これでもか、これでもかと…

【バイコヌール 珍道中　（２）】



悪魔のささやきに従って
バイコヌール行きのツアーを決意したのが
今年の春。

大陸トラベルさんという
ロシアに滅法強い旅行会社さんに
申し込みました。

というかこんなスペシャルなツアー、
大陸さんしかやってません。
一生に一度の体験をしてもらおうという
心意気に溢れた素晴らしい会社ですよ。マジで。



そもそもこのツアー、５月末に実施される予定でした。
が、私がバイコヌールに降り立ったのは７月。

あれ？
おかしいな。
おかしいぞ。
なんかドキドキするな。

そうです。

予定変更！
計画変更！！
打ち上げ日程、大変更！！！

宇宙舐めとったらアカンぜよ～、、、
（朝日ソーラーじゃけん）
とばかりに
ロケットに付き物の
打ち上げ延期の洗礼を受けちまいました。


日本人の油井飛行士が挑む
Expedition 44の打ち上げは
当初、2015年の
５月27日に行われる予定でした。

その３週間前の４月末。

クルーが滞在する
ISS国際宇宙ステーションに補給物資を届ける為
無人宇宙船プログレスが
バイコヌールから打ち上げられました。

が、
これが失敗。

三段目のロケットとの切り離しにトラブルが生じ、
無人船がアンコントロール。
制御不能となりました。

事故原因究明の為、
その後の飛行計画は延期。
ツアーはおじゃん。


なんで私が行く時に限って…ハァ
日頃の行いが悪すぎるのね。
やっぱりバイコヌールは遠かった…涙

そんな風に諦めていたところに
救いの報せが。

再度、日程を調整して
ツアーを再設定するとのこと。

うおおおお！
なにいいいいい！
大陸さん、マジか、マジなのか、あんた！
ありがとぅー！！


結果、見事打ち上げを見に行けたわけですが、
なんせロシア様ですから。
旅行前の手続きは大変なわけです。


観光ビザの手配。
繁忙期の飛行機の予約。
さらにはバイコヌールの入国許可。
これらを再度やり直し。
いや実際はぜ～んぶやって頂いたんですけどねw
なんも苦労してません、私はm(_ _)m


そもそも
バイコヌールはカザフスタンにある特殊な場所。
自由に誰でも入れる観光地ではありません。
ロシアが年間使用料を支払っている租借地であり、
昔は旧ソ連の軍事施設＝トップシークレットだったもんですから
２ヶ月前に旅行の申請をしなけりゃいけません。

成田を飛び立つその日まで、担当のOさんには
並大抵ではない、様々なあれやこれや
ご尽力頂きました。
この場を借りて御礼を。
本当にありがとうございました。



ガイド本読めば読むほど、おそロシア、とか。
ホテルの従業員や、空港の作業員がトランクの中開けて物盗むってどーよ、とか。
何かあった時にはまず大使館へ連絡って何？
なぜなら警察は不正、賄賂横行しとるってマジそれ、とか。
ロシア語むずい、とか。
外務省の渡航先情報によると、十分注意してくださいの黄色表示、とか。
６月末にはアメリカの無人補給船も失敗、とか。
台風が３つもきてる、とか。

まだ旅にも出てないのに、
これでもか、これでもかと
私のチキンMPを削りまくってくる
何かに怯えつつ過ごす、旅までの日々。

結果、ハゲはしませんでしたが、
白髪が増える始末。

心配性が度を越すといい事はありません。
果報は寝て待て。



次回へつづく。