帰るぜ。

少し前になるが、ある友人のミクシィ日記に

「東京って、もうダメなのかなぁ・・・音楽も、カルチャーも。」

みたいな事が書いてあった。“やる気のある奴は皆、外国に行ってしまう～”、と友人はどこか寂しげだった。

・・・それは違うよ～！

東京は日本を代表する都市だから『東京＝日本』と言い換えてもいいと思うんだけど、俺も１８歳の時に生まれ育った日本を飛び出し単身渡米。その後の１２年間をアメリカ一大都市であるニューヨークで過ごしてきた。アメリカの良い所も悪い所も実際に体験して、外からじゃなきゃ絶対に判らない日本の実態も感じ取りつつ、今まで生きてきた人生の約半分をこの地で終えようとしている。そんな俺から言えるコトは

日本ほど良い国はない

ってコト。一言で片付けられる問題でもないが、政治／教育／生活／文化／芸術／民意・・・どれをとっても全体的な俺の結論はそう。そして、一人の人間が異国の地アメリカで生きていく上での子々細々は３年間この『黒猫』にて考察してきた。

例えば、百万回書いてきた悪名高きニューヨークの地下鉄にて。人々が乗り降りしてくるのに、中央に進みもせず道をあける事もせず昇降口に立ち塞がる・・・そんな国民に『民意がある』とは思えない。混雑している車内でも平気で荷物や足を座席に投げ出す、読み終えた新聞や飲み食いしたゴミを残していく～～～そしてそんな人々に対して何か物言う人々すら居ない・・・そんな国民に『民意がある』とは思えない。これは大都市ニューヨークだけの事なのか？と思いきや、ペンステ辺りから乗ってくる右も左も判らない田舎者も同じ。では、交通はどうだろう・・・高速出入り口などの２車線が合流する地帯では「譲り合い」なんて精神は無いに等しい。街では、右左折車線からでは無く本線からウィンカーも出さずに平気で曲がろうとする～～～そして大体は事故に繋がるのだが、何故か割り込んだ本人が怒り狂っている・・・そんな国民に『民意がある』とは到底思えないのである。

「・・・そんなのニューヨークだけだよ～！」とお思いになる人も居るかもしれないが、ロスだってそうだし、第一ニューヨークは東京が日本を代表するのと同じく、アメリカを代表する大都市だからね。地下鉄や交通の事例は細かい観点かもしれないが、そこに住む人々大半の姿勢がそうなのであれば、もうアメリカ人の『国民性全体』がそうだって事でしょ？そうじゃない人々も居るのは百も承知だけど、俺は全米をこの足で廻り、この目で見てきた観点から物を言ってるので。

じゃあ、国家を代表する所の大統領と議会が間違った戦争を起こしておいて（＝当初、対テロリストだった筈の戦争が結果的に「大量破壊兵器すら存在しなかった」イラクへの進攻に変わり、平和的介入の名の元にアフガンやイラクの「占領」を続け、今ではイランやアラブ近隣諸国にまでちょっかいを出して、“オイル戦争”という名前に取って代わっている・・・どこかおかしくねぇ？笑）国民の誰もがその過ちに気付いているのに、力づくででもその大統領と議会を止めようともしない。国民年金制度だって、２０４８年までしか持続しない事が「議会の発表で」判っているこの国で今一番働き盛りの年代層は（＝俺達の世代です・・・ってか、俺は外国人だから関係ないけど！喜）死ぬまで支払われる事のない税金を納め続け、一体何を信じて働けば良いのか？老後は『うば捨て山』か？（・・・アメリカ人にこの話をしても絶対に判らないだろう。）

昨日の投稿にあった様な話↓↓↓をウチの会社の同僚（＝ゲイ男性）に話してみた。すると「・・・そんなの皆、判ってるんだよ！でも誰に何が出来る？俺達は死ぬまでドラッグをバンバン摂取して、セックスしまくってりゃそれで幸せじゃん。」という驚くべき答えが返ってきた（爆）

