助手 「話題のタイ製マーチがとうとう出ましたね。」
所長 「そうじゃな。今年の話題は、リーフにマーチとどっちも日産のクルマじゃな。」
助手 「そうですね。ジュークやエクストレイルのディーゼルにオートマが加わったコトなんかも話題になりましたし、今年は日産の当たり年かもしれませんね。」
所長 「まぁ、ハイブリッドで乗り遅れとったから、ここいらで日産の存在感をアピールしときたいトコじゃろうな。」
助手 「そうですね。で、マーチですけど、どう思われます。安くするためにタイでつくってるのに、あんまり安くなってませんよね。」
所長 「みたいじゃの。」
助手 「一番安いので99万6千円と何とか100万円を切ってきましたけど、話題のアイドリングストップ付きになると、120万もしますしね。前のコレットが95万で売ってたコトを考えると日本でつくっても良かったと思うんですけど。」
所長 「まぁ、コレットはモデル末期の特別仕様車じゃから、開発費の償却も終わっとるじゃろうし、そのまんま比べるわけにはイカンがの。」
助手 「そうかもしれませんけど、エンジンも3気筒ですし、内装なんかもかなり安っぽいらしいですよ。それだけコストダウンをして、なおかつ人件費の安いタイでつくるんだったら、80万ぐらいにならないと割りに合わないと思うんですけどね。」
所長 「うーん、タイ製と言っても出来の悪いモンを売るわけにもイカンしの。小うるさい日本の客に合わせて品質も確保せんとイカンし、日本で検査もしとるんじゃろ。海外からの輸送費も掛かるし、なんじゃかんじゃで高くつくんじゃろ。」
助手 「それだったらタイでつくってる意味ないじゃないですか。」
所長 「ま、そうじゃな。」
助手 「じゃあ何でタイでつくってるんですか。」
所長 「何か勘違いしとるようじゃの。」
助手 「えっ、どういうコトですか。」
所長 「このクルマを日本で売るためにタイでつくっとるんじゃないんじゃ。」
助手 「そう言えば160カ国で売るグローバルカーとか言ってましたね。」
所長 「そうなんじゃ。新しいマーチのメイン市場は新興国なんじゃ。じゃからそこで競争力をつけるためにタイでつくっとるんじゃ。日本はオマケに過ぎんのじゃ。」
助手 「オマケって、そんなコトないでしょ。マーチと言えば日産の基幹車種ですよ。」
所長 「ま、一番ベーシックな存在ではあるわな。じゃが、今の需要を見とると大きくは望めんじゃろ。」
助手 「どうしてですか。」
所長 「考えてみろ。今売れとるクルマって、プリウスにコンパクト、軽にミニバンじゃろ。」
助手 「ですよ。マーチもそのコンパクトカーに含まれてるじゃないですか。」
所長 「じゃがコンパクトで圧倒的に売れとるのってホンダのフィットじゃろ。マーチとは少しクラスが違うんじゃ。日産でいうとノートなんじゃ。」
助手 「サイズ的に見ればそうなりますけど、マーチ、キューブ、ノート、あとティーダも合わせてコンパクトカーのシェアを広げる戦略って言ってませんでしたっけ。」
所長 「ま、そうなんじゃが、マーチの立ち位置が日本では難しくなってきとるのも事実なんじゃ。フィットやノートのサイズになるとファミリーカーとしての需要が多くなるんじゃが、マーチの場合、女性ユーザーがメインのパーソナルカーとかエントリーカーになるんじゃ。」
助手 「そうですね。それで何が問題なんですか。」
所長 「日産はスズキや三菱から軽を仕入れて売っとるじゃろうが、つまり上にはノートがいて、下からモコに突き上げられとるカタチになっとるから、マーチのポジションが微妙になっとるんじゃ。」
助手 「ああ、そういうコトですか。今の景気を考えると税制で有利な軽に流れるのも頷けますよね。」
所長 「で、新興国向けに開発したAセグメントの新型車に、マーチの後継の役割を与えたんじゃろ。」
助手 「というコトは、新しいマーチはマーチのモデルチェンジじゃなくって、新興国向けの新型車にマーチ風のデザインと名前を与えたクルマってコトですね。」
所長 「そういうコトじゃ。新興国向けの新型車両を日本に入れても全く見向きもされんじゃろうが、マーチとして売ればそれなりに売れるじゃろうしの。それにいくらマーチで商売が難しくなってきとるといっても、無くしてしまうのはもったいないじゃろ。」
助手 「そう考えると新しいマーチを先代と比べてどうのって言うコト自体、意味がないというコトですか。」
所長 「的外れもいいトコじゃの。」
助手 「悪かったですね。でもそう考えるとタイでつくったクルマをマーチとして日本で売るのは、案外上手い方法かもしれませんね。」
所長 「そうとも言い切れんがの。」
助手 「えっ・・・、どういうコトですか。」
