青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

赤い電車の走らない…

2009年05月18日 21時47分48秒 | 日常

(画像:この道なんの道?)

ネタ枯れなんで、昨日のハギーさんのネタ振りはありがたいっすw
遠慮なく使わせてもらう事にして、今は消えてしまった神奈川県の道の話。

やっぱり私の祖父の家にも昭和50年代前半刊行の古い全日本道路地図(出版社忘れた)がありましてね。んで、夏休みとか長い事預けられてヒマなもんだから、画取りゲームもやってたけど書棚の道路の地図なんかを引っ張り出しては飽きもせずにじーっと見ている訳ですよ。
んで、やっぱり一番良く見ていたのが自分の住んでいる神奈川県なんだけど、地図上の「←これ」で示した有料道路、以前は「京浜急行専用道路」とか「京浜急行線」と言う名前が付いてましてね。子供心に地図を眺めては、「なんで道路なのに京浜急行なん?」と不思議に思っていたものです。
実はこの道、大正15年に京浜急行電鉄株式会社が作った日本初の自動車専用道路でありまして、当時は湘南の一大観光地であった江ノ島へ、大船からこの道を使って京急が専用で乗合バスを走らせていた名残なんですね。それで名前も「京浜急行専用道路」と言う名前が長い間残っていた訳です。
専用道路と言えど、料金を払えば別に普通の車が通ってもいいんですけど、やっぱりその名称だと誤解されてしまうからって事なんでしょうか。ハギーさんの地図では「大船駅~竜口寺下道路」と言う名前が書かれておりますが、私の認識ではこの道は「京浜急行専用道路」です。まあ「京浜急行線」だとまんま過ぎて、大船で赤い電車を待つ人が出てきてもおかしくはないのかな、と。

ちなみに道路周辺の住宅開発が進んだ関係で生活道路としての役割が大きくなってしまい、ずっと有料道路として残しておくのもナニだねと言う話になって昭和59年に鎌倉市に有償譲渡されております。それでも深沢地区には幹線の県道と接続せず立体交差になっている場所とかもあって、当時の「自専道」であった雰囲気がちょっとだけですが残ってますね。
本当は京急もこの道を将来的には鉄道路線にしたかったらしいのだが、計画が迷走して結局頓挫に終わった後、結果的にその遺志を引き継いだのが湘南モノレール。ほぼこの道路をトレースする形でスイスイと大船と江ノ島を結んでいます。

余談ですが、日立製作所が主体となって成功させたドイツ由来のアルウェグ(跨座)式の東京モノレールに対し、同じ鎌倉市に工場を置く三菱電機が出資した湘南モノレールはフランス由来のサフェージュ(懸垂)式を導入したんですね。
ビデオのVHSとベータじゃないけど、ここらへんにモノレール事業における覇権争いを見るのも一興かと。

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