バイクライフ・バイクツーリングの魅力を北海道から。
聖地巡礼-バイクライディングin北海道-
向き変え 2

(写真出典は根本健著『パーフェクトライディングマニュアル』60頁。)
*本記事は、根本健氏のライディング理論を素人の管理人が自分なりに理解、再構成したものです。
*論の多くは根本氏のものですが、長い間に辻司氏、和歌山利宏氏等の理論も読み、自分の経験から反芻、再構成、理解したものを書いているため、根本氏のオリジナルの考えを正しく紹介している保証はありません。ご注意ください。
「向き変え」のやりかた、コーナリングにアプローチに沿って述べてみます。

1 コーナーを立ち上がり、直線区間で加速。短い直線の後に左コーナーが見えた。向き変えはコーナリングに明確なメリハリを与える行為。この直線区間からそれは始まる。短い直線だが、しっかり加速する。
2 左コーナーがブラインド。曲がった先で何があるかも知れず、マージンを大きくとった進入にしなければならない。コーナーに向けての「倒し込みポイント」(そこでバイクを傾け、向き変えを敢行する)を定め、ブレーキの開始ポイントを決める。と、同時にシートの少し左側に座りなおす。体重移動の準備だ。
3 ブレーキング開始。
かけ始めはリヤを一瞬早く。リヤの効力が発揮されるとリヤから車体全体が沈み込むように姿勢が安定する、と、同時にフロントブレーキに入力。レバーを軽く引き、パッドをディスクに当ててフロントフォークを縮める程度の軽い制動。フロントが沈み、パッドがディスクに食い込むのを感じたら、すかさずレバーの引きを強め、本制動に入る。この2段がけをすることでブレーキング時の車体の安定度は大幅にUP。強い制動ができる。左右ステップを前方に蹴り、膝でしっかりタンクをニーグリップ。下半身で強烈な減速Gを受け止める。上半身は背中を丸め気味に頭を低く後方に下げる感じとしてハンドルを持つ両手に体重を乗せないように背筋と腹筋で支える。
4 ブレーキング中。
倒し込みポイントまでの残り距離と落とすべき速度とを吟味しながら進む。コーナーの先の状況をできるだけつかもうとするが、ブラインド。倒しこむポイントでのコーナーの曲率をアウト側のガードレールやカーブミラーの角度、地形など、さまざまな情報から判断する。
ブレーキング前半で強く制動しておき、後半は倒し込みポイントでの適正な速度にあわせるための「調速」区間として用いる。ブレーキングをやや弱めながら倒し込みポイントにまっすぐ向かっていく。
5 倒し込みポイント直前。
左にずらして座りなおした体勢で直進するように自分の重心をセンターにおいてきたが、倒し込みポイントに向けて自分の重心をわずかに左側にずらす。しかし、ブレーキングのGがかかっているので、バイクは倒れず、バイクは直立したまま進む。
フロント、リヤとも一定の減速度に保ち、倒しこみと同時に向き変えを行うため、一瞬の「タメ」を作る。(根本健氏はストップモーションと呼んでいる。一瞬、バイクの姿勢がまったく静止したかのような状態を作ることを指す。当然、静止といっても、バイクは減速しながら進んでいる。)
倒し込みポイント到達まであと0.5秒~1秒。

