マクロ経済そして自然環境

経済的諸問題及び自然環境問題に感想、意見を書く事です。基本はどうしたら住みやすくなるかです。皆さんのご意見歓迎です。

法人3税累積減税額=消費税累積増税額

2011-09-28 13:56:43 | 税、財政

 

 復興財源の政府案が決定されました。内容は粗これまで話されたものであるが、投稿者の考えはこれまでのブログの中で投稿していますが、ここであまり知られていないかもしれない内容について若干、述べたいと思います。

それは、何かと言うなら表題にあるように、1989年4月に消費税が導入され、その後97年に5%に引上げられましたが、それから2011年年度予算までの増収額は累積で237兆円になります。しかしながらその間、法人3税(法人税、法人事業税、法人住民税)所得税が減税されてきましたが、特にこの法人3税の関係で言うならその間やはり累積で減税されたのが223兆円になります。と言う事で消費税の増額は全て法人3税の減税に使われたともいえるわけであります。財政の強化どころか雪だるま式に財政赤字が増大しているわけであります。(某野党機関紙××9月16日)

 

これで投稿者としても意見を言わざるを得ないのはそれら消費税の増税のたびに”福祉を充実するため”等が旧与党によって言われてきたわけでありますが、承知のように福祉はよくなるどころか改悪一方と言う事で例えば年金受給60才→65才等々、今回も年金年齢65才→68才等言われています(定年からはどう暮らすのでしょうか)、また法人税は実質増税なし、3年後には減税、と言う事でこれでは財政再建も不可能でありましょう。

 

又歳入構造で言うなら例えば証券課税の軽減が未だに続いています。これは前にも書いていますが株式の配当等の課税で発行済み株式の3/100(9月まで5/100)以内の持ち株数であれば10%(所得税7%、住民税3%)しか掛からないと言うものでこれは、3/100と言う比率以内であれば金額は”青天井”であり、例えば10億円あってもその税率しか掛かりません。一般サラリーマン、非正規の方々ですら、税率は住民税10%、所得税は5~10%、20%程度ですが、億単位の収入の有る方のほうが税率が低いと言うのは社会的に問題でありましょう。(因みに3/100が本年10月1日より導入されましたが、其の時点で5/100→3/100にして駆け込みで”節税”を図った方がかなりに上った旨同某野党機関紙は述べています)

 

 昨今の株式市場の低迷的状況からするなら低率にすればよいと思う方もいらしゃるかも知れませんが、そもそも論において”証券市場の低迷”は実体経済からきたものであり、いくら部分的な手が打たれても実体経済全体の改善がなければ多くの(小口投資家をふくむ)投資家は株式市場に戻らないでありましょうし、(実際この軽減は平成15年1月1日実施ですが、証券市場が改善されえたと言う事は聞きません)旧来からの多額の株を持っていらっしゃる方に、一方的に税を減額しているに過ぎないと投稿者は思うわけであります。つまり投稿者としては以前から言っているようにそれら軽減分を正規に戻し、又富裕層に一定の負担を持ってもらい、一般庶民層に厚い社会保障の制度を作るべきと思うわけであります。

またこの道は一般庶民層の内需を拡大する事に景気を回復させ、過度に外需に依存しない日本経済を作る道でもありますが。

 

 

 

  上記政府の提案は首相が”中間層を作る”と言う事に非整合的と思いますが、言ってみれば政府の案からはどのように”税的に”中間層を作るかは見えてこない更に言うなら旧与党と何処が違うのかと言うのが現状でありましょう。

 

 

 

 

 

 

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法人税増税等により内需拡大と産業構造の転換を。

2011-09-23 13:54:39 | 税、財政

  昨今の新内閣により復興財源等が段々明らかになっている。しかしその内容は所得税は10%増徴、法人税については”5%減税し4%増徴”と言う事で些か解りにくい内容ですが、要は之からいくなら1%の実質減税と言う事になります。新首相は社会保障と税の一体的改革と言っていますが、先の衆議院代表質問での自民党谷垣総裁の質問(社会保障のための消費税率の引上げ時期はいたずらな先送りにならないように)に対し、”将来に不安を持たないようにするため社会保障の安定財源を確保し”と応答し(朝日2101.9.15朝刊)

事実上、ここからは民主・自民一体となって消費税率を引上げるニュアンスが読み取れます。一方で首相は”国民の生活が第一といった理念は大切にしたい”とも述べています。

 

 投稿者がここで言いたいのは、このまま復興財源を決めまた他方、社会保障財源、又一般的財源難のおり、法人税引下げはかつて来た道であり

①法人減税→消費税増税・・基本的赤字構造を解消できない (社会保障は改悪)

②輸出産業優遇→貿易黒字増大→円高→アメリカ国債保有増 (産業的アンバランス)

