Altered Notes

Something New.

日本のチャンスを潰した孫正義氏

2019-05-01 19:57:07 | 人物
現在、パソコンのOS(基本ソフト)で有名なものと言えばWindowsやMacOS、ちょっと詳しい人ならLINUXなども挙げられるだろうが、Windows95が出る遥か以前の1980年代にそれらよりももっと優れたOSが存在していたのをご存知だろうか。しかも日本に、だ。

それがTRON(トロン)である。東京大学の坂村健教授が考案した基本ソフトである。専門的な説明は省略するが、使いやすくて安定した優れたOSだった。しかも無料で公開されたので誰でも利用することができた。後に出てくるWindowsよりもかなり先を行っている性能を誇っていて、その先進的な内容には当時の米国の技術者も喫驚したほどである。

例えば、現在日本の会社や役所等の組織ではWindowsが標準的に使われているが、Windowsは米国人の発想だけあって使える文字種が限られる。日本は漢字文化であり、あまり使われない難しい漢字も含めると相当多くの文字が存在する。しかしWindowsでは漢字の全種類を扱うことが出来ない。特に行政においては人名などで難しい漢字や旧字体などへの対応の必要からわざわざ外字を作成して対応している。実に面倒くさいのである。

ところが、トロンではこれら日本で使われる漢字の全てに始めから標準対応している。滅多に使われない漢字であろうと旧字体であろうと全てOKである。

日本だけではない。世界中のほぼ全ての文字に最初から標準で対応しているので日本だけではなくどこの国で使われても過不足なく使えるのだ。これだけでも凄いことであり便利で重宝される。

また、現在インターネットで当たり前に使われるリンクという概念「リンクで他所のデータにアクセスできる」という機能が最初から搭載されていた。インターネットが始まる以前にそういう概念が導入されていたのだ。一方で当初のWindowsにはそのような概念は存在しなかった。

今、TV等のマスコミは「Windows95が出てインターネット時代が始まった」かのように報道しているが、それは「完全に間違い」である。発売当初のWindows95にはインターネット機能は搭載されていなかったのだ。当時のマイクロソフトがやりたかったのはパソコン通信(*1)である。MSNというマイクロソフト中心のクローズドなネットワークで、MSに置かれたメインサーバーに各ユーザーのパソコンを通信回線を通して接続し、MSが提供する各種のサービスを受ける、といったスタイルである。WindowsユーザーをMSNに囲い込みたかったのであり、当時のビル・ゲイツが考えていたのはその程度のことだった。

その一方で米軍の軍事情報ネットワークARPANET(アーパネット、Advanced Research Projects Agency NETwork、高等研究計画局ネットワーク)に起源を持つインターネットが徐々に世の中に受け入れられつつあり、将来これが世界的な標準になるであろうと予想されるようになった。

それでビル・ゲイツは慌ててWindows95に後からインターネット機能を追加する為に「Plus!」(Microsoft Plus! for Windows 95)という補足ソフトを発売した。この中にはブラウザーのInternet Explorer(*2)も入っていた。

初期のWindowsはバグも多く不具合の連発で酷いものだった(*3)が、トロンは最初から安定性に優れていたので使い勝手もよく真に素晴らしいという評価を得るに値するソフトだったのだ。何よりリンクの概念を導入したトロンは使いやすく人間的な思考にぴったりな傾向と性能を持っていた。

このトロンを日米貿易摩擦の障壁の一つとして米国がやり玉に挙げたのである。開発側にとっては寝耳に水である。ただでさえ無料で公開しているものだから貿易の障壁になる訳がないし、しかもこの時期にはまだトロン搭載PCが輸出されていた訳でもない。「なぜ?」というのが関係者全員の疑問だった。

恐らく米国側ではマイクロソフトなどのメーカーがトロンを搭載した日本製パソコンによって米国のIT覇権が崩されることへの恐怖もあって米国政府にトロン対策の働きかけをしていたのであろう。

日本の政府・通産省(通商産業省:今の経済産業省)は米国の言いなりで、トロンは止めます、という方向に舵を切った。米国の怒りに触れたくない日本政府はなんだかわからないパソコンのOSくらい止めても問題ないだろうくらいにしか考えなかったのは想像に難くない。当時の政治家も官僚もITオンチで情報処理機器について何一つ知らなかったのだ。今でもITオンチは変わってないが。先見性以前の問題であろう。どこの国の役所なのか?と。そして、トロンを止めるという愚かな判断のおかげで本来なら日本が世界のパソコンや情報処理をリードしていたであろう明るい未来を自ら潰してしまったのである。