・・・そう、そうなんである。結局この国民のベースになっている考えは「我関せず」と「自分だけが良ければいい」この２点に尽きる。この国家に起こりうる事象のどれを取っても、上記２点が物事の根底にある事は間違いない。そんな国民に日本の様な『皆が一番気持ちよく、皆にとって一番効率が良い方法＝自分本人と、全体の中の自分のため～』を考えるオツムは無いに等しい。だが、これはもう根本的にお互いの国家の在り方や教育や文化の違いなので、ココで俺がアメリカ人に向けて「・・・お前等さぁ、ちょっとは考えてみなよ！」と言ってみた所で意味がないし、無駄だ。ただ俺は一人の人間として、日本人に根付いている様な『皆が幸せだと、ワタシも幸せ☆』的な考えの方が大多数の中で生きてく上で最良だと思われるし、精神にも健康的だと思う。『共存』は時として危険でもあるけど、アメリカの様に国民の一人一人が"我が、我が”と言っている国家と、国民が個と全体の事を考えている日本の様な国家であれば、後者の方により理想的な『民主主義制』を感じる。そして、そんな国家の未来はまだ明るい。

だけど、そんなアメリカ人の凄い所は国民一人一人が“アメリカ人である事”に誇りを持って生きている事だ。過去の栄光なんてないのに、アメリカン・ドリームなんて本当は存在しないのに、国家の現状や「国というシステム」が壊れちゃっているのに、それでも彼等は「俺はアメリカ人だ！世界のアメリカ人だ！」と胸を張って暮らしているのである。そんな彼等のモットーは『好きな事は（＝他人を蹴落としててでも）全部やる、嫌な事は（＝他人を蹴落としてでも）絶対しない！』である。俺から見るに、これは日本の国民には見られないプライドであり生き方だと思うし物凄～く「動物的」だと思う。もしも日本の人々がもう１度現状を見つめ直して『日本国民である事』に誇りを持ち、世界の中でもどれほど幸せな国家なのかを認識して、そこから世界に対して情報を発していけばこの国は物凄い国家になるんじゃないかな？

日本は平和ボケしている～なんてよく言われるが、『ボケるほど平和で何が悪い！』と胸を張れ！

何か、不況だとか「ゆとり教育」だとかニートだとか異常犯罪の増加だとか・・・色々と日本の暗いニュースが飛び込んでくるけど、そんなモノ別に日本でなくてもアメリカでもやる気のある奴はやってるし、無い奴はやってないだけだ。年齢、環境、場所なんかに関係なくやる気のある奴は「自分のために」頑張っているだろうし、やる気のない奴は結局どこの世界でもスポイルされる。異常犯罪の増加にしたって、昨今のインターネットや携帯の普及で「情報の伝達」が昔より遥かに良くなっただけで、以前はメディアも取り上げなかった様なニュースが表面化しているだけだと思う。実際に変な人が世の中には増えているかもしれないけど、反面それに気付くって事は“啓蒙された人々”も増えているって事なんじゃないの～？年間何万人という人々が銃で殺されたりドラッグで死んだりするアメリカの比じゃないと思いますがね。

日本に居れば、「日本というマーケット内」で全て事足りる・・・音楽も、芸術も、文化も、生活も生産も、全てが日本の中だけで済んでしまう。それは別に悪い事でも何でもなくて、むしろ幸せな事だと思う～～～日本に居る限り、は。それが物足りなかったり危機感を感じる人々は世界に出て行くのだろうし、完成された日本のマーケット中だけで幸せな人は其処で生活を続ける。それで良いんじゃいかなぁ？日本からただ脱出すれば何とかなるってモンでもないよ。そして、日本にしかない良いモノも沢山ある。

・・・という訳で、ビザの切れる来年初夏に帰国する事にしました。もうアメリカに未練はありません。っていうか、１３年暮らしてみて、もうこの国に将来性を感じなくなっちゃった～と言った方が正確かな？自分の生活する、活動するフィールドとしてね。

やっぱねぇ、疲れるよ・・・『動物園』は。爆