チェンマイのアート週間での作品の展示の中で、環境デザインとか建築の話ですが、今回見た展示の中で唯一と言ってもいい実物の環境デザイン展示がありました。あるレストランの庭?か空き地かわかりませんが、そこに造られたというか、置かれてありました。大変プリミティブなコンセプトで、一見すると、「そのまんまやんけ」と、うなりたくなるほどですが、よく見ると田んぼの畔や鳥小屋や案山子や干稲があって、タイの田舎の風景を表現しているらしい。中央に木で組んだオブジェらしいものがあり、かろうじてこの場所が作品であることを示している。予想していたものとは大きくかけ離れてたのですが、タイ人の感性に触れた作品でした。感想をいうと、今のタイ人にとって原風景と言うべき田舎のたたずまいは、作品として対象化されるほど作者の意識が都市化(現代化)されているということだと思います、あるいは、自然対人工物ということ、また伝統的なものに対する異化効果ということなどが頭に浮かびますが、多様なアプローチができる作品です。しかしそのような邪念?を持って見ることよりも、何よりこの空間に入ると、心がほっとするし、なぜか懐かしい気持ちになるのがいい。それこそ作者が狙ったことかもしれません。作品的には、額縁効果もあって(周りが緑などで区切られて)日本の庭を連想させるので非常にプリミティブな作品ではありますが、意外と奥が深いですのです。作品とはモノではない。関係性なのだということが解る今回の作品群の中で最も印象に残った作品でした。
このような草の植え方、形が作品らしさを見せている。ひょっとしてこの生垣を見せたかったのではないか
まだまだつづく
このような草の植え方、形が作品らしさを見せている。ひょっとしてこの生垣を見せたかったのではないか
まだまだつづく
芸術(アート)は難しいわ、特にワシみたいな凡人には
写実主義(リアリズム)がワシ向きやな。