伝統工芸 桐たんす と ともに歩む

伝統工芸桐たんす屋
桐たんす 相徳 四代目のページです。
伝統工芸関連の情報交換の場になればいいと思います。

いよいよ 明日

2006-01-16 12:39:26 | 職人になりたい
講演 伝統工芸の職人になりたいは いよいよ明日になりました。

だいたいこんな感じで話をしようはとりまとめましたが
120分となると時間配分は難しいなぁ

最初に 余談をふりすぎると終わりがいそがしいかも
逆も考えられますね。

なんと 100人近くが集まられるという話です。
97人予定とか もっと増えるかもしれない
ちょいと今から緊張気味です。

落語では 120分 通しはなかなかないですが
落語 40分なら40分 ほぼぴったりに行きますよね

円生師匠 だったか 文楽師匠だったかは
ほぼ 秒単位でぴたっと行くというお話でした。
相手の反応もありますので そこも難しいところです。

東京都伝統工芸品団体青年会会長 といたしましては
明日は気合を入れなきゃいけません

伝統工芸の職人と言っても

2006-01-03 21:28:48 | 職人になりたい
伝統工芸の職人になりたいといっても
そもそも伝統工芸ってなに という話からしなければなりません。

すごく 実のところ線引きがあいまい
100年以上の歴史があって 手加工を基本として
技術が伝承されていて とかいろいろと名目があるのですが

その地域にというのと 組合があって とか そうした要素も絡み合います。

アレは指定されているけど これは指定されていないとか

実際に働いている人からすれば その業種の職人なのであって
伝統工芸のという 強い意識はないと思いますが

伝統的なというところの 本物を受け継いでという意識はあります。

さて ここのところはポイントですが
なにをして本物と考え なには まがいもの と考えるかは
業種によって違ってきます。

アレとは一緒にしないでほしい は 
桐たんす屋であれば いわゆる通販で売っているところの 桐タンス

そこの線引きをまず認識してほしいものです。

職人としてのこだわりでいえば それは どの業種
伝統工芸どうこうの問題でなく どの業種にもあるはずです。

なんでもやります は問題

2005-12-25 18:16:25 | 職人になりたい
職人になりたいの 若い人対象の話です。

何でもやりますから・・ というのは いつ言うかもありますが

最初の面接のときとか 何でもやります というと
なんか あんまり本気な気がしなくて
つい いろいろとはなしをふったりしてしまいがち

ほんとに何でもするつもりなのでなくて
言葉のあや とか いきおいだったり そう言っておけばいいだろう見たいなのは
見破っとかなきゃいけないですから
こんなことや あんなこともしてもらうよと話しますよ。

ま こっちの話は 誰でもそうだよなぁ と思うところですが
いっぽうで 実際に仕事して 特に独立だぁ と いうときに

何でもやります は駄目なんです。

頼む側からすると 安いもの とか 安直なものだと
なんでもやります の 人でもいいのですが
ある程度の金額のもの 大事に考えているものになればなるほど
何でもやりますの人には頼まない。

いい物を作ってほしい いい提案をしてほしい
詳しい人にやってほしい 
自分のわからないところ かいいところに手が届いてほしい
経験が豊富な人がいい でも 安いのがいい。

だから 専門性が必要なのです。

なんでもやります と言われると 上の条件の中でクリアーできるのは
安いであろうということだけ。
自分の頼みたいものにたいする知識とか経験とか
そういったことがすべて ?? になってしまいます。
もうひとつ なんでもやりますと言うと ひまそう に見えてしまう。
ひま お客がいない 力がない と イメージがつながってきますので
悪い連鎖です。

昔 家具の組合で みんな HP作りましょうよ という話になったとき
うちは注文家具で 注文受けて作るんだから
なんでもやるんだよ だから HP作っても書くことない と
いわれたことがありますが
注文家具で たとえば 椅子作りたいなぁ と思ったとしたら
椅子のことなら 椅子の専門の***へ 事例がいっぱい というのと
なんでも作りますよ 事例なしというのと どっちへ頼むかは 明白。

