河村龍一の「月の癒し」~銀河鉄道の夜

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教育崩壊・少年犯罪と再犯(行き場のない少年たち)

2014-01-29 01:38:54 | 日記

2014/01/18
13:27

今宵、月の癒しに訪問された皆さまに、元刑務官の私から教育の重要性についてお伝えいたします。
有識者会議「道徳教育の充実に関する懇談会」が昨年の12月、道徳教育を小中学校の「特別教科」とするよう報告書をまとめ、下村文部科学相に提出したそうです。

昨年の「大津中学いじめ自殺事件」など、相次ぐ「いじめ問題」の報道に、国でも教育問題について、本格的に改革しようとする決意の現れかと思われます。

そこで、私はこの教育問題についてしばらくの間、UFO情報関連の記事と絡めまして、本ブログで取り上げたいと思います。


「誰でもよかった。脅して金を取ると騒がれるので、刺した方がいいと思った。中途半端に刺すと騒がれるので、強く刺した」
 
皆さま、これは人間の言葉ではありませんね、悪魔の言葉です。
そしてこれが現代の少年犯罪です!!

2013年2月28日深夜、東京・吉祥寺で希望に満ちた22歳の女性の人生が突然、理不尽にも断ち切られてしまった事件、皆さまの記憶に新しい事件です。

犯人は17歳と18歳の少年たちでしたね。
犯行の動機については、遊興費欲しさだったと供述したということでした。

犯行当日の午前1時50分ころ、ルーマニア国籍の無職少年(17歳)は、知人の少年(18歳)と共謀して武蔵野市吉祥寺本町二丁目の路上で、近くに住むアルバイト山田亜理沙さん(22歳)の背中を刃物で数回刺して殺害し、トートバッグや財布などを奪った容疑で警視庁に逮捕されました。 

山田さんは背中と腕の計三カ所を刺され、路上に血を流してうつ伏せの状態で倒れており、その後、病院に搬送されたのですが、間もなく死亡が確認されました。
死因は失血死だったそうです。

近年、『吉祥寺女性刺殺事件』など触法未成年者の凶悪犯罪が低年齢化の傾向にあり、
大きな社会問題となっています。
改正少年法では、凶悪な少年犯罪に対し一部厳罰化されているものの、あまり効果が期待できないでしょう。

たとえ、少年犯罪の抑止力として刑法を厳罰化させたところで、このような問題は一向に解決できないと思います。

少年を取り巻く『環境』の整備と、居場所のない非行少年の『支援』の在り方こそが、この問題の打開策につながるのではないでしょうか。
そう思わせるような、ある記事の一部を引用したので次にご紹介します。

『社会復帰を指向した少年矯正』
(NPO法人「てんぽ」理事長 弁護士 影山秀人)

(1)少年院退院後、少年の帰住先の家庭に問題がある場合
少年院等で矯正教育を受けた少年たちの帰住する家庭や地域が、従前と何も変わらず不適切な環境であったり、かえって偏見の目で少年たちを見てしまうことがある。

適切な職場や学校、そして頼れる支援者がいれば、更生や自立への道は、もう少し確かなものになるはずだ。

矯正教育は、少年院の中で足りるのではなく、むしろ少年院を出た後の手当てや仕掛けをどう講じるかが、大変重要になってくるのではないか。

少年院を退院する少年の多くは家庭が帰住先である。その家庭が、少年の非行の原因を真に理解し、少年の成長を認めた上で、少年と共に再出発してくれる場であれば幸いである。

問題は、家庭がこのような姿勢を示さない場合だ。福祉分野でも、いわゆる親子再統合は、困難かつ重要な課題である。

重篤な児童虐待ケースが通報等により発見された場合、児童相談所は、まず子どもの安全確保のため子どもを一時保護する(親子分離)。

しかし虐待再発の危険が高い場合は、子どもを児童養護施設や乳児院等に入所させたり里親委託したりして親子分離を続行する。その上で、親に対しては児童福祉指導の措置(児童福祉法第27条一項2号)をかけ、親指導を試みる。

少年事件は、非行を犯した少年に問題があるのだから親指導はかけにくいとも言える。
しかし、周知のとおり、少年事件の背景には、児童虐待(ネグレクトも含む)等で親に問題のあるケースが多い。

