武谷敏子の自分史ノート

埼玉県比企郡嵐山町女性史アーカイブ

視野を広げて 村瀬信子 1982年

2010-04-02 06:29:00 | 『白梅』3号(1982)

 すべてが躍動をはじめる春が、ふたたびめぐってまいりました。
 白梅はお蔭様で沢山の原稿をいたゞき、第三号を発行する事ができました。
 菅谷婦人会は、若い方達の参加もふえて、幅広い方達の交流の場になっています。又、地元に国立の婦人教育会館があるために、全国の婦人の交流の機会にも恵まれています。昨年は県婦連の新聞に、小川の会長さんと座談会に出席、大友会長さんと、一つテーブルをはさんでお話をする機会を得ました。その時“平和”と云う言葉にあらためて考えさせられました。私達は今、平和な日常生活にどっぷりつかっていて、その有難さをともすれば忘れ勝ちですが、もっと視野を広げて世の中を見なくてはいけない、人口の半分を占める私達女性がしっかりしていなければいけないと、改めて思いました。今年に入って全国的に、核兵器禁止と軍縮を要請する署名が広がっています。これは第二回の国連軍縮特別総会に持って行くのですが、菅谷婦人会でも一五〇名の署名と八千円を越すカンパを集めました。
 身近な問題では、子供の非行問題が広がりつつあります。町民文化大学の女性学でのお話しの中で、お母さんが子供の成績にのみ関心を持ち、個々の家庭に引きこもってはいけない、よい環境をそして嵐山町のめざすよい里づくりを大人が作っていかなくてはいけないのだ、とおっしゃいましたが、子育てまっ最中のお母さんは勿論、老いも若きも自分達の住む町をよくする事に力を合わせたら、子供の非行も少くなるのではないでしょうか。
 婦人会活動は、これらの事でもやはり意義のある事だと思いますので、これからも自分の事だけではなく、ボランティア精神で地域づくりに力を入れて下さるようお願いいたします。

   菅谷婦人会『白梅』第3号 1982年