こういうのを作ってる こういうものを目指してる
こうなりたい いろいろ思いがあるはず。
だと なんでもやりますにはならないはず。

これは 志の問題でもあるので 年月で大きな差になります。

なんでもやりますと言って 意に沿わない仕事請けると
発注側も含めて みんなが困ることになって
まぁ 多かれ少なかれ みんな そんな経験をしていることですけども

若い人には 特に注意してほしいところです。 


ちゃぶ台返し

2005-12-17 20:57:38 | 職人になりたい
職人のイメージとなると 頑固親父で
なんかあったら それこそ ちゃぶ台返し。

星一徹 か 寺内貫太郎 か  って
そんな人そうそういませんよ。

昔ならともかくも・・・

もう何年か昔。 テレビ局の取材の申し込みで
頑固な親父がいい 息子があと継いでるのがいい
息子が一人前でないのがいい。 時としてちゃぶ台返し。
誰かいませんか?  ってそう聞かれても 答えに困りますけども・・・

まぁ みんな頑固なんだけども
テレビの取材で 息子おこって見せるに同意は出来ないよなぁ
密着取材で ある程度じっくり追うという話ならともかくも
一晩だけ それも 今週 とかって話でしたから・・・

世の中の職人のイメージって それも伝統工芸系は そんな感じ。

合っているようでもあり まったく違うようでもあり

頑固親父と なんでもやりますと

2005-12-15 09:42:23 | 職人になりたい
今書くのは メモで 忘れちゃうといけないから・・

改めてしっかり書きます。

今年お亡くなりになった 職人さん Mさんの親父

粋でいなせな親父で 着物も似合う 都都逸とかさせたら・・
という親父さんでしたが 一方で頑固。
前にテレビの取材で 頑固な職人で 息子があと継いでて・・
を 紹介してといわれて  顔が浮かんだ職人さん。

続きは改めて・・

何でもやりますといわないと 採用されないけど
独立したら 何でもやりますといったら仕事来ないよ

という話も改めて・・

追加 書き忘れ・・

2005-12-07 09:37:15 | 職人になりたい
そう 書いとかないといけないのは

何が作りたいとか 思うのであればまず見ること
それもある程度レベルの高いものを見ること。

ほんとは デパート催事などを見て 本物を見たような気になってはいけないので
デパート催事は まず売り上げ優先で
売れ筋を置かざるをえない ということがあります。
買うということではそれでいいのですけど
作る側に回るのであれば もう一歩踏み込まないといけません。
入り口です。

実際職人さんと話しても
今度どこのデパート行くから 
そこへ来なさいといわれる場合がけっこうあると思います。
そんときなら いろいろ話もできるから と

私も メールなどもらうとどこのデパートへいつの期間に行ってみれば と
返事したりしますが

そこで

行くなら初日に近い日の 夕方に と言い添えるのですが
実際には ほとんど行かないし いっても 午後 昼過ぎだったりすることが多い

その時間なら都合が良かったからって
その時間帯は 誰でも都合がつけやすい。
一方で 今のデパートは 営業時間長いから
夕方以降は 暇で 手も空いてる だから 話するのにはいいんです。

売りに行っている 仕事しに行っているのだから
昼過ぎに来る段階で もうアウトで
忙しい時間に 客でもないのの相手はしていられないし
その辺の気配りがないという時点で すごく印象を悪くしてしまいます。

見てると 相手にしてもらえないで
感じ悪いとか 逆切れ気味だったりするのを見ていたりしますが
職人側からすれば当然の対応で
そこがわからないと言うところで もう駄目なんだけどなぁ と
横で見ていて思ったりします。


木工の場合だと

2005-12-04 12:09:57 | 職人になりたい
職人になりたいで 木工の場合だと
独立して 自分で工房を立ち上げてという人 けっこういます。

その道では 有名な人も何人もいます。

しかし家具を作るとなると なにを作るかによりますが
まず 面積 騒音 とか いろいろクリアしなければいけない問題があります。
家具は なんといっても大きい。
大きいものを 動かす 横にする逆さにする が 
楽に出来るだけのスペースが要ります。

