水徒然

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環境(水)中の放射性物質の影響と浄化に係る記載(その5:原発周辺海域の放射線強度)

2011-05-03 | 日記

'11-05-03投稿、強調
 既報に引き続いて、福島原発周辺海域の放射線強度の実体に係る記載を調べました。

  全国の放射能濃度一覧 http://atmc.jp/
福島海水: 海水(表層) | 海水(下層) | 海上の空間 | 放射線量 から抽出して、
個々のデータの概略と既報までの記載内容算出結果と照合してみました。

1.海水の放射線強度放射線量 
*観測地点:引用図

*グラフの単位:Bq/L
*調査日時:2011年03月23日(水)~2011年04月25日(月)
*原子炉等規制法による廃水基準値:ヨウ素131 40Bq/L、セシウム137 90Bq/L
*このページの最終更新日:11/04/27 16:41
1)海水(表層) http://atmc.jp/plant_sea/under/
⇒計11地点で測定結果、⑤、⑥、⑦、⑨で基準値をやや上回っていた。大半は未検出。最大値は観測地点⑤ ヨウ素 68.4 Bq/L 超過1.71倍 セシウム 83.3 Bq/L 基準0.93倍
2)海水(下層)http://atmc.jp/plant_sea/deep/
⇒サンプリングの深さが不詳ですが、観測地点⑩のヨウ素 40.0 Bq/L 基準1.00倍が最大で、セシウムは未検出
3)海上の空間  http://atmc.jp/plant_sea/air/
⇒最大値は観測地点⑤ヨウ素 24.2 Bq/L 基準0.60倍  最大値は観測地点⑪セシウム 12.95 Bq/L 基準0.14倍

2.福島敷地内の溜まり水 
http://atmc.jp/water_plant/
原子力安全保安院が公表している情報を元に福島第一原発の溜まり水の放射性物質濃度をグラフ化しています。
⇒3月27日までのデータしかないので割愛しました。
今後、内閣府からの公開データを調べる予定です。

<既報との照合>
「asahi.com 2011年4月21日」http://www.asahi.com/national/update/0421/TKY201104210192.html
の記載(放射能の総量を4700兆ベクレル、総量を520トン)に基づいて、
 既報にて算出した海水の放射線強度のデータと比較してみると、
福島原発周辺のセシウム、ヨウ素の放射線強度は桁違いに低く基準値内でありました。 
既報の算出結果の前提「・・・仮に、原発から50km四方(面積2500km2)の深さ100mの海水量250km3に拡散しているとして、・・・」
 
その海水中の放射線強度は約2万Bq/kgでしたが、このギャップは一体何を意味しているのだろうか? 個人的に考えてみました。(計算の桁違いはとりあえず無視)
1)Csは既報でも記載しましたようにプルトニウム、ランタン、バリウムなどの海水pH域において不溶性元素と違ってイオン化傾向が大きな水溶性の元素でありますが、何らかの複合化合物を生成して海底に大部分共沈積してしまった。この場合はどのようになっているか分析して調べれば判ることですが、個人的にはこの可能性が高いと想われます。
2)Csが迅速に拡散して観測地点外に拡散してしまった。これは非常に危険な状況でありますが、既報北海道海域での汚染が認められていないことから可能性は低い想われますが、海水中のCs濃度を集中的に分析して、排他的経済水域(200海里)外の環境基準内に収まっているか確認する必要があります。

  (google画像検索から引用)

 仮に、370km(200海里水域)4方、深さ150mまで汚染水域をまで拡大した場合のCs濃度を算出してみました。
(福島原発沖の海の深さ分布不詳につき150mと仮定)
 5000000000000000Bq÷(370×370×0.15)(km3)  =5000000000000000Bq÷20535000000000L(≒kg)
=243Bq/kg

  ⇒200海里水域外の東側に拡散している可能性もありますが、前述のセシウム 83.3 Bq/L (≒kg)基準0.93倍と比べてもまだ高いようです。 
ちなみに、約1200km四方(深さ150m)、もしくは海の深さを1500mとすれば放射線強度は1/10となり、24.3Bq/kgとなります。

 以上の結果から、計算桁違いミス、または「放射能の総量を4700兆ベクレル、総量を520トン」の解釈を誤っていない限り、放射性Csなどは原発沿岸部近辺の海底に共沈していることが想定されます。
今後の国を挙げての解析、復旧を期待しつつ今後の展開を見守りたいと思います。 


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