Gute Reise

東大で西洋建築史の研究をしながら設計を勉強している大学院生の日々の記録です。リスボン大に1年間留学を終え、帰国しました。

伊縦断旅行6日目(ヴィチェンツァ)

2017-04-19 | 伊縦断旅行 2017
7時に起きて、支度してからWi-Fiの繋がるロビーでブログを更新。
受付のおじさんが、朝食準備できてるよと言うので、下の階で朝食。
ここでもちゃんとWi-Fiが繋がった。





9時のオープンに合わせて、パッラーディオの、テアトロオリンピコ。
院試で散々覚えたな、、、と思い出した。

劇場の下手側から入るような見学ルートなのだが、舞台の物凄いセットを見て、サークルや趣味の関係でそれなりに舞台というものと縁の深い人生を送ってきたので、なんだか様々な思い出が蘇ったことと、その計算され尽くした3Dの街並みに、感動して少し涙が出た。



見張りのスタッフにぴったりとついて見張られながら、見え方を動画で検証したり、写真を撮ったり。
見学用通路を何往復したかもわからない。















普通舞台というものは、見切れを常に意識しなくてはならない。
何故なら、袖の中やセットの裏は、ケの空間であって、舞台上、お客様から見えている場面はハレでなければならないからだ。
しかし、そもそもこうして見切れをセットで隠してしまえば、関係ない。
固定概念は、16世紀時点でぶっ壊されていたというわけ。

スタッフのおばさんに、この正面の客席には降りられないんですよね?と尋ね、それはできないけど、地下の通路なら降りられると案内される。



舞台の観劇者が、ということだけど、自分もmovedされたなぁと。

ポストカードと小さな本、それからもうこれ以上増やしてなるものかと思っていたが、ドローイングが素敵だったのでトートバッグを購入した。





続いて、近くのキエリカーティ宮へ。







最初は、現代アートとパッラーディオ建築のコラボの様子が面白く、続いてのゾーンでは、増築と既存との接続が面白かった。

例えば、この空調は既存を削って納められている。





ノーマークだったのだが、パッラーディオミュージアムというのがあるらしく、行ってみたのだが、これが、物凄くよかった。

受付から、展示室までの間の階段脇の壁に、どのようにしてパッラーディオの建築が日の目を見ることになったのかや、どのようにしてヴィチェンツァが豊かになったのかが示される。



パッラーディオの建築のファサードをパネルで重ね、建物の構成をレゴのようなブロックで表現している展示室。



様々なパッラーディオ研究を行う教員たちの、ビデオ。



コラムの形を比較。

企画展では、最近になって発見されたというパッラーディオの肖像画から、建築家たち自身がこれまでどのように記録されてきたか、コインや肖像画や写真などから追うビデオと展示。

このビデオの締めくくりは、ザハ。
ZAHA HADIDの文字と、写真に、鳥肌が立った。



パッラーディオの魅力が凄く良く伝わるのは勿論だが、建築に少なからず興味を持ってきた来客に対するこのもてなし方は、素晴らしいと思った。

そして、欧州では、ヴィチェンツァのパッラーディオ、バーゼルのHdM、ポルトのシザ、など、所謂建築家のお膝元、と言える街があるが、各都市にこうして、パッラーディオやコルビュジェのように、建築家の作品展示やそこからインスパイアされた企画展などを行うミュージアムが出来たら、きっと建築界は盛り上がるのになぁ、なんて、思った。
勿論、難しいだろうことはわかっているけれど。





パッラーディオ宮は、残念ながら本館が閉まっているらしく、回廊だけのためにチケット買うのもなぁ、と思ったので外観だけで諦める。







続いて、ジェラートを片手に街をプラプラ。
ティラミスとピスタチオ。うーん、中の中かなぁ。







サンタ・コローナの教会。



現代の絵葉書みたいだなぁ。



地下に、修復の際の手順や、環境シミュレーションを示したパネルが展示されていた。
愛されているなぁ、パッラーディオ。



一度ホステルに戻って休憩し、15時の開館に合わせて出発。

川沿いの風景。



途中、道路計画の表示があったのだが、細かくて、思わず写真に収めた。
随分細かく説明するんだなぁ。
去年の初夏に家族で訪れた松本市の道路計画図のことも併せて思い出した。





辿り着くと、既に、門の前には物凄い人。





館内は撮影禁止だったので、例によってスケッチ。
階段のデザインが滑らかで綺麗だったなぁ。

歩いて来た道を戻り、途中のSPARで夕飯と明日の朝ごはんを購入し、ホステルに戻る。

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