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風のV7(6)

(注意!!この物語はフィクションです。公道では絶対に無理をせず、安全運転に努めてください!)

右の深い低速コーナーを立ち上がったら、左にゆるく曲がっていくS字が見えた。
ギヤは2速、全開のまま、インを舐めつつ、S字を駆け上っていく。
と、100mもないままに、ヘヤピン!登りながらの右回りヘヤピン。
でも前方、上に道が見える。右手を見上げると、曲がった先でもう一回、今度は左周りのヘヤピンがある。
折りたたんだみたいな、2連ヘヤピンね。
ぎりぎりまで加速して、突っ込んでからフルブレーキ。
でもそれは一瞬。急な登り。登りながらのヘヤピン。
Rを見極めつつ、オーバースピード気味に。
右へ。リーン。
軽いリーンでブランカはフルバンクする。
上体をインへ。リヤタイヤの斜め前から、さらにイン側に落ちるように荷重すれば、ブランカはさらに向きを変え、イン側へ回り込んでくれる。
遠心力と、タイヤとの戦い。
路面が近い。
アスファルトが右耳の近くを流れる感じがする。
右膝が接地。
ちょっと傾けすぎね。
遠心力と登り勾配に力を取られて、速度が落ちる。
落ちるのに合わせて上体をさらにインへ、やや後ろ気味に荷重すれば、さらにブランカは回り込む。

素敵!ブランカ!

アクセルオン!
登りに負けないで。このまま加速。

すぐに次の左が迫る。左のアウト側へ。そのまま右旋回しながら加速。



この左は、右よりきつい!

アクセルオフ。同時にFブレーキを少しだけ締め付ける。
ブランカは猛然と起き上がる。
さらにブレーキ。
直立。
左のヘヤピンはさらに回り込んでる。
でも、ラインが見えた!
シフトダウン。1速。いつでもスッと入る。さすがね、ブランカ。
リーン!
ブレーキオフ。
同時にすれば、Fフォークは縮められたまま。
荷重を逃さず、そのまま旋回に入る。

スタンドが接地。倒しすぎないように…。
カントがついてて、旋回力が稼げる。助かるわ。
1速はすぐ吹け上がる。
リヤがちょっとブレイク。すぐおさまった。
同時にシフトアップ。2速。
先が見えた。ゆるい左が続く。登り。対向車なし。

全開。

ごめんなさい。ちょっとセンターラインまたぐけど。もうしませんから。
左旋回のままフル加速。
3速。

登りが少しだけゆるくなった。(まだきついけど)
右の後、少しだけ左に振ってまた右へのS字。
ほとんど直線ね。対向車なし。
そのまま加速していく。
路面が遠ざかり、代わりに左右の木々の緑が、溶けて流れる。
高速で引き抜かれるテーブルクロスの上を、走ってるみたい。
アスファルトが後ろへ流れる。
4速。

前方にまたヘヤピン。
曲がったら急坂。
限界まで加速して…。

フルブレーキ。
ローターに触れて、フロントを沈めてから、ここぞとばかりに締めこめば、
Fフォークがゆがむんじゃないかと思うくらいの減速Gでブランカは減速する。
ブレイクする直前の、くうううっっ…っていう音。一番効いてる音。
リヤも同時にかけるのは、クランクマスの大きなブランカのエンジンの回転ダウンを助けるため。
(ホントはそんな意味はないこと、わかってるんだけど…。まあ、ね。)

きゅううううう、3速。うううううぅぅぅぅ、2速。

OK、ポイントまで15メートル。
調整区間に入る。少し緩めて速度を合わせる。
ちょっと速いくらいでいいのよ…。ううぅぅ…奥まで行って、少し回り込み気味に……1速。



ブレーキ解除。
右へリーン。ここはすぐに膝を接地。
膝でバンク角に少しの余裕を測りながら、右旋回。
アクセルオン。
この曲がりこみ。
強い!ブランカ。あなた、強いわ!

立ち上がる手前、そのまま2速、加速しながら、立ち上がって。
フル加速、3速。
3足で引っ張りきって…。
またすぐ左ヘヤピン。
急減速。
ホント、忙しい道ね!

私、ブランカとの走りに夢中になってた。
後ろのブルターレのこと、いつの間にか、頭から消えていた。
(つづく)

(注意!!この物語はフィクションです。公道では絶対に無理をせず、安全運転に努めてください!)
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