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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「約束の夜」42

2018年02月09日 | 物語「約束の夜」

何で俺たちが見張られなあかんねん。

ツイナも、満樹と京子も、その場から動けない状態。

どっちがどっちを監視しているんだか何だか

・・・・・・。

それなりに、時が過ぎて。

「・・・・・・」
「・・・・・・」
「お腹が空いた」
「だな」

満樹と京子は小腹が減っていた!

「でも」

京子が云う。

「もし、ご飯を食べに行ってる間に裏が来ちゃったらどうしよう」

もっともである。

「でも、」

今度は満樹が云う。

「自分で身を守るぐらい、海も出来るんじゃないのか」

それも、もっともである。

「じゃあ、ご飯行く?」

京子はお腹を押さえる。
体育坐りのまま、満樹が云う。

「そもそも、俺たち。かなり怪しい人になっているぞ」

相容れない一族同士(東と西)
他人の一族の村にて。

二言はないと云いながら、やっぱり満樹は気にしていた。

「何度も云うけれど、次狙われるのはツイナなのよ!」
「うーん・・・」
「でも、お腹もすいた!」
「うん」

それなら、と、満樹は地面の土をなぞる。
規則的な模様。

「何それ?」

京子はその様子を覗く。

「ここで、何か起きたら知らせてくれる」
「これが?」
「簡単な魔法だけれども、どこかに行っていても何か起きたら判るってこと」
「裏が現れたら、戻ってくればいいってことね!?」
「うん・・・」

京子は目を輝かせる。

「魔法って便利!」
「うん・・・」

満樹の返事は、どこか歯切れが悪い。

「これで、ご飯に行けるわね!」

満樹と京子は立ち上がる。

「おっ、」

屋敷の中で外を窺っていたミツグが、声を出す。

「西と東が移動しはじめたぞ」
「あひらめはのはなー」

お昼ごはんのはんぺんをほお張りながら、ツイナが首を傾げる。

「なんふぇおれたちふぁみはられてたのは」
「まず、はんぺんを飲み込め」

ミツグが云う。

「だが、あの東が地面に何かを描いていた」
「なにふぁ?」
「東一族の魔法陣かもしれん」

見てくる、と、ミツグは外に出る。
先ほどまで、満樹と京子がいた場所へ行く。

「これか・・・」

その地面に、思った通り、魔法陣が描かれている。
とても、シンプルな、

感知魔法。

「そうごうけいび、あるそっく、的な・・・」

(※あくまでも、ミツグの例えです)

と、

「どろぼーーーうう!!」

「何っ!?」

「泥棒よー!! 捕まえてー!!」

突然、

ミツグの目の前を

おさかなくわえたのらねこが、横切る。

「おぉおお!!?」

それと同時に、足元の魔法陣が光る。

「何だ!!」
「裏が現れたのね!!」

「裏が!」
「どこに!!」

「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」

「いや・・・」

必死に戻って来たであろう満樹と京子に、ミツグが云う。

「現れたのは、・・・おさかなくわえたのらねこだ」

ごーーーーーーん。



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