作業場の広さの制約で できるものの大きさが決まってしまいます。
奥さんにちょっとそっち側もって といえないと
大きめのテーブルは 動かすことさえかないません。

金槌で たたかなくてはなりません。
木工機械を 用意しなくてはなりません。

いくら手加工で勝負と 思っても
干してあった板を いきなり手鉋で削っていたのでは
いくら研いでも追いつきませんし
すぐ使える板では 価格的に折り合いません。

都内で これから新たに というのは なかなかたいへんです。
どこか他の地域でを 視野に入れて考えることになります。

職人になりたい なりたい側へ

2005-12-03 20:16:50 | 職人になりたい
昔 若かったころ なにになりたいのか よくわかっていませんでした。

実際 誰でもそんなもんでしょうと思います。

だいたい サラリーマン就職するとなったら
どんな仕事したいとか あんまり考えなかったりします。
あんまり考えてないから 
こんなはずじゃなかったとか なかったりするわけですが・・

伝統工芸の職人になりたい  という人に
なにがいいのときくわけだけど
なにがいいのか良くわからない ということでしょう。

そこで どうなりたいのかを考えてほしいものだと思います。

伝統工芸に限らず 個人で工房を作って という形の 独立を目指す
という場合もあるでしょうし・・
専門職として コツコツと仕事したい とかもあるでしょう

いろいろな切り口で仕事をもう一度考察してみる が大事だと思います。

職人になりたい ここまでの整理

2005-12-02 23:32:52 | 職人になりたい
なにがやりたいのか よく考えて・・

といっていますが 実際問題として難しい
その辺は次回にして

ここまでのところで 受け入れ側の問題は

まず 

なんといっても市場規模が 大きくなってこないこと
パイが広がっているときなら とにかく受け入れ 人不足ですが
そうではないですからね。


一定の水準の品物が求められていること
昔は 見習いが作ったんです で そういうクラスの品物があったのですが
今はそれが許されない。
中国製で それなりの品物があって
それに対抗できるものを いかに見習いでも作らないといけない。

だから 最初に仕事がない。


その流れで すぐには高い給料が出せない。
もっと それなりの給料を すぐに出せるものがあると思います。

と ま 根本は そんな問題だと思います。

評価するのは・・

2005-11-19 22:31:33 | 職人になりたい
昔 確か 森田芳光監督だったでしょうか
落語の御弟子さんの世界の 映画がありましたですよね。

弟子と 師の関係は 認め合うとか そうしたことが必要です。

まぁ 嫌いだぁ でもいいわけですが
それでは 疲れちゃいますから

認め合う 尊重しあうが大事です。

師の側は認められる 技術 力量だし
弟子側は 向上心ですよね 大事なのは。。

師の側は 認められる人間性 ってこともあるのですが
これはなにしろ 今は昔の面影はありませんが
職人の世界の中には 飲む打つ買う でも 仕事は出来る とか
偏屈 後輩をいじめる でも 仕事は出来る とか いたもので
その辺は 昔とはずいぶんかわったものですが
それでも そのあたりの 年配の人はいるものです。

芸のためなら ニョウボも泣かす~~

というような 芸人さんはいるのかもしれませんが
職人では ずいぶん少なくなっているでしょう
それでも・・・  というのは また 別の話題です。

いろいろな問題点 気になるところがあっても
仕事が出来るところが 認められるところですし
弟子側は 仕事が出来るようになりたいという姿勢が 評価されるところです。

いろいろあって ドジで間抜けな亀でも
よくなろうという気持が感じられれば なんとかしてやりたいわけですが
そうでなければ どうしようもないよなぁ と なってしまいます。