少年院の中で少年にばかり矯正教育を施しても、親の姿勢が変わらなければ社会復帰後の余後は芳しくない。

特に女子少年の場合は、生育歴の中で性的な虐待がなかったか否かは、慎重に調査してほしい。性的な虐待があった家庭に少年を戻してしまうことは、基本的にあってはならず、その場合には、帰住先について、在院中から児童相談所等と連携すべきである。

また、家庭が帰住先の18歳未満の少年の場合で、家庭の養育に相当な不安があるケースなどでは、児童相談所に連絡して児童福祉指導をかけてもらう必要がある。

(2)少年が家庭以外に復帰する場合
復帰すべき家庭がない少年、あるいは家庭が受け入れ拒否をしている少年等の場合、在院中から帰住先探しが大きな課題となる。親の支援のない未成年が、一人で自立の道を歩むことは至難の技である。

できれば安心で安全な住居と永続可能な仕事、そして適切な支援者・指導者のサポート体制を準備したいところだが、このような少年(とりわけ非行を犯した少年)を支える社会資源は極めて少ない。

矯正の分野で用意している更生保護施設は、成人向け(どちらかというと高齢者)が中心であり、少年専門の施設は全国でもごく僅かしかない。そこで、児童福祉・障害福祉等の福祉分野との連携が、ここでも重要となってくる。

私は、神奈川県内において、虐待やその他の事情により、親などのもとで暮らすことができなくなった十代後半の少年のためのシェルター『てんぽ』を運営するNPO法人の理事長を務めている。

『てんぽ』はシェルターなので、長期の保護は想定しておらず、今日帰る場所がないなどの危機にある急性期の子どもを安全で安心な場所に一旦保護し、その後回復したら、シェルタースタッフ及び子ども担当弁護士等が寄り添って、今後の自立の道を考え、次の居場所探しをして、見つかるとそこへ移っていく。

『てんぽ』の場合、子どもたちの在所期間は、約90日くらいである。
しかし、親の支援のない10代後半の子どもたちが頼ることができる社会資源は極めて少なく、ほとんど全てのケースで次の居場所探しは困難を極める。

子どもが18歳未満の場合、要保護児童の支援は児童相談所の本来的な業務なので、必ず児童相談所に連絡し、多くの場合、シェルターでの保護を一時保護委託にしてもらう。その後の居場所探しは、児童相談所のケースワーカーとカンファレンスを聞きながら決めていく。

ただ、高校生年代の子どもを受け入れてくれる児童養護施設や里親は少なく、児童相談所も対応に苦慮することが多い。

従来、児童相談所は、同じ被虐待児であっても、一度非行を犯して少年鑑別所や家庭裁判所に送られると、いわゆる『司法の子』と言って『福祉の子』と完全に区別し、福祉的な支援から手を引いてしまうことが多かった。

施設や里親も非行を犯した子を敬遠しがちで、実際に児童相談所が支援しようにもツールが乏しいという実態があった。

帰住先のない10代後半の子どもで高校に通う少年は、児童養護施設や里親が好ましいが、受け入れ先は少ない。シェルターに来る子どもたちは、様々な傷を負っている子が多いため、できることなら大人のサポートを受けられる環境を設定してやることがのぞましい。

単身でアパートを設定して自立を目指す子どももいる。そのような場合、就職やアパート契約において支援が必要であるし、当面の生活が軌道に乗るまで、生活保護の設定が必要になる場合もある。

更に、知的障害があり、通常の就職が困難な子どもには、障害手帳を取らせ、障害福祉の専門家と連携し、障害児者のためのグループホームや施設を捜す必要がある。

10代後半の少年で、親の適切な支援を受けることができない場合の社会への自立は、極めて困難である。非行を犯し、少年院を経験した少年は、社会の偏見などもあるため、より一層であるかと思われる。

彼らの多くは、これまでに適切な養育を受けてこなかったため、生活スキルや社会スキルが備わっていない。
また、自分に自信がなく、他人に不信感を持っていて、社会生活において人間関係がうまく保てない場合も多い。

このような少年を、とりあえず期間が来たからといって、何も変わっていない家庭に漫然と帰住させたり、社会に復帰させても、うまくいく方が不思議である。

家庭復帰を目指すのであれば、親指導は丁寧に試みるべきであるし、一人住まい等の自立を目指すのであれば、それを支えるサポート体制を構築すべきだ――

以上です。
私は、莫大な犯罪者収容経費の一部を少年たちの更生に活用すべきだと思います。

NPO法人『てんぽ』理事長の影山秀人氏が述べているとおり、非行少年の再犯事情には、『居場所』や『支援』、そして『就労』の問題が大きくかかわってきます。

そのことを示唆するようなデータ―が、平成23年度犯罪白書に表れていますので、次にご紹介しましょう。

同白書によりますと、青少年を取り巻く現状は、次のとおり好ましくない状況だそうです。

(1)一人親世帯数の増加
(2)児童虐待件数の増加(平成11年度と比較し平成22年度は4・7倍に増加)
(3)失業率の増加(平成22年は9・8パーセント)

