89歳の日々

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兄妹がつけた父の戒名

2008-09-28 17:31:49 | 日々

 父の戒名は 私共九人の兄妹が考えて作りました。

 先日、父の23回忌の集まりが札幌であり兄妹全員出席しました。
この時目にした「戒名」は私共兄妹がつけたものです。

 お墓には、実名を書くのがベストと云っていましたが、お墓を守っている84歳の長兄から戒名が有った方が良いと言うような事で、みんなの意見を集めて作った戒名です。(次兄が調べましたら、誰がつけても良いと言う事なのだそうです)

 祖父は札幌で何代目かの 東本願寺檀家総代でしたので、札幌市を俯瞰できるこの墓地も、祖父が率先して開拓している写真がお寺には沢山飾ってありました。

 母が小さい頃、造り酒屋だった自宅に、ご門跡様がお泊りになった事があり、その時家族中の戒名を下さったのですが、紛失してしまったそうです。
それで、母のも私共で作りました。 

 大正時代の当時は ご門跡様の入られたお風呂のお湯も、近所の方が大切に持ち帰られたと聞きました。

 申し訳ないのですが、祖父に比べて、両親も私共兄妹も余り良い仏教徒ではありません。でも父を偲んで皆の意見で戒名を作りました。
 
 父は、北大の農芸化学を卒業して、アメリカの高峰譲吉の研究所に入った事からか、後に醸造学の研究をしましたので、「醸」「研」の字が入いった戒名です。

 私共兄妹は九人の兄妹が仲良く、健康に育った事を 両親に感謝しています。


気軽に読める 田辺聖子の「新源氏物語」

2008-09-03 11:14:16 | 読書
 
 初心者にも楽しく読めるという、田辺聖子の「新源氏物語」を読んでの印象です。

 第一には、当時の人々の心配りの細やかさです。
 光源氏は“まめまめしく、沢山の愛人を作っている事で有名な方”ですので勿論その気遣いたるや大変なものです。
 これが彼らにとって、人生の一番大事な事なのかも知れないほどです。

 特別な香を焚き染め、特別に選んだ料紙に特別素晴らしい筆跡で並々ならぬ文章を度々書き送り相手を感動させます。

 それが、愛人とか、お祖母様などの血縁の方々のみならず、他の色々なお年寄り等にも、ねんごろなご挨拶や、お見舞いなどを度々丁寧に書き送っている事に感心します。

 これは、私がお礼状をお出しする所が沢山あり、いつも乱筆乱文で、手早く書いてしまうと言う悪い癖ありますので、特に気が付いた事でしょう。

 第二に不思議に思う事は、当時の最高級官僚は、どんな風に仕事をしていたのでしょうか? 愛人や、時には妻を夜に訪れて、明け方に帰ると 次の日の仕事はどうするのでしょう。官位は名ばかりで余り仕事をしない組織かとも思います。

 第三に彼らの遊芸や芸術、及び仏教に対する打ち込み方。
様々な楽器を演奏する、優美に踊る、様々な工芸や着物等に対する知識。
美貌と姿の良さに加えて、それらへの見識が人物評価になるらしい。
そして最後は仏門に入りたがる。
やんごとない方々は、なかなか大変な時代です!
 (何時の世でも ”楽は下にあり”ですね)

 今日、水曜日は九谷美陶園の定休日ですので、朝もゆっくり起きのんびりBLOGを書いています。

 先日の大阪高島屋の特選ギャラリーでの「色絵コレクションー九谷美陶園展」においで下さった沢山の方々に、光源氏の万分の一でも倣って、心を込めた丁寧なお礼状を書きたいものです。

 九谷美陶園の器を愛して高島屋のギャラリーまでおいで下さった皆様に心から感謝致しました。こんな時には仕事をして居る者の幸せをつくずく感じます。