宇宙(そら)に続く丘

プレリュード小学校1年C組のしりとりちーが案内する宇宙への道
みかんの丘は不思議へ通じるワームホール

沈む冬星座 入り残る明星

2012年04月16日 00時52分30秒 | 

日が暮れた。空の色が青から群青へと変わってゆく。久々に見るきちんとした夕暮れだった。忙しくて長らく黄昏時を外で過ごしたことが無かったのだ。星が現れるにつれて星座が分ってくる。おおいぬ座、オリオン座、おうし座、ペルセウス座。金星の上にはぎょしゃ座の五角形も見える。
お疲れ様、冬の星座たち。今年も木枯らしの中でいつものドラマを演じてくれたのだろう。この冬の僕は忙しくてなかなかその舞台を見に来られなかった。ごめんね。

観測デッキを冷たい風が吹き抜ける。春爛漫とは言え、午後8時を回るとさすがに肌寒い。せっかくだから何か撮ろうか。ただ、あの強風のおかげで45センチかぐや姫は光軸が少しずれている。駄目かな。羽織ったジャケットを通ってくる寒さが今からの光軸調整を億劫にした。どうしよう。とりあえずまだ高みにある金星を狙ってみた。大きいカメラをかぐや姫のトップリングに取り付けてカメラのモニターを生かす。あれ、撮影方法を忘れかけている。これはいけない。少し焦りながらシャッターを切った。

確かに8センチで撮影した時より鮮明だが、本来ならもっとクリアーに写っても良いと思うのは欲張りだろうか。望遠鏡をきちんと整備してからずいぶんになる。大工仕事ばかりせずに天文台の仕事をちゃんとしたら… ビーナスにそう笑われてしまった。

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いつの間にか物置に

2012年04月15日 21時13分26秒 | Weblog

観測デッキを開いたまま大工仕事を続けた。丘を爽やかな風がわたってゆく。それにしても、一生懸命撮影していた頃にはきちんと片付いていたデッキの上が今は物置と化している。何とかしなければならないが、そのためには今の建物の北側に寝室と物置を建て増ししなければならない。いつの事やら。

今やっているのは竹取庵の玄関ドア作りだ。思えば、屋根が出来上がってから4年にもなるのに、玄関の場所には四角い穴が開いたまま。そこを板でふさいで脚立で押さえている。まったくの日曜大工で、それも一週間に4時間から5時間くらいしか仕事に来ない。でもその間に居間の天井が出来、台所も完成に近づいている。そろそろちゃんとした入り口を作らなくては。ドアの設計に入ったのが今年の2月。工作を始めたのが3月の初め。そして、今ようやく内側部分がほぼ完成した。ひし形のところには会社の先輩が作ってくれるというステンドグラスが入る。

かなり良く出来ているとは思うのだが、材料はホームセンターの材木だ。時間をかけて作っているうちに出来た部材が乾燥して縮んだりしわったりしてくる。まあ、仕方ないというか、それも手作りの味かなと無理やり納得する。

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満開

2012年04月15日 08時39分09秒 | Weblog

丘に植えた枝垂れ桜のうち2本が咲いてから1週間。みかんの丘に上がってみると遅れていたもう2本がほぼ満開になっていた。こちらのほうは八重だ。まるで作り物のようにかわいらしい花を付けている。前の2本はそろそろ散りかけていた。「みかんの丘」は「桜の丘」にもなってきている。もっと植えようかな、と邪な事を考えてしまう。しかし本業はみかんだ。そろそろ不埒な毛虫も現れ始めたし、浮かれたことを考えるよりもちゃんと農家をやらなければ。

今日の空は春には珍しくちゃんと青い。今夜は晴れるだろうか。観測デッキの虫干しも考えて屋根を開いてみた。昼間に見るとずいぶん散らかっている。大工仕事が終わって余力があれば片付けよう。

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夜桜

2012年04月11日 00時07分29秒 | 

金星とプレイアデスの会合を撮って振り向くと、東の空の雲間に月が昇っていた。十五夜が日没とともに昇って来るのに対して、月齢16の月は1時間余り遅れて昇る。その様を見て昔の人は、月がいざよいながら(ためらいながら)昇るのだと解釈した。  

だから十六夜=いざよい。

良い言葉だと思う。どこからそんなセンスが産み出されるのだろうか。生まれて此の方空など見上げた事の無い現代人に爪の垢を煎じて飲ませたい。古代人のほうが明らかに文化レベルが高いではないか。
そうだ、夜桜。このチャンスを逃す手はない。枝垂れ桜越しに十六夜を撮るんだ。そう思ってカメラと三脚を持って外に出たが… 崖っぷちに植えてある桜と月の位置関係で三脚を立てる事が出来ない。やむなく崖に身を乗り出して手持ちで写す。