特に、少年犯罪の問題で『居場所』の問題が重要ですね。
刑務所などの入所度数が多くなるほど、犯行時の住居不定者の比率が高くなっています。

(1)初入=15・8%
(2)2入=22・5%
(3)3入=30・6%

 窃盗において特に顕著だそうです。住居の安定が犯罪防止に欠かせないようです。
さらに非行少年の就労・就学状況ですが、次に記載したとおり住居の問題とともに、職を持たせることが、犯罪防止にとって有効だといえます。

(1)少年院再入者は、51・5%が無職
(2)若年入所者は、60%以上が無職

不良集団関係については、地域不良集団や不良生徒・学生集団に加入しているものが半数を占めており、理由としては彼らが『居場所』を求めて不良集団に加入しているそうです。

少年院入院者の保護者の状況(実父母率)は、次のとおり。

(平成10年) 50%超
(平成22年)35・6%
(少年院再入院者)29・5%

以上のデータの結果からから言えることは、実父母が非行少年の保護を放棄し、社会から切り捨てられたのでは、彼らに好きにしろ、と言うようなものです。

その結果、居場所も、何の支援もない彼らは再び塀の中に戻ってくる可能性が大きい。
そうなってしまったからといって彼らを厳罰に処しても、この悪の連鎖は永遠に断ち切れないし、ある意味において彼らもまた被害者ですね。

責めるべきは保護者であり、彼らを取り巻く社会環境です。そして、そのような歪んだ社会構造を放置している国に重大な責任があると言えるのではないでしょうか。

近年、非行少年の保護環境は急激に悪化しています。犯罪白書が示すとおり現状のままでは、非行少年による凶悪犯罪が増加する一方ですね。

吉祥寺の事件は少年も確かに悪い。しかし、このようなバケモノを作りだしてしまった保護者や社会環境にも重大な責任があります。

このことに関連した事柄について、文部科学省の平成17年度「情道教育についての提言」で、子供の幼少期における教育が大変重要であると述べています。

今後、吉祥寺のような事件が二度と繰り返されないよう、私たちは子供の教育について真剣に取り組まなくてはならないでしょう。

既に非行化してしまった現在の少年の問題はどうすべきか……。
「闇サイト殺人事件」の犯人である神田司、堀慶末、川岸健治たちのように、更正不可能な殺人犯に国は手厚く保護することに莫大な税金を投入するよりも、まだ更正の可能性がある非行少年たちを保護し、支援するべきではないでしょうか。

そこで、影山秀人氏が運営している『てんぽ』のようなシェルター的施設であり、非行少年の再犯を防ぐための『居場所』を、国家的プロジェクトとして運営すべきだと思います。

出院後、就労先や行き場のない少年については、このような国家的シェルターを設置して、少年たちの『居場所』を提供し就労などもサポートしてやれば、必ず彼らの再犯防止が期待できると思いますよ。

少年の凶悪犯罪を抑止するために刑法を厳罰化することと並行し、シェルターのような施設を全国規模で建設することも必要ですね!!

拙著「闇サイト殺人事件の遺言」でも述べているように、加害者たちの収容費用は莫大な金額です。その全額を税金で賄っていることを踏まえ、それらの費用の一部について、シェルター設置及び運営するために活用したらと思うのですが……。

既に凶悪殺人事件を犯した者たちを、国家が過保護なまでに手厚く処遇することよりも、今後、『居場所』や『支援』、『就労』もない少年たちが凶悪事件を犯さないよう、国家が少年たちを税金で保護することの方が治安上、重要ではないかと私は思います。

皆さま、いかがでしたか?
犯罪撲滅のためにも、教育は非常に重要な問題ですね!!

次回は、私の私案で恐縮しますが、「犯罪」や「いじめ」のない平和な社会を構築するための教育変革について、具体的に記述する予定です。
(えっ! そんなのつまんない? いや、皆さん重要なことです。是非、次回だけは訪問してくださいね)

*現存する子どもたちは、日本の未来を担う貴重な存在です。




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