碧空の下で

人生の第四コーナーをまわって

タイ紀行10

2010-07-07 09:02:49 | タイ紀行

このミュージアムはスコータイの街のはずれのホテルの敷地内にあった。宋胡録焼きの古いものをまとまって見ることができる場所だ。スワンカローク美術館というくらいだから、スワンカロークの公立の美術館かと思っていたのですが、そうではなさそうで、このホテルの私立の美術館らしい。トゥクトゥク(3輪タクシー)に乗ってスコータイの市内からすぐに着いたので、はじめはどこか間違いじゃないかと思ったくらいだ。てっきりスワンカロークの街まで行かなければならないと思っていたので、運転手が適当なお土産屋へでも寄ったのかとも考えたが、けっしてそうではなく、ここがまぎれもなくその美術館であった。館内に入ると、けっこう充実したコレクションが年代順に陳列されてあり、日本語の説明書も渡されたのでありがたかった。個人のコレクションであれば、すごいものだと感心しながら、ゆっくりと拝見させてもらった。後日バンコクの国立美術館も入ったが、高い入場料の割りに何も見るべきものが無いのと比べれば、焼き物に興味のある人はぜひお勧めの美術館です。館内の見物人は日本人らしい中年の男性が一人いただけでしたので、貸切みたいもんですが、おまけに私のために冷房を作動させてくれたので、気持ちよく見学することが出来た。見学がすんで、隣のホテルの売店を覗きに行ったら売店はクローズされていて、外から眺めるだけだったが、焼き物やタイシルクの製品がけっこう並んでいた。ホテルのお客はすでにいないので外の喫茶コーナーでアイスコーヒー(コーヒーシェイクです)を頼んでこれからの行動を思案することにした。しばらくしてトゥクトゥクの運ちゃんが迎えに来たので、鉄道でバンコクへ行く予定を立て、スワンカロークの鉄道駅まで行ってくれというと、なんとここから45kmあるというではないか。スコータイの近くにあると思っていたのが間違いで、けっこうはなれているのだ。昨日バスで行ったシーサッチャナーライの手前にあった記憶はあるが、そんなに離れているとは知らなかった。そういえば昨日ゲストハウスのお姐さんに鉄道に乗りたいといって、どこへ行けばいいのか聞いたらピッサヌロークだと言っていたのを思い出した。スコータイの南にある街だ。つまりバンコクにより近い街だ。スワンカロークまで北上して遠ざかるよりは理にかなっている。距離は同じくらい45km以上はあるが、本線なので、そちらが便利なのだろう。どちらにしてもけっこう距離があるので、鉄道に乗るのはあきらめて、スコータイから高速バスで直接首都バンコクへ行くことに決めた。スコータイの昨日のバスターミナルへ行って、出発時間を見ると夜の9時に出るバスに乗ると翌日の朝の3時にバンコクへ着く便がある。これはVIPバスだ。一番運賃が高いが乗り心地がいい。390バーツの深夜便なので、眠れることを考えるとこれがいい。チケットを買うと後は、時間まで街へ戻り、銀行で両替したり、飯を食ったりして時間をつぶし、バスターミナルへ戻った。ターミナルのべンチでお尻が痛くなるほど本を読みながらバスを待って、ようやくVIPバスのリクライニングに座ることが出来た。後はバンコクまで無事に走ってくれればいい。さっそく首枕をして横になるとあっという間に眠りに落ちた。できるなら1~2時間ほど到着が遅れてくれるとありがたいが、しかしバスは無慈悲にも無事に深夜のバンコク北バスターミナルに定刻3時に着いた。眠い目をこすりながらバスから降りると、深夜だというのに暑い空気がまだ残っている。とりあえず朝までどこかで時間をつぶさなければならないので、バンコクの上野駅というべきフアラムポ-ン駅へ行くことにした。そのあたりへ行けば休む場所もあるだろうと考えていた。タクシーで深夜のバンコクのビルの間を縫うように走り出すと、夢から覚めたように白々しい気分になってきた。長かった旅の終わりが近づいたのだ。タイで初めて乗ったメータータクシーの運ちゃんは、一言も話さず、無言のままファラムポーン駅に滑り込んだ。

           


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