○サンダー(カードキングダム練馬春日店店長)
カードキングダムの遊戯王専門デッキビルダー。
悪の組織の幹部が次々と怪人を生み出すように、テーマに沿ったさまざまなデッキを生み出す。
○いけっち店長
カードキングダム((有)遊縁)社長。悪の組織の支配者のように、サンダーにデッキ開発を命じる。
○ハリー
悪の組織の支配者の、影の支配者のようなもの。
いけっち店長「Vジャンプ二月号に、《オベリスクの巨神兵》のプロモーション・カードが付いて来たよな?」
サンダー 「ええ。結構強そうですよ。出たらなかなか死なないんじゃないですかね。」
オベリスクの巨神兵
効果モンスター ★10/神属性/幻神獣族/攻4000/守4000
このカードを通常召喚する場合、自分フィールド上のモンスター3体をリリースして召喚しなければならない。
このカードの召喚は無効化されない。
このカードが召喚に成功した時、魔法・罠・効果モンスターの効果は発動できない。
このカードは魔法・罠・効果モンスターの効果の対象にできない。
このカードは特殊召喚した場合エンドフェイズ時に墓地へ送られる。
自分フィールド上のモンスター2体をリリースする事で、相手フィールド上のモンスターを全て破壊する。
この効果を発動する場合、このターンこのカードは攻撃宣言できない。
いけっち店長「おおう!神が!ついに神のカードが、我々一般人にも使えるようになったのか!
いやー、 “遊戯王”って作品は、数え切れないほど色々な“発明”をしているが・・・」
サンダー 「発明?」
いけっち店長「発明だよ。“ディエルディスク”で、カードゲームの対戦をカッコ良く見せれるようになったのも、遊戯王の偉大なる“発明”だし、“激レアカード”を超える、
『選ばれし者のみが使える“神のカード”!』
なんてぶっ飛んだアイディアも遊戯王の発明だ。
まったく、遊戯王のおかげで、どれだけカードゲームそのものの魅力がパワーアップしたか、計り知れないよなぁ・・・」
サンダー 「では、なおのこと・・・」
いけっち店長「うむ!我々はある意味、10年近くこの時を待っていたのだ!神のカードを自ら使用するこの時を、この日を!
すぐさまデッキを開発せよサンダー!
デッキのテーマは、『オベリスクが出るよ』ではなく、
『とにかく最速でオベリスクを出す!』
だ!」
サンダー 「イエッサー!」
そして完成したのがこのレシピ。
「最速で、安定してオベリスクを出す」
というテーマに特化した構成だぞ!
真オベリスクの巨神兵デッキ“ザ・ゴッドハンドクラッシャー!!
3 《オベリスクの巨神兵》
1 《サイバー・ドラゴン/制限》
3 《俊足のギラザウルス》
3 《幻銃士》
3 《クレボンス》
1 《クリッター/制限》
1 《ダンディライオン/制限》
1 《黄泉ガエル/制限》
2 《浅すぎた墓穴》
2 《おろかな埋葬/準制限》
3 《緊急テレポート》
3 《クロス・ソウル》
1 《死者蘇生/制限》
1 《洗脳―ブレイン・コントロール/制限》
3 《デビルズ・サンクチュアリ》
3 《手札断殺》
2 《二重召喚》
1 《封印の黄金櫃/制限》
3 《闇の誘惑》
<!-- オペリスクデッキ前編 -->
<!-- ニコニコ版・前編 -->
<!-- オベリスクデッキ後編 -->
<!-- ニコニコ版・後編 -->
≪オベリスクの巨神兵≫!!
ついに・・・ついに“神のカード”を、実際にゲームで使う事が出来るようになったのだッッ!!
