本日の写真は『京人形』が開く前の楽屋スナップ。大工役の役者が、手ぬぐいを「喧嘩かぶり」にしているところです。
「喧嘩かぶり」は主に世話物の芝居、踊りで見ることができます。鳶や職人、あるいは今回のような立ち回りのカラミがよくこのかぶり方をいたしますが、「喧嘩」の名前通り、血気盛んな役柄にぴったりの、粋でかっこいい形です。
頭部をほぼ全面覆ってしまうので、このかぶり方をするときは、カツラも<鬢(びん)>というもみあげ部分のみのものになることが多いです。
一人でかぶることも可能なのですが、やはり綺麗に仕上げるために、普通は床山さんにかぶせてもらいます。写真をご覧頂ければおわかりだと思いますが、床山さんが役者の後ろから手ぬぐいを介錯し、それを受け取った役者が自分で前頭部を覆い、端を挟んで留めてから、床山さんが余った部分をまとめ、後ろでひと結びして完成です。余った部分をまとめて作るときにできる形で、さも<髷(まげ)>があるように見えるのが、じつによく考えられた技だと思います。
どんな手ぬぐいのかぶり方でもそうなんですが、かぶり方一つで粋にもなり、野暮にもなります。「喧嘩かぶり」の場合では、額をどれくらい見せるか、あるいは手ぬぐいの縁が額に描くカーブをどれくらいにするかで変わってきます。その日の手勝手もあって、なかなか毎日同じようにはまいりませんが、自分の顔かたちをよく考えて、かぶらなくてはいけません。
手ぬぐいは<豆絞り>の場合がほとんどです。今回は十人の大工役全員が、<本豆>を使用しております。<本豆>は絞り模様が綺麗な藍色で、一つ一つのしぼは手染めなので不均等なのですが、このほうがなんともいえない良い味が出るもので、プリント柄ではしぼの形は揃っても、お芝居らしい雰囲気は出せません。
今回写真のモデルになってくれたのは、音羽屋(菊五郎)さんのお弟子さんの尾上音之助さん、床山さんは酒井浩平さんです。
もちろん、本人たちのご了承を得て、掲載させて頂いております。
「喧嘩かぶり」は主に世話物の芝居、踊りで見ることができます。鳶や職人、あるいは今回のような立ち回りのカラミがよくこのかぶり方をいたしますが、「喧嘩」の名前通り、血気盛んな役柄にぴったりの、粋でかっこいい形です。
頭部をほぼ全面覆ってしまうので、このかぶり方をするときは、カツラも<鬢(びん)>というもみあげ部分のみのものになることが多いです。
一人でかぶることも可能なのですが、やはり綺麗に仕上げるために、普通は床山さんにかぶせてもらいます。写真をご覧頂ければおわかりだと思いますが、床山さんが役者の後ろから手ぬぐいを介錯し、それを受け取った役者が自分で前頭部を覆い、端を挟んで留めてから、床山さんが余った部分をまとめ、後ろでひと結びして完成です。余った部分をまとめて作るときにできる形で、さも<髷(まげ)>があるように見えるのが、じつによく考えられた技だと思います。
どんな手ぬぐいのかぶり方でもそうなんですが、かぶり方一つで粋にもなり、野暮にもなります。「喧嘩かぶり」の場合では、額をどれくらい見せるか、あるいは手ぬぐいの縁が額に描くカーブをどれくらいにするかで変わってきます。その日の手勝手もあって、なかなか毎日同じようにはまいりませんが、自分の顔かたちをよく考えて、かぶらなくてはいけません。
手ぬぐいは<豆絞り>の場合がほとんどです。今回は十人の大工役全員が、<本豆>を使用しております。<本豆>は絞り模様が綺麗な藍色で、一つ一つのしぼは手染めなので不均等なのですが、このほうがなんともいえない良い味が出るもので、プリント柄ではしぼの形は揃っても、お芝居らしい雰囲気は出せません。
今回写真のモデルになってくれたのは、音羽屋(菊五郎)さんのお弟子さんの尾上音之助さん、床山さんは酒井浩平さんです。
もちろん、本人たちのご了承を得て、掲載させて頂いております。
立ち廻りでもキビキビした無駄のない動きで、いつも拝見しております。
お写真も、出番前の楽屋の雰囲気が伝わってまいります。いつもながらいいお写真ですね。
奥に写っている御仁は…どなたでしょうか?
手ぬぐいの被り方ひとつとっても、様々な工夫、見せ方があるのですね。
昨日は国立劇場を拝見しましたが、直侍(染五郎丈)の頬かむりも、粋で、素敵でした