THE KUROSAKIC RADICAL

こちらは『闇の末裔』の黒崎密を幸せにするサイトでしたが、サーバー廃業により、ブログで密を愛することにしました。

閻密BD小説『偉大なる神の愛』

2009-10-18 00:16:23 | 小説
『偉大なる神の愛』

誕生日プレゼントがあると言われ、密は閻魔に連れられて庭へ出た。
工事を終えたばかりの庭は一変しており、目の前には大きな池が広がっていた。
池のほとりに立つと、閻魔は嬉しそうに密に語りかけた。
「密は魚を飼っていよう?水に棲む生き物が好きと思うてな」
閻魔はパンパンと手を打った。
すると池の中から大きな白イルカが飛び出した。
声も出ないほど驚く密に、閻魔はほほ笑えんでキスをした。
「誕生日祝いの白イルカじゃ」
唖然とする密の足元に、すいすいと白イルカが泳いで来る。
「きゅっきゅきゅっきゅっ、きゅぅ~きゅう~」
つぶらな瞳を密に向けて、白イルカが啼いた。
「きゅっきゅきゅっきゅっ、きゅぅ~きゅう~~」
その啼き声はメロディのついた歌になっていた。ハッピーバースデイだ。
「きゅっきゅきゅっきゅっ、きゅきゅ、きゅ・きゅ・きゅ~vvvきゅっきゅきゅっきゅっ、きゅぅ~きゅう~♪」
白イルカは歌い終えると、伸び上がって密の頬にキスをした。
密は目を丸くして、すげぇと呟いた。
「密へのプレゼントじゃ」
閻魔がもう一度言うと、密は信じられないといったように返した。
「このイルカを、俺に・・・?」
「そうじゃ。密にやろう」
「いいんですか?こんなすごいのもらって」
震えた声で言った密に閻魔は頷いて答えた。
「よいのじゃ」
感動して息を詰まらせた密を優しく包み込んで、閻魔は腕の中の密に愛をこめたキスも贈った。



後書き:2003年、つまり6年前に書いたものです。愛は色褪せていません。

コメントを投稿