Jazzを聴こうぜBLOG版

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自分の耳を信じるという事

2004-09-07 20:03:45 | 音楽一般
George Winston(ジョージ・ウインストン、p)が好きだ。
この人は、特にジャズの評論家に「George Winstonのような感傷主義のイージーリスニングなどとは違い、Keith Jarrett(キース・ジャレット、p)は作曲家としてもインプロヴァイザーとしても云々」とかって引き合いに出されて批判される事が多いように思う。特にKeith JarrettやChick Corea(チック・コリア、p)を持ち上げる為の比較に引っ張り出される事が多いかな。
同様に渡欧後のKenny Drew(ケニー・ドリュー、p)なんかも「口当たりの良いメロディストになりさがった」とか、痛烈に批判されてるのをしょっちゅう目にする。
なんでかな・・・・・感傷的なイージーリスニングが悪いのかな?。口当たりのいいメロディストって、綺麗なメロディを弾くって事だよね?。
こういった批判は僕はよくわからない。

ジャズを聴きはじめの頃、その頃は音楽なんかまったくといっていいほどわからなくて、メディアから耳に入ってくる識者?のもっともらしい評論に惑わされてGeorge Winstonからしばらく離れたのね。
で数年後、ひさしぶりに名作「Autumn」をひょんな事から聴きなおした。
で衝撃を受ける(笑)。やっぱ良いわけですよ。
決してきらびやかな音を出すピアニストではないし、書く曲も派手なものではないから地味な印象を与えがちだけど、テクニックの引き出しをたくさん持っている上手いピアニストだと思った。
ひとつのモチーフを延々と反復して、その反復の中にダイナミクスをつけていく事にこの人の持ち味がある。
例えば連続して同じようなフレーズが来るような曲で、最初はインテンポで弾いておいて、最後のリフレインが来た時に各フレーズの頭を食い気味に入る事で前のめりのノリをつくって、エンディングへ早急に流れ込んでいくような切迫感を出してみたり、逆にモタッてみたり。
硬い音から柔らかい音、こもった音まで色々な音色を持っていて、タッチも繊細だしね。
曲中で色々と細かい事やってるのね(笑)。そういった小さな技術の積み重ねがあって、全体のサウンドとして聴こえてくるわけだ。
それに気づいた時、結構衝撃を受けました。「なんだ、やっぱスゴイんじゃん」って(笑)。
この事があってから、評論家やライターの言う事は眉に唾をつけて聴くようになった。「この人たちって、ちゃんと聴いてないのに批判してるんだな」って思ったんですね。
もちろんすべての評論家がそうだとはいいませんが・・・・・。

イージーリスニングといっても演奏者はイージーに弾いてるんじゃないし、イージーに聴いてもらおうと思って演奏しているのでは決してない。
聴き手側に感じて欲しいモチーフがしっかりとあって、それを感じてもらう事を目標に発信してるんだ。
きっと音楽ってなんでもそう。
何を音楽と認めるかは別としても、ね。
各ジャンルや各演奏者毎に得意分野や持ち味ってものがあって、それはそれぞれ違ったものなわけだから、イージーリスニングを軽く見たりとか、他ジャンルの演奏者と比較して演奏の一要素が劣っているからといって、比較論で批判するのは間違い。

そもそも「イージーリスニング」っていうジャンル分けがおかしいのと違うかな?。

雑誌や書籍なんかから得る情報は、情報として有用ではあっても音楽そのものが聴こえてくるわけではないんだよね。
リスナーはきちんと聴いてみてから、自分の感じた事を大切にしないといけない。
最終的には「自分の耳を信じないといけない」と思います。

うう・・・・なんか今日は散漫な文章だな。
George Winston聴いて寝ます(笑)。