激闘12回 日本シリーズ緒戦はドロースタート

　ようやく始まった日本シリーズ。カープとホークスの対戦と言うのは、実は南海・ダイエー時代を含めても初顔合わせとなるのですが、緒戦は4時間半を超える試合の果てに、延長12回引き分けという結果となりました。
　2-2とロースコアではありましたが、両軍ともに見所たっぷりの大変密度の濃いゲームで、久しぶりにガッツリと野球を堪能させてもらいました。カープに勝って欲しかったのは山々ですけど、めちゃくちゃ面白い試合を観戦できて、誠に幸せでありました。

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チーム	1	2	3	4	5	6	7	8	9	10	11	12	計
ホークス	0	0	0	0	2	0	0	0	0	0	0	0	2
カープ	2	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	2

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　緒戦の先発はエースの大瀬良。立ち上がり、先頭の上林に対してはコントロールがバラつき気味でちょっと怖かったのですが、ボール球に手を出してもらったりして三振を取ったことで波に乗りましたね。強力打線を相手に、かなり慎重になっていたと思うのですが、カットボールやスライダーを中心に、的を絞らせずに上手く投げていたと思います。
　そのまま4回までノーヒットピッチングだったのですが、5回に2死2、3塁のピンチを背負うと、代打デスパイネの内野安打に守備の乱れも加わって2失点。その裏に代打を送られて、結局、5回92球を投げて、3安打1四球で2失点自責点1という結果でした。唯一の失点シーンだけが本当に惜しかったのですが、ファースト松山には、送球を取れないまでも、せめて後ろにそらさないでいてくれれば……。そこがこの試合の、最大の残念ポイントでした。

　大瀬良の後は中継ぎ陣の総動員。岡田、一岡、フランスア、中崎、ジャクソン、ヘルウェグ、中田と、日本シリーズ最多タイに並ぶ8人の継投で、6回から12回までの7イニングをゼロに抑えました。6回表の1死12塁、11回表の1死12塁からの2死満塁、12回表の2死12塁など、ピンチも結構あったのですが、ギリギリのところでふんばってくれました。

　一番嬉しかったのは10回表の1イニングを抑えた中崎。シーズン終盤はずっと調子を落としていたのですが、今日はストレートもスライダーもきちんと低めにコントロールされていて、まったく危なげがありませんでした。一部ではフランスアとの配置転換を云々する人もいるようですが、今日の出来ならば、最後を任せても大丈夫そうですね。

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　打線は8安打4四死球で2得点。まずなんと言っても、初回の先制パンチが大きかったですね。立ち上がりコントロールが不安定だったホークス先発の千賀から、菊池が先制のホームランを放つと、5番松山がライト前にタイムリー。いきなり2点を奪って、試合の主導権を奪いました。
　ただ、その後、野間、会澤の連続三振で、千賀を立ち直らせてしまったんですよね。結局千賀は、その後2-4回までをパーフェクトに抑えて、試合の流れが止まってしまったんですよね。やっぱり1死1、3塁だった野間のところで、どんな形でもいいからもう1点取って、試合の流れを完全に掴んで欲しかったところです。

　その後もたびたびランナーを出すのですが、ホークス中継ぎ陣の前にシャットアウトされてしまいました。つーか、ホークスのブルペンはやっぱりすごいですわ。だいたいみんな150km/hを超える真っ直ぐに加え、いい変化球も持っているので、短いイニングで打ち崩すのは中々苦労しそうです。
　テレ朝の解説で前田智徳氏も言ってましたけど、今日結構多くのピッチャーを見ることが出来たので、明日以降の試合で、いかに中継ぎ陣を打っていけるかが、カープ、ホークスともに、ポイントになってくるかもしれませんね。

　あと印象に残ったのは、甲斐の肩ですね。今日は上本が甲斐に、野間が高谷に2盗を刺されてしまったのですが、特に甲斐の送球はメチャクチャ速い球がドンピシャの位置にコントロールされるという完璧なものでした。アレについては、敵ながらあっぱれと言うしかありません。
　カープは刺されてもいいからどんどん走っていくというスタイルなのですが、あの送球を見せられると、流石に走りにくくなりそうです。でも、あくまでもチャレンジしていくのがカープ野球、だと思いたいですけどね。

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　ホームゲームなので、できれば勝っておきたい試合でしたが、それよりも何よりも、今現在は良いゲームを堪能できた幸福感が優っております。あー、やっぱり野球って、面白いわー。

　明日の先発は、ジョンソンとバンデンハーク。今日が引き分けだったので、明日は是が非でも勝っておきたいところですね。ジョンソンのポストシーズンの強さに期待したいです。

　緒戦が引き分けと言うと、どうしても86年の日本シリーズを思い出してしまうのですが……。