6 倒し込みポイント
あらかじめ決めていた倒しこみのポイントにきたら、フロントブレーキを解放、と同時に、左に寄せていた体重を左側の路面にロール軸に沿って回転しながら落とすようにイン側に掛ける(もたれかかり)。
このとき、イン側のステップを力を入れて踏んだり、逆操舵を強く与えたりしないように、特に気をつける。できる限り、もたれかかる荷重移動の他は車体に対して何も入力しないように心がける。下半身、特に外側の足全体で自分の体をバイクにホールドする。
するとバイクは左にロール(リーン)しながら、リヤタイアの接地点を支点として車体の前方を振るようにして向きを変える。フロントタイヤには自然に舵角がつき、バイクは倒れると同時にイン側に向きを換えながら旋回状態に入ろうとする。しかし、もたれかかりをやめない限り、どんどん倒れながらイン側へ曲がろうとし続ける。ふらっ、と倒れかかるようなイメージだ。
(*この倒し込みの方法については、当ブログ、「リーン動作 もたれかかり」を是非ご参照ください。)
7 バンク&むきかえ完了。
狙っていたバンク角、旋回状態に達したら即座にスロットルを開け、車体を安定させる。向き変え完了!
これでバンクも止まり、車体は安定したリアステアでのトラクション旋回に入る。
だいたい上のような流れです。
倒しこみ前にブレーキングを利用して車体の安定状態を作り、その間にコーナリングの為の姿勢を作ってしまうことと、倒しこみの時に逆ハンやイン側ステップ荷重などを使わないで、むしろ脱力(根本氏は抜重と言っています)して車体をリーンしていくことが特徴です。
*本家、「ライダースクラブ」の竹田津氏がライテクを解説しているHP、その中の向き変えの項、「コーナリング上達の秘訣は"向き変え"」はこちらです。
(「ライテク記事 インデックスⅡ」へ。)
(ブログトップページへ。)
*本記事は、根本健氏のライディング理論を素人の管理人が自分なりに理解、再構成したものです。
*論の多くは根本氏のものですが、長い間に辻司氏、和歌山利宏氏等の理論も読み、自分の経験から反芻、再構成、理解したものを書いているため、根本氏のオリジナルの考えを正しく紹介している保証はありません。ご注意ください。
「向き変え」のやりかた、コーナリングにアプローチに沿って述べてみます。

1 コーナーを立ち上がり、直線区間で加速。短い直線の後に左コーナーが見えた。向き変えはコーナリングに明確なメリハリを与える行為。この直線区間からそれは始まる。短い直線だが、しっかり加速する。
2 左コーナーがブラインド。曲がった先で何があるかも知れず、マージンを大きくとった進入にしなければならない。コーナーに向けての「倒し込みポイント」(そこでバイクを傾け、向き変えを敢行する)を定め、ブレーキの開始ポイントを決める。と、同時にシートの少し左側に座りなおす。体重移動の準備だ。
3 ブレーキング開始。
かけ始めはリヤを一瞬早く。リヤの効力が発揮されるとリヤから車体全体が沈み込むように姿勢が安定する、と、同時にフロントブレーキに入力。レバーを軽く引き、パッドをディスクに当ててフロントフォークを縮める程度の軽い制動。フロントが沈み、パッドがディスクに食い込むのを感じたら、すかさずレバーの引きを強め、本制動に入る。この2段がけをすることでブレーキング時の車体の安定度は大幅にUP。強い制動ができる。左右ステップを前方に蹴り、膝でしっかりタンクをニーグリップ。下半身で強烈な減速Gを受け止める。上半身は背中を丸め気味に頭を低く後方に下げる感じとしてハンドルを持つ両手に体重を乗せないように背筋と腹筋で支える。
4 ブレーキング中。
倒し込みポイントまでの残り距離と落とすべき速度とを吟味しながら進む。コーナーの先の状況をできるだけつかもうとするが、ブラインド。倒しこむポイントでのコーナーの曲率をアウト側のガードレールやカーブミラーの角度、地形など、さまざまな情報から判断する。
ブレーキング前半で強く制動しておき、後半は倒し込みポイントでの適正な速度にあわせるための「調速」区間として用いる。ブレーキングをやや弱めながら倒し込みポイントにまっすぐ向かっていく。
5 倒し込みポイント直前。
左にずらして座りなおした体勢で直進するように自分の重心をセンターにおいてきたが、倒し込みポイントに向けて自分の重心をわずかに左側にずらす。しかし、ブレーキングのGがかかっているので、バイクは倒れず、バイクは直立したまま進む。
フロント、リヤとも一定の減速度に保ち、倒しこみと同時に向き変えを行うため、一瞬の「タメ」を作る。(根本健氏はストップモーションと呼んでいる。一瞬、バイクの姿勢がまったく静止したかのような状態を作ることを指す。当然、静止といっても、バイクは減速しながら進んでいる。)
倒し込みポイント到達まであと0.5秒~1秒。

