第三十番札所:竹生島 宝厳寺
西国三十三か所の第三十番札所宝厳寺は、琵琶湖に浮かぶ竹生島にある。
船で竹生島に渡るなら、ゆったりとお参りにしたいなぁと考えていた。
先日、術後の経過もいいとの主知医のお墨付きをもらったこともあり一泊で行くことにした。
久々に秋晴れとなった10月26日、いざ彦根へ。
竹生島へ渡るのには、長浜港、今津港、彦根港からの三ルートがある。
竹生島へは、これまでに二度行ったことがある。
一度目は長浜港ルートから、そして二度目は今津港ルートで。
そうなれば、三ルート制覇も楽しみになる。
今回三度目のルートは、もちろん彦根港から竹生島へ。
彦根と言えば、今NHK大河ドラマでも話題の井伊家。
彦根港からは、その『井伊の赤備え』をまとった観光船が就航している。
いざ、片道40分ほどの琵琶湖クルーズを楽しみながら竹生島へ。
竹生島で降りて土産物店を抜け宝厳寺入山受付をすませば、いきなりの急な階段が待っている。
術後運動不足の体にはキツ~イ階段である。
一歩一歩、ゆっくり、ゆっくりと一段ずつ注意深く昇った。
本堂(弁才天堂)は、日本三大弁才天の一つでその中でも最も古い弁才天と一緒になっている。
三重塔を拝観し、修復中の唐門(国宝)を通り、千手観世音菩薩像が納められた第三十番札所観音堂へ。
拝礼。
唐門や観音堂など修復中ではあったが、それでも竜神拝所から「かわらけ投げ」の歓声が秋晴れの竹生島に和やかに響いていた。
※※御詠歌※※
月も日も 波間に浮かぶ 竹生島
船に宝を 積むここちして
※※御詠歌の意味(慈悲の道から)
謡曲「竹生島」に「月海上に出てては波間に兎が走るか面白の島の景色也。」と謳われています。
月の兎が降りてきたことは福徳のご利益を表す表現です。
弁天様、観音様の棲む不思議な島、これが竹生島です。
日の光、月の光に照らされて湖に浮かぶ竹生島はまるで七福神の宝船のようにさえ思えると詠っているのです。