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北海道の樹を訪ねて―6―幌里小学校跡のハルニレ(その3)

大きな大きなハルニレの樹に守られた小学校。
幌里小学校は大正11年、前身である仁達幌(ニタッポロ)特別教育所の設立を起源に、変わり行くこの地で、変わらず子供たちを、ハルニレの樹とともに見守り、育てて来ました。
その幌里小学校も平成2年3月で閉校となりました。
17年前のことです。
学校の門柱の裏側には、最後の卒業生と、修了生の名前が彫られています。
卒業生が巣立ち、児童が一人きりになったため、閉校し、近くの(近い訳がありませんが)小学校に転校となったのでしょう。


閉校して17年が経っても、校舎のガラスは破れず、カーテンも掛かったまま。雨漏りもなさそうで、グランドも土はさすがに緩んでいますが、荒れることなく、すぐにでも使えそうです。
正面玄関の石段だけが少し崩れ、タンポポが咲いていました。
校舎周りの木々も、手入れされています。
あの懐かしい感じの訳は、廃校になってから17年後の今でも、ずっと学校を愛し、手入れを続けている人たちがいた、その手の跡の醸し出す愛情の雰囲気のせいだったのです。

校庭の隅に、閉校の半年前に建てられた、幌里小中学校教育目標の碑があります。
1 創造的に学習する人
2 自主自立的で正義を愛する人
3 健康で明るい民主的な人
創造の力を持ち、正義を愛し、民主的な人でありなさい。
大きく、強く、やさしい楡の樹は、この学校のシンボルだったのでしょう。
いえ、今でも、ここに立ち、里を見守っています。

美しい里。美しい樹。美しい学校跡でした。
それは愛があるから。大きな力や成果を誇るのでなく、児童生徒がいなくなっても、手入れを続け、学校跡地を、心の故里を守り続ける、本当の意味で力強い人々の長い長い営みが、今も続いているからなのでした。
学び舎に 楡の大樹は 今も立つ
こどもらの 歓声(こえ)聞こえくる 春の楡
和人
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )

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ここ、日高のほうに行くとき、必ず訪ねてみます。
きっと、落ち着きますね。
ハルニレは今でも樹冠一杯に青葉を繁らせるのでしょうか。どんなふうに紅葉するのでしょうか。雪は深いのでしょうか。
そう、もう一度来たくなる…私にとってはそんな場所でした。
この幌里、そして厚真川本流を遡る幌内近辺は本当に美しい田園でした。
しかし、公共事業(=道路・護岸工事)が行われていて、本当に必要な工事なのか?それより国や北海道は地域の生活を守ってくれ、と思ってしまいました。
厚真…早来…由仁…栗山と、私のお気に入りのツーリングエリアになりそうです。
ikuniさん、ありがとうございます。
学校跡、鳥の声も聞こえていました。ikuniさんなら鳥の名もわかるのだろうなあ…と思いながら鳥の声を聞いていました。
お互い短い夏を楽しみましょう。
栗山は3年前出張で3ヶ月ほど滞在していました
仕事だったので、バイクでは走っていませんが田園地帯を走るのも良いものですね。
だから大事に乗りたい、走りたい、と思うようになったのは、私も年を取ってきたからかもしれません。
kitaさんには、特別な夏になりますね。
日本一周ツーリング、無事に、実り多い旅になることをお祈りいたします。
…といっても、出発までまだ少しあるのですね。
『cafe.kita』(http://cafekita.blog80.fc2.com/)でのGSX1400レポート、楽しみにしております。