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サントリー、ビールで3位、読み比べとTV報道

2008-07-12 00:42:55 | 政治経済
サントリーが初の3位 今年上半期のビール出荷(共同通信) - goo ニュース

サントリーがサッポロ逆転=ビールシェア、初の3位に-08年上半期(時事通信) - goo ニュース

上半期ビール類出荷、サントリーが初の3位浮上・首位はアサヒ(ロイター) - goo ニュース

サントリーが、今年上半期のビール出荷量で「初の3位」となったそうだ。

共同通信は実にあっさりと、時事通信もあっさり伝え、
ロイターはかなりの分析記事が出ていた。

3社とも、サントリーのみが、値上げを見送ったことで
消費者が流れた(共同)、消費者の低価格志向が追い風(時事)としている。

ロイターは、4位に転落した札幌の意見として、
「店頭価格差の違いが予測以上に影響」を上げ、
「家庭用の缶入りの価格据え置き」だけでなく、「業務用を値上げ」も伝えている。

ところで、出荷量は消費量を正確に反映しているのか? はさておき、
出荷量に占める、業務用、家庭用の比率、
家庭用でも缶ビール、瓶ビール、あるいは樽などの比率、
同じく、コンビニ、スーパー、一般の酒店、酒の安売り店などの販売比率が、
いったいどうなっているのかわからない。

だから、家庭用の缶ビールの販売が、ビール出荷全体に占める影響力が見えない。

確かにシェア拡大に「家庭用缶ビールの価格据え置きが効いた」のは事実だろう。
しかし、それは「3位になったことの理由の一つ」であり、すべてとは思えない。

これらについて、各記事とも冷静な分析をしている。
「缶ビールを値上げしなかったのが良かったらしいよ」くらいの感じだ。

ところで、このニュースを伝えていたある民放の報道の仕方には疑問が残る。
どこか知らないが、どこかのコンビニでの店頭価格で、
6本入りパックで8円違うことを取り上げ、
このわずか1本当たり1円ほどの差がシェア逆転につながった、としていた。

本当か?

どうせ買うなら安いほうを選ぶ、これは事実だろう。

しかし、引用されていた「金麦」が最安銘柄ではないし、
引用されていたコンビニが最安店でもない。

本当に1円でも惜しむなら、もっと安い店はいくらでもあるし、
とにかく安けりゃいい人がコンビニで6本パックを買うか?

さらに、ここではリンクしなかったが
毎日は、同じ「金麦」をスーパー店頭の例として価格差を6本パックで17円、
産経では、6缶入り1パックで20~30円、ディスカウント店では「それ以上」
となっている。

つまり、わずか8円(6本パック)の価格差がサントリー3位の原因のすべて
のような報道の仕方はいかがなものか、ということだ。

価格差が大きな要因であったことは確かだろう。
でも再三言うようにもっと安いものはいくらでもあるのだ。

「金麦」とライバル・ブランドとの差は価格が一番大きい要因だったかもしれない。
でもまずけりゃ売れんよ。
金麦のヒット要因は価格だけみたいな言われ方じゃサントリー自身もがっかりでしょう。

価格差がシェア逆転の最大の原因だとしても、
最も大きな原因が原因のすべてであるかのような報道の仕方はいかん、ということ。
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