MITIS 水野通訳翻訳研究所ブログ

Mizuno Institute for Interpreting and Translation Studies

お知らせ

来月からこのサイトをMITIS(水野通訳翻訳研究所)ブログに変更します。研究所の活動内容は、研究会開催、公開講演会等の開催、出版活動(年報やOccasional Papers等)を予定しています。研究所のウェブサイトは別になります。詳しくは徐々にお知らせしていきます。

『同時通訳の理論:認知的制約と訳出方略』(朝日出版社)。詳しくはこちらをごらん下さい。

『日本の翻訳論』(法政大学出版局)。詳しくはこちらをごらん下さい。

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明治時代の語学学習ノート

2017年04月23日 | 雑想

『独逸語譯觧副手簿』(明治三二年)を何だかわからないままに入手。どうやら陸軍士官学校の生徒がドイツ語を学んだ時のノートらしく、鉛筆で書かれている。内容は教材の読本を全訳しようとしたもので、当時の訳読法が分かる。たとえば冒頭に「序言」とあり、第一文は「自ラ私ガ1870カラ1871年ノ戦役ニ於テ見受ケシタ所ノコトヲ大言スル爲ニ私ガ此小冊子ヲ著述セナンダ.」となっている。おそらく「この小冊子を書いたのは私が1870年から1871年の戦争で自ら見聞したことを大言壮語するためではない。」という意味だろう。漢語の語彙の水準は比較的高い。文中のこの戦争とは普仏戦争のこと。なお、陸軍士官学校の外国語科目は、英語・フランス語・ドイツ語・ロシア語・中国語から一つを選択することになっていた。