水徒然

水に関する記事・記録・感想を紹介します。水が流れるままに自然科学的な眼で
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「植物による水質浄化」について調べました。

2010-11-21 | 日記

 水質浄化に利用可能な植物データベースによれば、
http://www.see.eng.osaka-u.ac.jp/wb/home/database/index_j.html

1、植物による水質浄化メカニズム
 
TSS除去
 植物体の存在する水域にSSが流入してくると、植物体が接触材の働きをし、沈降を促す。
 ⇒TSSとは全浮遊物質量のこと。量が多いと水が濁って不透明になる。
  BOD除去
 植物は、それ自身が有機物を除去することはないが、植物体の存在により微生物量が増え、それによりBOD除去も促進される。
 ⇒BODとはウイキペディアによれば、水中の有機物などの量を、その酸化分解のために微生物が必要とする酸素の量で表したもので、・・・ 通常 mg/L と略される。一般に、BODの値が大きいほど、その水質は悪いと言える。CODが有機物と無機物、両方の要求酸素量であるのに対しBODは生物分解性有機物のみの酸素要求量
 窒素除去
 
水域に入ってきたOrg-N微生物により分解を受け、NH4-Nや、硝化菌によりNO2-NやNO3-Nへと分解される。これらの無機塩を植物が吸収することにより、水域から除去される。この反応は好気条件下で起こる。植物の根からの酸素輸送により水域には好気条件と嫌忌条件のモザイク構造が形成され、これにより高い窒素除去能力が起こる。
 ⇒Org-Nとは有機窒素(化合物)
 リン除去
  リンが水域から除去される主な要因は、底質による吸着と、植物による吸収である。・・・ その他 植物群落の存在により、日光が水面に到達するのを遮りアオコや植物プランクトンの発生を抑える。また、魚の産卵所や、野鳥の住処等になることから、周辺の生態系を多様化する。植物を用いた水質浄化法は、次のことに留意しなくてはならない。裁培した植物を系外に出して始めてその水域が浄化されたことになる。増殖した植物をそのままにしておくと、枯死が起こり、栄養塩が再溶出し、有機物が分解される際に溶存酸素を消費し、むしろ水質の悪化を招く。

                       (本文から引用)

2、植物を用いた水質浄化の利点と欠点
                     
利点

  現在の都市下水処理の主流である標準活性汚泥法では、除去の難しい窒素・リンの除去が可能である。
  植物体が存在することにより、日光を遮り、藻類、植物プランクトンの発生を抑え、赤潮アオコの発生を防ぐ。
  濃度が低い水域への利用が可能である。
  太陽エネルギーを利用するので、省エネルギーである。
  高度な維持管理を必要としない。
欠点

   気温や日照時間など、気候条件に処理成績が大きく左右される。
   広い土地を必要とする。
   植物体の刈り取りを行わないと、窒素リン等の再溶出が起こる。
   現在、余剰植物体の有効な利用法が確立されていない。

 


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