実はこの時にトロン潰しの主たる犯人は政府・通産省の他にもいた。ソフトバンクの孫正義氏である。当時、孫正義氏はソフトバンクを創業して何をやっていたかと言えば、米国製パソコンソフトの卸・販売である。

孫正義氏は自分の商売(DOS関連ソフトの販売)に差し障りがある…つまり商売の邪魔なのでトロンを排斥したかったのである。そして彼がやったのは、通産省を焚き付けて、官僚と組んでトロンの普及と開発をストップさせる事である。孫正義氏は「日本独自のソフトは一種の鎖国。外国のソフトを受け入れるのが当然」という滅茶苦茶な理屈を繰り出して全力でトロンを潰しにかかった。(*4)そして米国の怒りを避けたかった日本政府はトロンの推進から一切手を引いてしまったのだ。文部省などは全国の学校にトロン搭載パソコンを普及させる計画を持っていたが全て潰されてしまったのである。

トロンを壊滅させた黒幕が孫正義氏であることは1999年に刊行された「孫正義 起業の若き獅子」という書籍にも詳細が書かれていて、「トロンの蔓延を水際で食い止めた」と自慢すらしているのである。厚顔無恥の極みと言えよう。

日米貿易障壁に関しては、日本のトロン協会はアメリカ合衆国通商代表部に抗議して、その結果トロンは障壁リストからははずされたのだが、しかし一旦ついてしまった悪いイメージの影響は大きく、その後トロンの巻き返しはならなかった。

こうしてトロンOSの開発と普及は潰された。これがなければトロンが世界標準のOSに成り得ていたであろうし、世界の情報処理・情報通信の世界で日本がイニシアチブを取っていた可能性はかなり高かった。Windowsという使える文字種も限られた中途半端なOSで苦しむ事もなかったであろう。日本各地の役所でも全ての漢字をサポートしているトロンがあれば難しい人名や地名への対応も簡単に出来たはずだ。残念でならない。

この時、孫正義氏と共にトロンの大きな敵となったのが日本のマスコミである。日米貿易摩擦の象徴として日本車を大きなハンマーで叩きまくる米国人労働者の映像をこれでもかと繰り返し放送して「日本が悪いんだ」という印象操作に明け暮れて米国の利益の為に粉骨砕身していた日本のマスコミ。その姿勢は通産省官僚や孫正義氏と同じであり、トロンのイメージダウンに務めたその罪の大きさは計り知れない。

日本のIT業界にとって比類なき大きなチャンスを悪意をもって潰した孫正義氏に強い憤りを持つと共に、孫正義氏と国内マスコミの反日姿勢にも怒りを禁じ得ない。




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(*1)
パソコン通信とは、専用ソフト等を用いてパソコンとホスト局サーバーとの間で、通信回線によりデータ通信を行う手法及びそれによるサービスである。通常は電話回線でメインサーバーにアクセスすると、そのサーバーから提供される各種のサービスを受けたり同時に接続している他の多くのパソコンと通信ができたり、メインサーバー上に蓄積された各種のデータにアクセスできる、というサービスである。サーバーを運営する会社(この場合はマイクロソフト社)と契約した人のみが使用できる極めてクローズな世界であり、インターネットのオープンかつ広大無辺な世界とは比較にならない。

(*2)
マイクロソフトのブラウザーとして有名なInternet Explorerは、マイクロソフトオリジナルの技術ではない。元々はモザイクという当時の先進的なブラウザーの権利を買ってきてそれを改変して作った。ちなみにそのモザイクを開発したのはネットスケープ・ナビゲーターの開発で知られるマーク・アンドリーセン(と7人の仲間)である。マイクロソフトにはブラウザーを独自に開発する発想も技術力も無かったのである。
ネットスケープ・ナビゲーターは優れたブラウザーとして評価が高かったが、当時のビル・ゲイツが指揮するマイクロソフトの苛烈な弾圧(違法行為含む)や嫌がらせでシェアを落として遂には無くなってしまった。だが、その志はその後の有志に依るMozillaプロジェクト、さらにFirefoxプロジェクトに引き継がれている。

