出力が445馬力もあるらしいですよ。」
所長 「加速はベンツのV12のツインターボと遜色ないらしいな。モーターは踏んだ途端にトルクがでるから、凄まじい加速なんじゃろうな。それに5Lまで排気量を上げてきたのも、ライバルを意識してのことじゃろうし。」
助手 「ハイブリッドの凄いところは、それだけのパフォーマンスを発揮しながら、燃費がV6並みの12.2キロなんですよ。標準タイプのLS460が9.1キロですし、よりパワーがあるのに燃費は良くなってるんですよ。」
所長 「ハイブリッドの面目躍如じゃな。馬力が互角のBMWの12気筒の燃費が5.4キロじゃから、倍以上の数値は立派なモンじゃ。このクラスのクルマを買うモンが燃費を気にするかどうかは別にして、今の時代に合っとるな。」
助手 「そうでしょ。あと、後部座席のエアコンがまた素晴らしいんですよ。左右で別々の温度が設定出来るのは当り前で、乗り込んだヒトの体温を検知して最適な温度設定までするそうですよ。」
所長 「確かに凄い技術力じゃな。日本人ならではのもてなしと言うか、心配りが利いとる装備じゃな。ベンツやBMWには真似が出来んじゃろ。ま、真似がしたいかどうかは別じゃがな。」
助手 「さらにマッサージ機能も付いてるそうですし、家に居るよりくつろげるんじゃないですか。」
所長 「ま、ちょっとやり過ぎな気もするがな。」
助手 「安全面も凄いらしいですよ。プリクラッシュセーフティシステムって言うそうなんですけど、ぶつかる前に警告音を発生したり、ハンドルが軽くなって避けやすくなったりするんですよ。後ろからぶつかられそうになったら、ハザードで相手のクルマに警告したり、ヘッドレストが衝突に備えて身構えるそうです。挙句の果てにエアバッグが11個も付いてるそうですし、このクルマは事故を起こす危険性も低いし、もし起きてしまっても被害が最小限にとどめられるんですよ。」
所長 「安全も金で買う時代じゃな。」
助手 「でも何年か先には、大衆車にも採用されていくでしょうし、高級車で先端技術を取り入れていくことは、必要なことなんじゃないですか。」
所長 「何でもかんでも機械だよりなのは感心せんがな。人間のすべきことを機械に任せると人間が怠けてしまうじゃろ。じゃがこれで不幸な事故の犠牲者が減るんなら歓迎すべきことなんじゃろうな。」
助手 「そうに決まってますよ。確かに機械も100%完全とは言えないかもしれませんけど、体調や気分によってミスをする人間よりは信用できるんじゃないですか。」
所長 「ま、そうじゃろうな。他には。」
助手 「他ですか。えーと、あとはオートクルーズですかね。レーダーで感知するタイプですけど、0キロまでカバーしてるそうですから、渋滞なんかの完全停止にも対応してるそうですよ。」
所長 「ふーん、他には。」
助手 「あとは本革の内装とか本木目のパネル、あとセルシオ時代からの伝統の遮音性ですかね。この分野では間違いなく世界一でしょ。」
所長 「ふーん、そうか。」
助手 「まぁ、とにかく走行性能に環境性能、安全性に快適性どこをとっても、世界の先端をいってますよ。正直ベンツやBMWと比べて負けてるところは見当たらないんじゃないですか。」
所長 「そうみたいじゃな。」
助手 「えっ・・・じゃあ、どこがダメなんですか。」
所長 「クルマの出来に関しては文句はないんじゃ。ベンツなんかの猿真似じゃなくって、レクサスなりの高級車像を生み出しとるとこなんて、むしろ賞賛に値するじゃろ。」
助手 「じゃあ、何が気に喰わないんですか。」
所長 「売り方がなっとらんのじゃ、売り方が。」
助手 「売り方ですか。確かにベラボウに高いですよね。ロングボディは1300万円以上もしますしね。格差社会を助長してる気もしますが、もっと高い外車はいっぱいありますし、内容を考えると納得できるんじゃないですか。ま、ボクや所長には一生縁のないクルマですけどね。」
所長 「違うんじゃ。安過ぎると言っとるんじゃ。」
助手 「えーっ、・・・どういうことですか。」
所長 「ベンツのS600LやBMWの760Liなんかのトップモデルを凌駕する内容を持っとるんじゃろ。じゃったらそれ以上の値段を何で付けないんじゃ。」
助手 「そ、それは日本でつくってるのと輸入してるのとの差なんじゃないですか。」