いやもう、楽しすぎるだろ。
遊戯王ファンとしては、こいつが強かろぅが弱かろぅが、使わざるをえないよね。
んで、≪オベリスクの巨神兵≫を召喚するデッキとして・・・
○何が何でも生贄を三体揃え、すぐにオベリスクを出す
というテーマに特化して考えると、どう考えても、プロモカードだらけになっちまう。
ゆっくり守りながら闘ったり、アンデッドの蘇生能力で生贄を揃えて≪オベリスク≫を出すのも可能なんだが、
○ゆっくり→いきなり≪オベリスク≫が出るというスピード感が無い。
「ああ、そろそろ出るなぁ・・・ああ、出た。」
では迫力が、じぇんじぇん、無い。
「なにぃッ!1ターンで神を呼び出しただとぉ!」
と言わせなければ、“神のデッキ”じゃないよね。
「生贄を揃えるならば、≪ディアボリック・ガイ≫とか≪ゾンビキャリア≫、≪ゾンビマスター≫&≪馬頭鬼≫のシステムを使えば?」
という意見もあるけど、そりゃ普通にアンデッドシンクロデッキを作った方がいいだろう。
なので今回、
「≪オベリスクの巨神兵≫最速で出すために最も効率的なシステム」
をまったくのゼロから作ることにこだわった結果、個性的、かつ、迫力ある動きの“神のデッキ”ができた。
実際に作って、試してみてほしい。かなり斬新な動きである事は保障する!
○神のデッキを手にするには・・・やはり資産を手に入れるしか!
プロモカードを沢山使ったデッキを記事にした場合、編集長ハリーが、
「ウキョオオオオ!プロモや絶版は在庫が少なくて、通販で注文されてもすぐ売り切れる事があるから使うなといつも言ってるでしょうが!!をこをこをこをこ」 (「をこ」古語で「馬鹿」の意味)
と目からビームを発しながら怒り狂うので、基本的にはあんまり書けない。
どんなに人気があっても、HERO融合系のデッキ記事を書けないのは、そういう理由だ。 (100%、≪プリズマー≫が入るからねぇ)
なので今回のような、プロモの入るデッキの記事は、大体の場合このようにブログに追いやられる。
このへん、遊戯王の記事を書きにくい理由やね。
○デッキの使い方
それでは、各カードの解説にそってデッキの動きを説明。
■オベリスクの巨神兵
主役。
このデッキでは、二体目の≪オベリスクの巨神兵≫を出すのもけっこう簡単。
だけど、場に二体の≪オベリスクの巨神兵≫が出ると、ちょっとありがたみが無くなる。
この≪オベリスク≫の、
「自分フィールド上のモンスター2体をリリースする事で、相手フィールド上のモンスターを全て破壊する。」
という能力(技名は「ソウルエナジーマックス」だと思われる)は、実は自分自身をリリースしても発動する。
このデッキだと意外に使うことも多くて、≪オベリスク≫が二体いる場合、
「一体のオベリスクが自分とモンスター一体をリリースして“ソウルエナジーマックス”して、ガラ空きになった相手に対してもう一体で“ゴッドハンド・クラッシャー”!!」
なんて大技が炸裂することもある。
■俊足のギラザウルス
特殊召喚できるので、相手の墓地に大したものが無い序盤に大活躍。
■幻銃士
最も優秀なリリース要員。
場に出た時、自分の場のモンスターの数だけトークンを生み出す。
最低でも、自分一体を数えるのでトークンを一つ生み出すが、もともと何か一体でもいればトークンを二体生み出し、一気に場のモンスターは四体に。
実はトークンは、四つ星モンスター扱いなので、≪緊急テレポート≫とのシンクロ素材としても超優秀!
普通に≪ブリューナク≫を出して勝ってしまうこともしばしば。
■クレボンス
≪緊急テレポート≫で出してリリース要員にする事も出来るけど、何といっても戦闘で死ににくい、時間稼ぎをしやすいのも優秀。
≪オベリスク≫を出すことだけ考えず、普通にシンクロでゲームを支配する事も考えよう。結果的に≪オベリスク≫が出やすくなったりする。
■おろかな埋葬
一刻も早く≪黄泉ガエル≫を埋めよう。
≪黄泉ガエル≫はシンクロ素材として、「奇数」の調整にも便利だ。
■クロス・ソウル
使ったターンは攻撃できないので、気をつけよう。
■デビルズ・サンクチュアリ
もちろん、特殊召喚できるリリース要員として。
しかし、他のトークンを生み出すカードと違い、アドバンテージ的には損失が大きいので、できるだけ頼らないようにしたい。
■手札断殺
≪オベリスクの巨神兵≫が手札に来ないと、そもそも始まらない。手札調整カードは必須。
≪黄泉ガエル≫≪闇の誘惑≫辺りが捨てやすいカード。
○衝撃のオチ
さて、ここまで説明しておいてなんだけど・・・
はっきり言おう!