所長 「海外で売るクルマを現地でつくるのは問題ないんじゃが、安いクルマにするためにコストの掛からん国でつくるっていうのは、日本の製造業としては問題があるじゃろ。」
助手 「あ、そういうコトですか。」
所長 「この手法が上手くいけば、将来的に日本で安い小型車の生産はなくなってしまうかもしれん。」
助手 「日産の小型車が全て海外生産にシフトしてしまうってコトですか。」
所長 「日産だけに限らんと思うぞ。」
助手 「・・・・。」
参考資料
日産 マーチ(日産自動車株式会社)
日産 マーチ(先代)(轟クルマ文化研究所)
Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所
所長 「そうじゃな。今年の話題は、リーフにマーチとどっちも日産のクルマじゃな。」
助手 「そうですね。ジュークやエクストレイルのディーゼルにオートマが加わったコトなんかも話題になりましたし、今年は日産の当たり年かもしれませんね。」
所長 「まぁ、ハイブリッドで乗り遅れとったから、ここいらで日産の存在感をアピールしときたいトコじゃろうな。」
助手 「そうですね。で、マーチですけど、どう思われます。安くするためにタイでつくってるのに、あんまり安くなってませんよね。」
所長 「みたいじゃの。」
助手 「一番安いので99万6千円と何とか100万円を切ってきましたけど、話題のアイドリングストップ付きになると、120万もしますしね。前のコレットが95万で売ってたコトを考えると日本でつくっても良かったと思うんですけど。」
所長 「まぁ、コレットはモデル末期の特別仕様車じゃから、開発費の償却も終わっとるじゃろうし、そのまんま比べるわけにはイカンがの。」
助手 「そうかもしれませんけど、エンジンも3気筒ですし、内装なんかもかなり安っぽいらしいですよ。それだけコストダウンをして、なおかつ人件費の安いタイでつくるんだったら、80万ぐらいにならないと割りに合わないと思うんですけどね。」
所長 「うーん、タイ製と言っても出来の悪いモンを売るわけにもイカンしの。小うるさい日本の客に合わせて品質も確保せんとイカンし、日本で検査もしとるんじゃろ。海外からの輸送費も掛かるし、なんじゃかんじゃで高くつくんじゃろ。」
助手 「それだったらタイでつくってる意味ないじゃないですか。」
所長 「ま、そうじゃな。」
助手 「じゃあ何でタイでつくってるんですか。」
所長 「何か勘違いしとるようじゃの。」
助手 「えっ、どういうコトですか。」
所長 「このクルマを日本で売るためにタイでつくっとるんじゃないんじゃ。」
助手 「そう言えば160カ国で売るグローバルカーとか言ってましたね。」
所長 「そうなんじゃ。新しいマーチのメイン市場は新興国なんじゃ。じゃからそこで競争力をつけるためにタイでつくっとるんじゃ。日本はオマケに過ぎんのじゃ。」
助手 「オマケって、そんなコトないでしょ。マーチと言えば日産の基幹車種ですよ。」
所長 「ま、一番ベーシックな存在ではあるわな。じゃが、今の需要を見とると大きくは望めんじゃろ。」
助手 「どうしてですか。」
所長 「考えてみろ。今売れとるクルマって、プリウスにコンパクト、軽にミニバンじゃろ。」
助手 「ですよ。マーチもそのコンパクトカーに含まれてるじゃないですか。」
所長 「じゃがコンパクトで圧倒的に売れとるのってホンダのフィットじゃろ。マーチとは少しクラスが違うんじゃ。日産でいうとノートなんじゃ。」
助手 「サイズ的に見ればそうなりますけど、マーチ、キューブ、ノート、あとティーダも合わせてコンパクトカーのシェアを広げる戦略って言ってませんでしたっけ。」
所長 「ま、そうなんじゃが、マーチの立ち位置が日本では難しくなってきとるのも事実なんじゃ。フィットやノートのサイズになるとファミリーカーとしての需要が多くなるんじゃが、マーチの場合、女性ユーザーがメインのパーソナルカーとかエントリーカーになるんじゃ。」
助手 「そうですね。それで何が問題なんですか。」
所長 「日産はスズキや三菱から軽を仕入れて売っとるじゃろうが、つまり上にはノートがいて、下からモコに突き上げられとるカタチになっとるから、マーチのポジションが微妙になっとるんじゃ。」
助手 「ああ、そういうコトですか。今の景気を考えると税制で有利な軽に流れるのも頷けますよね。」
所長 「で、新興国向けに開発したAセグメントの新型車に、マーチの後継の役割を与えたんじゃろ。」
助手 「というコトは、新しいマーチはマーチのモデルチェンジじゃなくって、新興国向けの新型車にマーチ風のデザインと名前を与えたクルマってコトですね。」