所長 「そんな経費がどうのと算盤をはじくクルマでもないじゃろ。仮にそうであったらアメリカやヨーロッパではベンツよりも高い値札を付けるのか。少しずつ安い設定になるんじゃないのか。」
助手 「そ、そうかもしれませんけど、いいモノを安くで売るんですから別にいいじゃないですか。」
所長 「それじゃったら今までのトヨタのクルマとおんなじじゃろ。他のクルマより高性能でお買い得なんて言うのの、どこがプレミアムなんじゃ。歴史や伝統のない分、先進技術で補っとるんじゃろうが。じゃったらライバルのクルマの上を行く価格でも勝負出来るじゃろうに。」
助手 「・・・・それは、そうですけど。でもそれで売れますかね。」
所長 「それこそ、お客から見たらその程度のクルマでしかないということじゃろ。それにフラッグシップたるモノ、買ってもらおうという姿勢からしてダメじゃろ。もっとドーンと構えとらんといかんわ。大体この手のクルマに目標販売台数を設定するのもどうかと思うわ。」
助手 「・・・。」
所長 「結局、ライバルよりもいいクルマになった結果、ブランド力のなさを露呈してしまっただけなんじゃ。LSももう4代目なんじゃから、そろそろブランド力でも勝負出来んといかんじゃろ。なんと言っても世界一の製造メーカーが誇るフラッグシップなんじゃから。」
助手 「・・・・。」
所長 「反対にベンツやBMWが売れんようになって、レクサスの値段に合わせて来たら、それは凄いことじゃけどな。ま、ないじゃろうな。」
参考資料
レクサス LS600hL(トヨタ自動車株式会社)
レクサス LS(轟クルマ文化研究所)
所長 「何がじゃ。」
助手 「LSのハイブリッドですよ、それもロングホイールベースのLS600hLです。いやー、国産車もいよいよ世界の高級車の仲間入りですよ。正直嬉しいですね。」
所長 「そうかぁ。」
助手 「所長は嬉しくないんですか。」
所長 「何でワシが嬉しがらんといかんのじゃ。」
助手 「だって今までクラウンやセルシオとか国産の高級車はありましたけど、ベンツのSクラスやBMWの7シリーズのトップモデルと比べたらどうしても見劣りしたじゃないですか。それがどうです、今度のLSのロングの堂々とした姿。全くひけをとってないじゃないですか。同じ日本人として誇らしいでしょ。」
所長 「そうかぁ、ワシは正直がっかりしたんじゃがな。」
助手 「えー、どこがいけないんですか。どの雑誌を見てもベタ褒めですよ。」
所長 「そんなモン新型じゃから褒めるのは当たり前じゃ。それもトヨタの威信を掛けたクルマなんじゃから。」
助手 「所長、雑誌の記事とかちゃんと読んでないんじゃないですか。4.6Lを5Lまで排気量アップして、そこにモーターでさらに上乗せしてるんですよ。システム出力が445馬力もあるらしいですよ。」
所長 「加速はベンツのV12のツインターボと遜色ないらしいな。モーターは踏んだ途端にトルクがでるから、凄まじい加速なんじゃろうな。それに5Lまで排気量を上げてきたのも、ライバルを意識してのことじゃろうし。」
助手 「ハイブリッドの凄いところは、それだけのパフォーマンスを発揮しながら、燃費がV6並みの12.2キロなんですよ。標準タイプのLS460が9.1キロですし、よりパワーがあるのに燃費は良くなってるんですよ。」
所長 「ハイブリッドの面目躍如じゃな。馬力が互角のBMWの12気筒の燃費が5.4キロじゃから、倍以上の数値は立派なモンじゃ。このクラスのクルマを買うモンが燃費を気にするかどうかは別にして、今の時代に合っとるな。」
助手 「そうでしょ。あと、後部座席のエアコンがまた素晴らしいんですよ。左右で別々の温度が設定出来るのは当り前で、乗り込んだヒトの体温を検知して最適な温度設定までするそうですよ。」
所長 「確かに凄い技術力じゃな。日本人ならではのもてなしと言うか、心配りが利いとる装備じゃな。ベンツやBMWには真似が出来んじゃろ。ま、真似がしたいかどうかは別じゃがな。」
助手 「さらにマッサージ機能も付いてるそうですし、家に居るよりくつろげるんじゃないですか。」
所長 「ま、ちょっとやり過ぎな気もするがな。」
助手 「安全面も凄いらしいですよ。プリクラッシュセーフティシステムって言うそうなんですけど、ぶつかる前に警告音を発生したり、ハンドルが軽くなって避けやすくなったりするんですよ。後ろからぶつかられそうになったら、ハザードで相手のクルマに警告したり、ヘッドレストが衝突に備えて身構えるそうです。挙句の果てにエアバッグが11個も付いてるそうですし、このクルマは事故を起こす危険性も低いし、もし起きてしまっても被害が最小限にとどめられるんですよ。」
