浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

マリア・イヴォーギュン 愛の喜び

2006年06月19日 | 歌もの
マリア・イヴォーギュンがクライスラーの「愛の喜び」を歌っているのがあるが、これは唖然とさせられる。まるで楽器のやうに声を操り、コロコロと転がしたり跳躍したりと、最後まで耳が離せない。

実は、このCDは10年以上もラックで眠っていたものだ。10年前の震災でLPを数百枚処分したときにできたお金でまとめ買いしていたものだった。

イヴォーギュンのJ.シュトラウスなど維納ものは定評があったが、クライスラーもきっといいだろう、という僕の予感は的中した。ブランズウィック社のらっぱ吹き込みのやうだが、のびのある可愛らしい声でありながら、信じられないやうな技を披露してくれる。

最近の歌い手ではエディット・マティス、エリザベート・シューマンやエルナ・ベルがーといった同系色の声(と、僕は思い込んでいる)が、僕のお気に入りだ。マティスが来日した折に歌った「愛しい人よ、素足で歩き給うな」(ブラームス)などは何十回も繰り返し聴いたものだが、今日は、この「愛の喜び」を時間の許す限り聴いていたい気分だ。

盤は、米國Nimbus Records社の復刻CD NI7832。





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