『天・地・水・命』 ~自然の恵み~

 「 天を仰ぎつ 地に伏しつ 水に語りて 命覚ゆる 」 仙人

雷魚

2009-07-03 | 淡 水 魚

 川の流れの緩やかな“澱み”から突然水飛沫があがりました。

 よく見ると、巨大な二つの物体が...

 

 二尾の背びれが見えますが、左の方に頭の部分が確認できます。
 通称“雷魚(ライギョ)”と呼ばれる『カムルチー』です。
 かなり似た種に『タイワンドジョウ』がいますが、かなり数が少なくめったにお目にかかれないため、『カムルチー』の方だと思います。

 大正時代の終わりに朝鮮半島から移入されましたが、甲殻類、昆虫類、カエルから水鳥の雛やネズミまで捕食する獰猛な性質で、全長1m近くにまで成長します。

 丁度今の季節、彼らの繁殖の時期です。
 下画像のように♂♀が寄り添ったり円を描きながら...

 

 時々“バシャッ!”と大きな水音をたて飛沫をあげます。

 

 おそらく♂が♀に産卵を促す合図だと思うのですが...
 体が大きいだけに迫力があります。
 全長70~80cmぐらいはありそうです。

  揖保川

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2 コメント

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雷魚 (fossil1129)
2009-07-03 21:46:40
撮影地の水深がどうなのでしょうか?
子どもの頃、
水田に入り込んだ雷魚を
タモ網で楽々とすくい上げた記憶があります。
背びれを立てて泳いでいた姿は、その時に似ています。

産卵の刺激はその種によって違いがあるんでしょうか?
習性 (仙人)
2009-07-03 23:19:02
fossilさん

撮影地の水深はかなり浅く、30cm程度だったでしょうか。
でもライギョの場合は深い場所でも背びれを出して泳ぎます。
“エラ呼吸”だけではなく水面から口を出しての“空気呼吸”を行いますので、絶えず表層近くを泳いでます。
ライギョは調査で刺し網などにかかった場合、ほとんど回収したときには死んでいます。
これは“空気呼吸”が出来なかったためです。
“エラ呼吸”“空気呼吸”の両方を行って初めて生存のため必要な酸素量を摂取できるんです。

産卵の刺激については本種の場合は水草の繁茂状況に大きな関係があります。
理由は当然水草が産卵床となるからなのですが...
淡水魚類の場合は産卵床の状況が大きく左右するようですね。
川底や水際の植物に産卵する種は、水深や流れなどが大きな刺激となるようですし、同種の産卵状況をみながら産卵時期をずらしたり...
(一斉に産卵し稚仔魚のエサが不足するのを避けると考えられていますが)
海ではないので潮の干満は無いのですが、大潮の時期に産卵する種もあるのは面白いです。
また、ムギツクなど他魚種に托卵する種は当然他魚種の産卵に合わせます。

などなど色々と興味深いですね。

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