所長 「安全も金で買う時代じゃな。」
助手 「でも何年か先には、大衆車にも採用されていくでしょうし、高級車で先端技術を取り入れていくことは、必要なことなんじゃないですか。」
所長 「何でもかんでも機械だよりなのは感心せんがな。人間のすべきことを機械に任せると人間が怠けてしまうじゃろ。じゃがこれで不幸な事故の犠牲者が減るんなら歓迎すべきことなんじゃろうな。」
助手 「そうに決まってますよ。確かに機械も100%完全とは言えないかもしれませんけど、体調や気分によってミスをする人間よりは信用できるんじゃないですか。」
所長 「ま、そうじゃろうな。他には。」
助手 「他ですか。えーと、あとはオートクルーズですかね。レーダーで感知するタイプですけど、0キロまでカバーしてるそうですから、渋滞なんかの完全停止にも対応してるそうですよ。」
所長 「ふーん、他には。」
助手 「あとは本革の内装とか本木目のパネル、あとセルシオ時代からの伝統の遮音性ですかね。この分野では間違いなく世界一でしょ。」
所長 「ふーん、そうか。」
助手 「まぁ、とにかく走行性能に環境性能、安全性に快適性どこをとっても、世界の先端をいってますよ。正直ベンツやBMWと比べて負けてるところは見当たらないんじゃないですか。」
所長 「そうみたいじゃな。」
助手 「えっ・・・じゃあ、どこがダメなんですか。」
所長 「クルマの出来に関しては文句はないんじゃ。ベンツなんかの猿真似じゃなくって、レクサスなりの高級車像を生み出しとるとこなんて、むしろ賞賛に値するじゃろ。」
助手 「じゃあ、何が気に喰わないんですか。」
所長 「売り方がなっとらんのじゃ、売り方が。」
助手 「売り方ですか。確かにベラボウに高いですよね。ロングボディは1300万円以上もしますしね。格差社会を助長してる気もしますが、もっと高い外車はいっぱいありますし、内容を考えると納得できるんじゃないですか。ま、ボクや所長には一生縁のないクルマですけどね。」
所長 「違うんじゃ。安過ぎると言っとるんじゃ。」
助手 「えーっ、・・・どういうことですか。」
所長 「ベンツのS600LやBMWの760Liなんかのトップモデルを凌駕する内容を持っとるんじゃろ。じゃったらそれ以上の値段を何で付けないんじゃ。」
助手 「そ、それは日本でつくってるのと輸入してるのとの差なんじゃないですか。」
所長 「そんな経費がどうのと算盤をはじくクルマでもないじゃろ。仮にそうであったらアメリカやヨーロッパではベンツよりも高い値札を付けるのか。少しずつ安い設定になるんじゃないのか。」
助手 「そ、そうかもしれませんけど、いいモノを安くで売るんですから別にいいじゃないですか。」
所長 「それじゃったら今までのトヨタのクルマとおんなじじゃろ。他のクルマより高性能でお買い得なんて言うのの、どこがプレミアムなんじゃ。歴史や伝統のない分、先進技術で補っとるんじゃろうが。じゃったらライバルのクルマの上を行く価格でも勝負出来るじゃろうに。」
助手 「・・・・それは、そうですけど。でもそれで売れますかね。」
所長 「それこそ、お客から見たらその程度のクルマでしかないということじゃろ。それにフラッグシップたるモノ、買ってもらおうという姿勢からしてダメじゃろ。もっとドーンと構えとらんといかんわ。大体この手のクルマに目標販売台数を設定するのもどうかと思うわ。」
助手 「・・・。」
所長 「結局、ライバルよりもいいクルマになった結果、ブランド力のなさを露呈してしまっただけなんじゃ。LSももう4代目なんじゃから、そろそろブランド力でも勝負出来んといかんじゃろ。なんと言っても世界一の製造メーカーが誇るフラッグシップなんじゃから。」
助手 「・・・・。」
所長 「反対にベンツやBMWが売れんようになって、レクサスの値段に合わせて来たら、それは凄いことじゃけどな。ま、ないじゃろうな。」
参考資料
レクサス LS600hL(トヨタ自動車株式会社)
レクサス LS(轟クルマ文化研究所)
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