オベリスクは、弱い!!
正確には、
「三体の生贄を使って召喚するにしては、リターンは決して大きくない」
というレベルのカードだ。
しかし世には、
「いや、オベリスクは強いよ!」
という人が居るかもしれない。
なので以下に、「対象にならない」はずのオベリスクが、いかに対処されるかを書き記してみたいと思う。
■《聖なるバリアミラーフォース》で吹き飛ぶ。
アニメでは海馬社長の
「ムダだぁ!!」
の掛け声とともに吹き飛ばされていた《ミラーフォース》だが、ゲームでは逆に《オベリスク》を吹き飛ばす。スーパーがっかり。
多くのデッキに入っているはずなので、最初の攻撃でいきなり吹き飛ばされる確率は15%。(40枚中の初手6枚にある確率)
これわ、きつい。
■直接対象をとらない魔法、トラップで吹き飛ぶ。
《地割れ》に飲み込まれる神。
《ハンマー・シュート》でぺちゃんこになる神。
《地砕き》で破砕される神。
《万能地雷グレイモヤ》を踏んで吹っ飛ぶ神。
つまりどういうことかというと、遊戯王で一般的に使われている除去カードは、そもそも対象を取っていないものが多く、問題なく《オベリスク》を除去できるのだってこと。
あんまりだ。
■引っかからないはずの《激流葬》に巻き込まれる。
出現時にはトラップを使用されないので、自分で《激流葬》のトリガーを踏む事は無いが、ついうっかり何かを召喚したり、相手が何かを召喚して《激流葬》を発動しても、巻き込まれて流されていく。
神のわりに足腰が弱いんとちゃうか。
■光族とのバトルが怖い。
「じゃあ、《オネスト》で。」
と言われると死ぬる。
■《カタストル》とも闘えない。
闇属性じゃないので、やっぱ死ぬ。
そう考えると、おなじ3体生贄が必要であっても、やはり《D-HERO(デステニーヒーロー) Bloo-D(ブルーディー)》の方が何かと強い気がしてくる。
■≪グランモール≫の空気読まなささは異常。
何しに出てきたのか、わからない。
≪グランモール≫というカードの強さ自体、意味がわからない。
■なんと、《強制転移》で奪われる。
相手に送りつけるモンスターをプレイヤーが自分自身で選ぶ《強制転移》は、呪文の発動者が対象を取っていないので、《オベリスク》以外のモンスターが場に居ない場合、泣こうがわめこうが《オベリスク》を相手にプレゼントせざるを得ない。
苦労して召喚した神が相手のモノとなり、代わりに送られてきたモンスターが、
「やあ!ボク《黄泉ガエル》!もちろん攻撃表示だよ?!よろしく!すぐゴッドハンドクラッシャーされる運命だけどぶぉぁあああぐちゃ」
だったりすると、この世の滅亡を本気で望みたくなる。
■シンクロで常に対応される。
きちんと作られた、トーナメントレベルのシンクロデッキは、
「シンクロしたいときに」
「出したいシンクロモンスターを出せる」
ように作られている。
つまり、《ブラック・ローズ・ドラゴン》はいつでも出てくる。これはよーするにオベリスクにとっては、最初から対策カードが入れられているようなもの。
そして世の中、《ブラックローズ》の出てくるシンクロデッキだらけなのである。
○だが人は・・・神を求める!!
このように、意外なまでに弱点だらけの≪オベリスクの巨神兵≫だけど・・・
・・・いや、だからこそ、神をしたがえてデュエルに勝利する姿は美しい!
そして、更なるパワー・アップのために研鑽を重ね、いつの日か、海馬瀬人を超える神の使い手になってもらいたい!健闘を祈る!
・・・だけど、《オシリスの天空竜》《ラーの翼神竜》をカード化するときには、もうちょっと強くして欲しいものだよね。
(1月23日、登場人物紹介を一部修正)