浅田次郎の新作です。
氏の作品は「蒼穹の昴」を読んだ事があって、その読者を引っ張る
文章力に感心したものでした。
読んで感じるのは浅田氏の作品の「目線の低さ」です
歴史を下敷きにした小説はある程度俯瞰で書かれることが多いように感じるのですが
氏の文章は足元から見上げる様な書き方なんですね
作中の鬼熊が年老いた母親と召集ににより別れるシーンでは
何度も泣かされてしまいました。
終戦間際の「根こそぎ動員」の悲劇を何層にもわたって書き連ねるのですが
一つ一つの話しのディテールがすばらしくそれが折り重なるように
シュムシュ島の戦闘に飲み込まれていく流れは
息を呑んで読み進めるばかりです。
「根こそぎ動員」されて空白、何もないものを守る事の理不尽さ
まさに不条理劇を見せられているようです。
動員の責任者・担当者みんな理性的でいわゆるいい人なのですが
流れはどんどん悪いほうに流されていく
作中では「悪魔に抱きしめられている」様に悪い方へ流れていく
じりじりするような焦燥感を感じながら読むことになります。
氏の作品は「蒼穹の昴」を読んだ事があって、その読者を引っ張る
文章力に感心したものでした。
読んで感じるのは浅田氏の作品の「目線の低さ」です
歴史を下敷きにした小説はある程度俯瞰で書かれることが多いように感じるのですが
氏の文章は足元から見上げる様な書き方なんですね
作中の鬼熊が年老いた母親と召集ににより別れるシーンでは
何度も泣かされてしまいました。
終戦間際の「根こそぎ動員」の悲劇を何層にもわたって書き連ねるのですが
一つ一つの話しのディテールがすばらしくそれが折り重なるように
シュムシュ島の戦闘に飲み込まれていく流れは
息を呑んで読み進めるばかりです。
「根こそぎ動員」されて空白、何もないものを守る事の理不尽さ
まさに不条理劇を見せられているようです。
動員の責任者・担当者みんな理性的でいわゆるいい人なのですが
流れはどんどん悪いほうに流されていく
作中では「悪魔に抱きしめられている」様に悪い方へ流れていく
じりじりするような焦燥感を感じながら読むことになります。