(因みに輸出はGDP比約15%、個人消費(内需)は約60%であります)

であり①は内需を削減し国内不況を長引かせ、②の円高に更に拍車をかける道でもあります。

 経営者団体では何かと言うと”国際競争力が減退する”と言いますがこの一年で粗10円近い円高でありこれはユーロの影響もあるかもしれませんがフアンダメンタルズとしては日本の超過輸出又所得収支の大幅な黒字によるものであり法人税率の多少の引下げは効果を持たず、ここで又輸出力を拡大するだけの道は米国債の価値下落をただ見ていると言う道でも有ります。(黒字の積み上げはアメリカにとっては国際収支の悪化であります)

 

 

▼▼▼

 ではどうするかと言えば投稿者としては法人税増税(所得税についても証券課税を欧米並みにし、)福祉”産業”を国内に構築し、また環境等での産業化を図り、一般庶民層への手当てを厚くし国内需要の増大を図り、又福祉を産業的に強化することは多くの高齢者の需要に応える道であり(読売2010.5.3によれば1400兆円の個人金融資産のうち7割が65歳以上の高齢者の保有と言われています、又福祉産業の波及効果は公共事業等より大きくなっています)が対内・対外マクロ的見地からしてバランスのとれた道と思われますが、又これら税率引き上げとともに不要経費削減により(今年度予算で原発(推進)関連で4000億有ると言われています、また公共事業の一層の見直し、また防衛費の一定の削減も行うべきと考えますが)財政赤字縮減、赤字国債縮減ー債券市場等の需給の改善の方向をとるべきと思われます。

 

単に法人税率を引下げ、消費税税率を”社会保障の改革の為に引上げる”(但し事実上は改悪が多い)というのは過去、旧与党の採った政策であり、同じ政策をするなら政権交代はいらないと言うべきでありましょうし、このままでは国家財政的にもマクロバランス的(対米)にも危機的状況である事は明らかであります。

 

 

 

 

 

原点を無くせば支持を無くすことになるのは当然であります。

★市場原理主義は取らない(鳩山元首相)

★国民の生活が第一(民主党スローガン)はどこに行ったのでありましょうか?

 

参照:アメリカでの法人税率引下げの動き(再掲)

http://www.asahi.com/international/update/0113/TKY201101130607.html

   

欧米での”環境産業”等の動き

http://www.env.go.jp/guide/info/gnd/pdf/fc_trend.pdf

 

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20年来の”GDPギャップ▲”は日本だけ。

2011-09-20 11:56:28 | 経済

 

 8月29日に内閣府よりGDP計測結果についての論評が発表されました(今週の指標no1007)がそれによりますと、2011年4-6月期のGDPギャップは、マイナス4%であり金額に換算して約20兆円とされます。

ところで、経済財政白書によれば日本のGDPギャップは過去20年間粗マイナスであり、このような国は他国にはないとされます。(平成22年版 経済財政白書p71)

上記内閣府の発表と併せて考えるなら90年以降マイナスが続いていると言う事になります。この事が日本における長期不振の大きな要因の一つになっていると思われます。

 

▼所得移転による内需の拡大のための税制とは

 昨今、復興財源をどうするかについて種々議論がありますが、社会保障”改革”についてなんらかの形で消費税税率を引上げるという考えが民主、自民、中心に有るようですがこれは前々回このブログでも書きましたが明らかに低所得階層に負担が来るものであり、又”給付”(払い戻し)を低所得層に行うという案もあるようですがどの階層に給付するか実務的にも困難は多く、であれば投稿者としては、歳入面の一つの重点としては所得税及び住民税の 最高税率、の引上げ(中層以上)で基本的に対応すべきと考えます。これは上記経済財政白書が、”需要の創造による成長”としているところからすればある意味当然の選択と言えます。(高額所得層は一般に有価証券を保有しておりそれが現在10%(所得税7%、住民税3%)に軽減されている事等から考慮すればある意味止むを得ないと思われます。

個人住民税(地方税)は過去最大14段階に税率が区分されていましたがこの間の”構造改革”で一律10%の税率となっておりその事が住民の重税感の原因の一つになっていると思われます。

 

仮に消費税を10%にするなら、一般に日本の個人消費(内需)は60%といわれておりそのまま実施されるなら上記ギャップの一層の拡大は否定できず、

5/105(4.76%)→10/110(9.09%)と言う事でその差4.33%は消費のマイナスであり、

60×4.33=2.59であり概算で約3%のGDPマイナス要因となると思われますがこれらについて何らの考えも聞いた事も無く、単純な財政の数字合わせだけでは経済政策とはいえないと思われますが。

 

参照:今週の指標1007(内閣府)

http://www5.cao.go.jp/keizai3/shihyo/2011/0829/1007.html

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