(*3)
不具合が多くユーザーは多大な迷惑を被っていたのだが、マイクロソフトはそれら不具合の責任はとらず、その都度手直しはしていたのだが、未だWebも草創期の時代なので修正ソフトをCDで配布(有料)したりしていた。バグの修正に対してさらに「金を払え」というのである。
マイクロソフトにとってはユーザーはバグを発見してくれるデバッグ要員のように捉えていたのではないか、と思えるほど酷かった。頻発する不具合によってメーカーやマイクロソフトのサポート電話は鳴り止まない状態になったが、しかしマイクロソフトはロクなサポートもできず、多くのユーザーがこのようなマイクロソフトの姿勢に強い憤りを感じていた。

(*4)
孫正義氏は一貫して日本製の製品への嫌悪感を持っており、コンピュータソフトであろうと他のカテゴリーのハードウェアであろうと日本製を使うことを忌避している。通信分野でも中国・韓国の技術を重用しているし、日本製のシステムである緊急地震速報がソフトバンクの携帯電話にだけ長らく搭載されなかったのはこうした背景があるからである。基本的に反日姿勢が濃い人物(*4a)であり、今後も孫正義氏の動向には注意した方がいい。この人の発想は常に日本を貶めること、日本を滅ぼすこと、が根底にあり、いつどのような形でそうした動きを始めるかわからないからである。(*4b)(*4c)

(*4a)
ソフトバンクのCMで有名な「お父さん犬」。
韓国では「父親が犬」というのは最悪の罵倒言葉だそうだ。お兄さんである黒人もまた韓国では差別の対象である。さらにCMの設定である「白戸家」。父の名前は「白戸次郎」、奥さんの名前が「白戸マサコ」である。これは正に白洲次郎の一家をモチーフとしている。白洲次郎は実業家であり吉田茂総理の側近としてGHQに対抗して誇り高く日本の尊厳を守った人物である。戦後の混乱の中で在日朝鮮人の人々が数々の悪行を働いた関係で国内のあちこちで問題が起きていた。白洲次郎はそうした朝鮮人を祖国である半島に送り返す事業を行っていた。それを朝鮮人は不快に感じていたところにこのCMの発想の源があるのだ。白洲次郎の妻の名前は白洲正子である。CMの白戸マサコとの類似性の高さは言うまでもない。あの一連のCMで孫正義氏は日本をディスりたかった…、それは間違いないだろう。こんな設定が偶然にできるわけがないのだ。実際に孫正義氏はテレビ東京「カンブリア宮殿」出演時のインタビューで番組ホストの村上龍氏に対して「(ソフトバンクの)テレビCMも企画の段階から全作品に首を突っ込んでいる」と発言している。つまりトップの孫正義氏自ら主導した企画があれだったということだ。完全にクロであろう。
このように種々の機会をみつけて孫正義氏は日本を貶めようとするのであり、その基本姿勢が反日・侮日であることは間違いのないところである。
また、こんな話もある。
昔の孫正義氏を評してよく言われていたのが「発表会経営」。
どういうことか。
「こんな凄い事業を始めます」
と発表して株価を上げておいて結局うやむやの内に(事業は)やらないで終わる、というパターンを繰り返した事が原因である。最初の発表を大々的に打ち上げておいて株価を上げて会社の価値があるかのように見せかける手法である。
これで思い出すのが東日本大震災の直後に孫正義氏がぶち上げた「百億円寄付」の話だ。結局孫正義氏が本当に百億円を寄付した確認はとれていない。誰も確認していないのだ。これが孫正義氏の実像であり実態なのである。

(*4b)
2011年の東日本大震災に於ける福島第一原発事故後に韓国を訪れた孫正義氏は周辺国に迷惑をかけたとして「日本は犯罪者になってしまった」とまで発言している。生まれ育ち数々の恩恵を受けた国に対してこんな暴言を吐く人物なのである。しかも日本の原発は否定しておきながら韓国の原発を礼賛するという矛盾を露呈するような滅茶苦茶な姿勢は流石に彼が半島の血筋であることを再確認させてくれる、というものである。

(*4c)
東日本大震災の後で孫正義氏は当時の民主党・菅直人政権と組んで再生エネルギーの普及に乗り出した。そして太陽光パネルが日本中のあちこちに設置されていったのだが、これは思ったような効果を全くあげていない。むしろ災害で被災した場合に毒物が流れ出て環境を破壊するようなシチュエーションも多々見受けられる事となった。日本中でそのような困った事態が起きているのだが、当時これを推進した菅直人氏や孫正義氏は一切の責任をとっていない。







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