所長 「そういうコトじゃ。新興国向けの新型車両を日本に入れても全く見向きもされんじゃろうが、マーチとして売ればそれなりに売れるじゃろうしの。それにいくらマーチで商売が難しくなってきとるといっても、無くしてしまうのはもったいないじゃろ。」
助手 「そう考えると新しいマーチを先代と比べてどうのって言うコト自体、意味がないというコトですか。」
所長 「的外れもいいトコじゃの。」
助手 「悪かったですね。でもそう考えるとタイでつくったクルマをマーチとして日本で売るのは、案外上手い方法かもしれませんね。」
所長 「そうとも言い切れんがの。」
助手 「えっ・・・、どういうコトですか。」
所長 「海外で売るクルマを現地でつくるのは問題ないんじゃが、安いクルマにするためにコストの掛からん国でつくるっていうのは、日本の製造業としては問題があるじゃろ。」
助手 「あ、そういうコトですか。」
所長 「この手法が上手くいけば、将来的に日本で安い小型車の生産はなくなってしまうかもしれん。」
助手 「日産の小型車が全て海外生産にシフトしてしまうってコトですか。」
所長 「日産だけに限らんと思うぞ。」
助手 「・・・・。」
参考資料
日産 マーチ(日産自動車株式会社)
日産 マーチ(先代)(轟クルマ文化研究所)
Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所
デミオやヴィッツに比べて、もう一つ下のクラスかと思いました。<パッソと同一クラス。
単に生産をタイに移すだけならまだマシ(メーカーだけ)なのですが
それに伴う(何十社とある)部品メーカーもタイに移ってしまう可能性もあるので
そっちの方が問題かと。
同じ海外生産でも、聞いた事の無いメーカーのタイヤ履いてるマーチより、コンチネンタルのタイヤ履いてるスプラッシュのが魅力的に感じます。
日本はおまけ。
でも、国内でも予注は好調のようです。
>「マーチ○すべて」なんていう雑誌を見たら
デミオやヴィッツに比べて、もう一つ下のクラスかと思いました。<パッソと同一クラス。
そうですね。ヨーロッパ流にいうとAセグメントになるようです。
>単に生産をタイに移すだけならまだマシ(メーカーだけ)なのですが
>それに伴う(何十社とある)部品メーカーもタイに移ってしまう可能性もあるので
>そっちの方が問題かと。
新しいマーチの部品の現地調達率は90%らしいです。
日産がタイでつくると言えばついて行かないと生き残れないんでしょうね。
スプラッシュいいですよね。
デザインだけで買いの一台です。
言われてみると背も高くて使いやすそうですし、もっと売れてもいいクルマですよね。
個人的にはMTがあれば買いたいです。
>ティアナといっしょですよね。
>日本はおまけ。
これからそういうクルマが増えるような気がしますね。特に日産、マツダあたり。
ヨーロッパ向けなら一向に構わないんですが、アジア向けはどうでしょうね。
産業の空洞化を懸念しつつも、でも日本はかなり裕福な国なんだからちょっと落ちても大丈夫かも?と思ったりも。
K12の姿がかなり衝撃的過ぎてあまり代わり映えしない様な気がしたり、組み立ての隙間がアレという評価もありますが、受注は好調な様です。
円高の影響はどうなんでしょうね。
1円上昇すると何億円の損害とか言ってる割には、今期に入ってから各社とも調子良さげですよね。
欧米の低迷以上に新興国での好調が上回ってるというコトなんでしょうか。
まぁ、円高は企業にとっては他力本願的な事象なんで、回避するために海外生産を増やすのも一つの戦略なんでしょうね。
その辺りの話を次回取り上げればと思います。
新型マーチ、好調のようですね。タイ製によるマイナスイメージもあまりないみたいですし。
日産のキープコンセプト戦略がどこまで続くかも気になります。
>出だし半年は好調だったのですが、ここ数ヵ月は末期のノートとほぼ変わらない台数です。品質の甘さを見抜かれたのでしょうか?マーチってこんなにフィット・ヴィッツと台数に差が出る車じゃなかった筈ですが。いや、もしかして利益率が他車より高かったりするのかも?
現行マーチの目標台数は月4000台ってコトですし、現在の状況は想定内じゃないでしょうか。本文でも触れてましたが、フィット、ヴィッツに真っ向から勝負を挑むんじゃなくって、ノートやキューブ辺りと連合で対抗する戦略なのかなって思ってます。
>日産のキープコンセプト戦略がどこまで続くかも気になります。
売れてる車種は見分けがつかないようなモデルチェンジが多いですよね。下手に変えて売れなくなるよりは、ってトコなんでしょうね。
で、売れなくなったら、全く違うクルマになるか、名前から変わってしまうのも。
時代と共にデザインは変わっていっても、芯の部分が変わらないクルマって日本には少ないですよね。