泉屋博古館で『木島櫻谷ー京都日本画の俊英ー』展が開催されていましたので、行ってきました。 木島櫻谷(このしま えいこく)は、一時竹内栖鳳と人気を分ける画家と評せられていました。京都市美術館で竹内栖鳳展を見ましたので、今回この画家の展示会に足を運んだ次第です。
泉屋博古館は、住友家の美術コレクション、特に中国古代青銅器を保存展示するために1960年に設立された美術館です。歴代の住友家当主が収集した中国青銅器が常設展示され、企画展の会場は小さいですが、年数回開催されます。東京都港区六本木に分館があります。
木島櫻谷と作品 の特徴ー美術館の説明文
「どこまでも優しいまなざし、からみつく柔らかな毛並み--透徹した自然観察と詩情の調和した品格ある日本 画で、明治から昭和の京都画壇の第一人者とされた(1877-1938)。ことにその動物画は、いまなお私たちを ひきつけてやみません。 京都三条室町に生まれ、円山四条派の流れをくむ今尾景年のもとでいち早く才能を開花させた櫻谷は、明治後 半から大正には人物画や花鳥画で文展の花形として活躍、続く帝展では審査員を務めるなど多忙の日々を送り ました。しかし50歳頃からは次第に画壇と距離をとり、郊外の自邸での書物に囲まれた文雅生活のなか、瀟 洒な南画風の境地にいたりました。 徹底した写生、卓越した筆技、呉服の町育ちのデザイン感覚、そして生涯保ち続けた文人の精神。そこに醸し 出される清潔で華奢な情趣は、京都文化の上澄みとでもいえるでしょうか。本展は各時期の代表作を中心に、 公益財団法人櫻谷文庫の未公開資料もあわせ、櫻谷の多彩な画業を振り返るものです。」とあります。
ポスターにも使われている代表作「寒月」
「柳桜図6曲一双」屏風
今回の展示は20数点と写生図などです。栖鳳同様に写生を重視した画家です。
展示されている獅子の絵と栖鳳の獅子図と並べて見ると面白いと思います。櫻谷の獅子は優しい顔つきなのです。
晩年の櫻谷は、新しい日本画の方向性を模索する若い作家が多く出た時代のなかで、一人漢籍に親しみ、画三昧の日々を過ごしたそうです。享年62歳。
私はこの美術館の中庭の景色が好きです。
中庭から東山を眺む景色もいいです。
木々が少しずつ色づいてきました。
それにしても、京都には美しい美術館が多いですね。
散歩がてらに、いつでも出かけられるなんて、
ほんとうに羨ましいです。
この美術館の青銅器の展示は圧巻です。いつかブログにも載せたいと思っています。美術館の外庭もいいです。それにしても住友家の収集品はすごいものだなと驚きます。
京都で定年後生活より