轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

日産 マーチ その2

2010-08-06 18:25:35 | NISSAN
助手 「この間のマーチですけど、発売後2週間で受注数が12,000台を超えたって話しですけど、結構売れてるようですね。」

所長 「輸入車部門でいきなりトップを獲ったとか言うとったの。目標台数が月4,000台ということじゃし、2週間で3倍というコトになるんじゃが、4,000台というのは発売直後の書き入れ時の台数じゃないじゃろ。もっとロングスパンでの目標じゃろうし、売れとるかどうかの判断は出来んじゃろうな。」

助手 「タイ製というのにユーザーがもっと敏感に反応すると思いましたけど、案外受け入れられてるようですね。」

所長 「うーん、どうじゃろうな。今は新型としての需要や補助金終了間近の特需もあるじゃろうから、もう少し様子を見てみんと何とも言えんの。」

助手 「そうですか。」

所長 「ま、どっちにしろ、海外生産の量産車を日本で売るという実績をつくったコトには違いないからの。」

助手 「どういうことですか。」

所長 「一社が始めれば、他社も追随せざるを得んというコトじゃ。」

助手 「でもマーチがそんなに売れなかったら、やっぱり海外生産じゃダメって結果になりませんかね。」

所長 「例えば、100円ショップってあるじゃろ。出だしの頃は、安かろう悪かろうという認識じゃったんじゃが、今では庶民の生活になくてはならない存在になっとるじゃろ。」

助手 「そうですね。ボクも買い物をするときは、まず100均から攻めますしね。」

所長 「衣料品なんかも中国製が当たり前になったし、電化製品にしても海外製でも国内メーカーのマークが付いとったら安心して買うじゃろうが。」

助手 「そうですね。」

所長 「クルマもおんなじじゃ。各社が海外でつくるようになったら、すぐに当たり前になってしまうわ。」

助手 「でも価格的に見ても海外でつくるメリットってそんなにないように思えますけど。」

所長 「日本で売る分には今度のマーチを見てもそんなに安く出来んようじゃが、海外で売る分には日本でつくるのと大きな差があるんじゃ。」

助手 「そうなんですか。」

所長 「例えばマーチをつくっとるタイじゃったら、独自のエコ・プロジェクトというのがあって、低価格の小型車で1300cc以下、燃費が20キロ以上、欧州の排ガス規制に適合しとるクルマをじゃな、5年以内に年間10万台規模で製造すれば、事業税の免除なんかの優遇措置があるそうじゃ。あとタイ、シンガポール、マレーシアなんかの東南アジアの6カ国間で関税が撤廃されたりと、企業にとって有利な条件で生産出来るんじゃ。」

助手 「そうなんですか。」

所長 「もちろんマーチもこの基準をクリアしとるし、三菱にホンダ、スズキもタイでの生産を決めたそうじゃ。」

助手 「そうなると本当に小型車は軒並み海外製になってしまうかもしれませんね。となると国内でつくるのってハイブリッドやEVの先進技術だけになってしまうかもしれませんね。」

所長 「そんなモンすぐに海外でも出来てしまうわ。残るのは日本製が売りになる高級車ぐらいじゃろ。」

助手 「エライことじゃないですか。」

所長 「じゃからイカンと言っとるんじゃ。自動車と言えば日本の基幹産業じゃし、部品メーカーまで含めたらモノ凄い数のヒトが関わっとるんじゃ。それだけの雇用を守るコトも必要じゃし、今まで蓄積してきた技術も海外へ流出してしまいかねん。」

助手 「・・・でもグローバル・マーケットで生き残るためには仕方がないのかもしれませんけど。イチ民間企業としては、利益の追求が使命ですし、まず自社を守らないといけないのもわかりますけどね。」

所長 「そうなんじゃ。」

助手 「えっ・・・。」

所長 「そうせざるを得ない状況というのが問題なんじゃ。お前も小学校で習わんかったか、資源の乏しい日本は加工貿易が唯一の生きる道なんじゃ。いわゆる製造業が引っ張ってきたから、今の日本があるんじゃ。」

助手 「ですね。」

所長 「その中でも自動車産業は日本の基幹産業じゃろうが。今までさんざん外貨を稼いで強い日本をつくってきた、その自動車産業が日本で製造出来んような仕組みが間違っとると言うんじゃ。」

助手 「・・・・。」

所長 「何でタイのような制度を日本でやらんのじゃ。自動車に限らず電化製品も衣料品も国内でつくって、販売し、ちゃんと利益が出るような仕組みをつくればいいんじゃ。それこそグローバル企業の日産が日本でつくりたいって思えるような国にせんとイカンわ。」

助手 「・・・・。」

所長 「景気対策かなんか知らんが、その場しのぎの小手先のモンばっかりじゃろうが。確かにバラ撒きも貰えれば嬉しいんじゃが、使ってしまえばおしまいじゃ。そんなコトに金を使うんじゃなくって、日本の企業が、ヒトが、金儲けを出来る仕組みをつくらんとイカンのじゃ。」

助手 「・・・なんか大層な話になってきましたね。所長、『龍馬伝』見てるでしょ。かなり影響されてますよ。最近多いんですよね、ぜよ、ぜよ、言ってるヒトが。」

所長 「・・・・。」


参考資料
日産 マーチ(日産自動車株式会社)
日産 マーチ(轟クルマ文化研究所)
大河ドラマ『龍馬伝』(日本放送協会)

Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所

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2 コメント

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Unknown (じゃんご)
2010-08-07 13:36:07
マーチ その2に続きましたね
アイドリングストップは良さそうですが
デザインが好みではなくなりました
先代のデザインが衝撃的に良かったので
そのあとというのは難しい気がします


所長の意見に賛成です
ゲームに勝ちたいなら
ルールを作る側に回らないといけないですよね
返信する
Re:Unknown (宇垂)
2010-08-07 17:14:55
>じゃんごさん

先代のデザインはボクも大好きでした。
あのマーチの後継と考えると、さすがにハードルが高いですよね。

新興国でつくりやすいように設計したらしいですし、そう考えると及第点かもしれませんよ。

>ゲームに勝ちたいなら
>ルールを作る側に回らないといけないですよね

ゲームを降りる日が来ないコトを祈ります。
返信する

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