焦点距離55mm、カメラ感度800、露出50分の1、絞り32、内蔵フラッシュ強制発光。もう少し月を大きく撮りたかったが、持っていたレンズではこれが限界だった。もちろん画像処理はしていません。ふふふ、いい出来だ。カメラのモニターを見ながらひとり悦に入る。観測デッキに戻ったものの、明るくなった「照明」にほとんどの星が埋もれてしまっている。撮影はあきらめて丘を後にした。

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牡牛に乗ったビーナス

2012年04月10日 00時09分45秒 | 

空にはどんよりとした雲が垂れ込めていた。見渡せばあちこちで雨がなだれ落ちている様子もうかがえる。移動性の高気圧が差し掛かって、軽い冬型の気圧配置になっているのだ。日が暮れるのが早いか、高気圧がやって来るのが速いか。なんとなく期待しながら竹取庵の屋根を開けようとして気が付いた。大きいほうの屋根が動いている。
竹取庵の屋根の重さは大小合わせておよそ2トン。大きいほうは長さが短いだけに少し軽いが、それでも1トン近くある。それが一度浮いて北にずれていた。それ以上動かなかったのは、こんな事も有ろうかと滑車の横に外れ止めを付け、二つの屋根をロープで繋いでいたためだった。爆弾低気圧の影響は杉木立ちだけでは無かったのだ。

屋根の位置を直している間に外がすっかり暗くなっている。頭上に広がる濃紺の空。やった、高気圧の移動のほうが速かった。西の空にひときわ明るく輝く金星。木星との距離がずいぶん開いている。カメラを赤道儀に取り付けて構図を取ろうとファインダーを覗くと、金星のすぐ下にもやもやとした星の固まりが見えた。駆け足のビーナスがプレイアデスの姉妹のところへも立ち寄ったのだ。

 


カメラ感度800、絞り3.5、露出4秒。写し取った空には牡牛の頭ヒアデス星団のV字も見えていた。ビーナスは今ちょうど牡牛の背に乗っている。どこへ行こうというのだろう。久々に深宇宙でも撮ろうかな。しかし今日は十六夜、霞を含んだ春の空には明るすぎる照明だ。長時間露光はできない。

 

 

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六分咲き

2012年04月09日 00時21分03秒 | Weblog

倒れた杉の木を粗方片付けて大工仕事に戻る。去年の秋植えた4本の枝垂れ桜のうち、つぼみの膨らんでいた2本が見事に花を付けていた。見た感じ六分咲きというところだろうか。お天気がパッとしないのが残念だが、おばさんの家の近くの山桜と相まって丘が華やかだ。種類の違うあと2本もやがて咲き始めるだろう。思えば、天文台を建て始めたころに比べてここもずいぶん趣きが変わってきた。それでもここは『みかんの丘』、主人公はあくまでも蜜柑だ。今日はここに来る途中立ち寄ったホームセンターで、2年物のみかんの苗を仕入れている。日暮れまでには植え付けよう。

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爆弾低気圧

2012年04月08日 00時39分48秒 | Weblog

今月2日の夜テレビで、日本海で低気圧が急激に発達する恐れがあると警告していた。そう。この季節、そんなふうに発達する低気圧は春一番を持ってくる。しかし警告の内容はそんな生易しいものではなかった。予想気圧配置は僕が今まで見たどの春一番とも違う。そしてその予告通り日本列島を強烈な暴風が襲った。

この天気図は翌3日の午後3時のものだ。朝9時に朝鮮半島辺りに居た普通の低気圧が、わずか数時間でこんなに発達している。そしてさらにその数時間後には、まるで漏斗(じょうご)を上から見たような大気の凹みとなって日本を駆け抜けた。そこに吹き込む風は半端じゃない。こんな低気圧を「爆弾低気圧」と言うのだそうだ。

みかんの丘は大丈夫だろうか。土曜日になるのを待ちかねて丘に上がる。見まわしてまず目に入ったのは倒れた杉の木だった。何年か前に立ち枯れてそのままになっていた木が強風に耐えかねたのだ。竹取庵からは距離があったが、みかんの木が2本下敷きになっていた。折れてはいなさそうだ。やれやれ、始末しなければ。この丘では以前、台風で生きた杉の木がなぎ倒されて竹取庵に覆いかぶさったことがある。それに比べればましなほうだ。チェーンソーを持ち出して作業に掛かった。

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