落語にたとえる 2

2005-11-16 11:05:15 | 職人になりたい
落語家さんの弟子になってから
やっぱりやりたかったのはこれじゃなくて あれだぁ と
そういうことになったら それはそれで困ったことです。

まぁ 実際に そういうことはあることだし
それはそれで致し方ないという場合もあるでしょうが
それにしても最初に それなりの覚悟と言うものがあるでしょう。

伝統工芸でも なにがやりたいのか 自分で見極めることが大事。

で 落語家さんでも 誰が好きとか どんな話が好きとか
そういうことがあって どなたの弟子になりたいということがあると思うので

それぞれの工芸品でも その仕事見て
あぁ この人のところがいいとか こうした仕事してみたいとか
そうなっていくものだと思うのです。

で はたらきたい と そう思うところから話がはじまってほしいなぁ と
そう思います。

さらにいえば 手作りの職人は
自分ところの仕事は 他とは違って・・・ という自負もある場合も多いし

落語も それぞれの師匠で芸風 話とか ずいぶん違うものです。
後から師匠をかえるとか そうできることではありません。

同じことで 同じ工芸品で あっちの人のがいいや とは
そうそうできることではありません。

さかのぼっていえば 
誰のところでも みたいなのも心外だし 
工芸品なら何でもいいみたいな言い方も心外だな と おもうわけです。

職人に・・ 落語にたとえる 1

2005-11-15 21:36:44 | 職人になりたい
伝統工芸の職人になりたいんですけど・・ という質問には
実際にブログに入ってくる検索語でも そんなのが多いのですが

そんなときに 落語にたとえて話をすることが多いです。

落語は 伝統芸能。

伝統芸能の継承者になりたいんです。 という希望の場合
落語も歌舞伎も文楽も 能も狂言も 小唄も長唄も 雅楽も
もういっぱいあるけど

落語家さんの御宅に行けば 落語です。

たんす屋に来れば たんす  話は同じですね。

だから 伝統工芸とか 伝統芸能とか ひとくくりにはできません。

なにがしたいの? 
落語家になりたいの?
落語聞いたことあるの?

笑点 毎週のように見ています。

寄席や ホールとかで見たことはないの?

ありません。

と これだと 落語家にはなれませんよね。

職人も一緒。

見たことあるの?
という質問に ありませんとか 
先日はじめてみて きれいだったから・・
と 答えられたりしたら
それは やっぱり首を傾げます。

ある程度の予備知識は どうしたって必要です。 

職人になりたい まず問題は・・

2005-11-14 20:45:10 | 職人になりたい
御互いに こちらもそちらも まず 問題は ある意味現状認識。

伝統工芸 跡継ぎや 後継者がいなくて困ってるんでしょう。
やってあげてもいいよぉ~~  

さらにすすんで

なんならやってあげてもいいんだぜぇ~~ 

みたいな ノリ。 態度のが ほんとにいます。

まぁ 穏便に御引取りいただきたい。

後継者がいないのに 育てようって気があるのか
そんなことだから 駄目なんだ と 意見されたりもします。

ある意味では ご指摘どうりですが
こういうのは 困りますね。 やっぱり

職人になりたい そも 箪笥の場合は

2005-11-13 21:39:45 | 職人になりたい
実際 本音で 最初に書いてしまうと

桐たんすの職人になりたいと 問い合わせてきても
まずは あんまり 勧めません。

ひとつに 世の中で 求められている水準は けっこう高い。
相徳としても 当然として 世の中の水準よりも高い。

一人前に とか 一人前に扱われるようになるまでに
けっこう時間がかかる。

あんがいにやる仕事がない。
なにしろ完成品には 一定の水準が求められて
一定の水準に行かなければ 作る箪笥がないわけだから・・・

一方で 箪笥の職人として身につける技術は
途中でほかのことにも応用がきいたりするものもある。

となると 続かないものが 多くなる。

続かないものを教えるのは 案外 徒労だから

よーく 見極めよう となるわけで
いきおい 半端な気持ならやめたほうが・・・  ってなります。