6 倒し込みポイント
あらかじめ決めていた倒しこみのポイントにきたら、フロントブレーキを解放、と同時に、左に寄せていた体重を左側の路面にロール軸に沿って回転しながら落とすようにイン側に掛ける(もたれかかり)。
このとき、イン側のステップを力を入れて踏んだり、逆操舵を強く与えたりしないように、特に気をつける。できる限り、もたれかかる荷重移動の他は車体に対して何も入力しないように心がける。下半身、特に外側の足全体で自分の体をバイクにホールドする。
するとバイクは左にロール(リーン)しながら、リヤタイアの接地点を支点として車体の前方を振るようにして向きを変える。フロントタイヤには自然に舵角がつき、バイクは倒れると同時にイン側に向きを換えながら旋回状態に入ろうとする。しかし、もたれかかりをやめない限り、どんどん倒れながらイン側へ曲がろうとし続ける。ふらっ、と倒れかかるようなイメージだ。
(*この倒し込みの方法については、当ブログ、「リーン動作 もたれかかり」を是非ご参照ください。)
7 バンク&むきかえ完了。
狙っていたバンク角、旋回状態に達したら即座にスロットルを開け、車体を安定させる。向き変え完了!
これでバンクも止まり、車体は安定したリアステアでのトラクション旋回に入る。
だいたい上のような流れです。
倒しこみ前にブレーキングを利用して車体の安定状態を作り、その間にコーナリングの為の姿勢を作ってしまうことと、倒しこみの時に逆ハンやイン側ステップ荷重などを使わないで、むしろ脱力(根本氏は抜重と言っています)して車体をリーンしていくことが特徴です。
*本家、「ライダースクラブ」の竹田津氏がライテクを解説しているHP、その中の向き変えの項、「コーナリング上達の秘訣は"向き変え"」はこちらです。
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コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

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2.座りなおし
5.自分の重心をわずかに左側にずらす
6.体重を左側の路面にロール軸に沿って回転しながら落とすようにイン側に掛ける
となっている部分を省いて?います。他の部分は読んでいてほぼ同じです。
乗り方としては、イン側に体重を落とすと言うよりも上半身&頭(顔)をコーナー出口方向に向けて曲って行きます。
この乗り方でも、倒しこみのポイントでブレーキ解放時にカクンと鋭角に向き変えをし、立ち上がっています。
これでも脱力して車体をリーンしていくことになっていると思うのですが・・・。
リーンウィズでの向き変えの場合は、それでも良いのでしょうか?
質問みたいになってしまいすみません。
おっしゃるとおりですね。
実は私もリーンウィズの方が圧倒的に多いです。
こと体重移動に限っては、完全なリーンウィズからの方が座りなおしてからの脱力よりの難しいと思います。
車体をひねるような入力でリーンしてしまうことがありがちだからです。
義太夫さんのおっしゃる上半身と顔を出口方向に向ける…、というやり方は、根本氏やライダースクラブ誌でも推奨されていて、好ましい方法だと思います。
車体の左右中央から「イン側下へ」と意識すると、結果的に車体をこじりやすくなってしまうのに対し、上半身を出口側へ向けていく、という意識の方が、シートから扇型に弧を描いてリーンしていく、その倒し方に沿った入力になりやすいと思うからです。
いずれにしても、実際のウィズでのリーン方法については、もう少し詳しく記事を書かねばなりませんね。
「向き変え3」、間が開くと思いますが、また書きたいと思います。
義太夫さん、コメントありがとうございました。