DUMMY FAKE ROLLERS

邦楽オススメ若手バンドから、洋楽のガールズロックやHR/HMまで、音楽やアーティストを色んな切り口からレビューします。

[Secret Code/上木彩矢] GIZAが本腰を入れてプッシュする新人!

2006年07月29日 | Being / GIZA 関連
今、話題の女性ロックヴォーカリスト、上木彩矢の1stアルバム
『Secret Code』のレビューです。

アルバムのトップから、既発シングル3作を連続して配置し、
リーダートラックである「Secret Code」を4曲目に据え、
GIZAstudioお得意の試聴機対策は万全。

#試聴機対策とは、私が勝手に命名した手法なのですが(^^;
(コブクロのレビューでも書きました⇒レビューはコチラ
アルバムの最初の数曲を聴いて、CD購入を決めるリスナーに
効果的にアピールするため、アルバム前半にヒットシングルや、
リーダートラックを固めて配置し、購買意欲を高める手法を指しています。
GIZAstudioのアーティストのアルバムでよく見られる手法です。
この結果として、アルバム前半はテンションが高いのですが、
後半に行くにつれて、ダレたり失速したりして、アルバム全体としての
バランスが悪くなる傾向があります。

Secret Code
上木彩矢
GIZA

GIZAの入れ込み具合がわかる作品

さて肝心の本作の内容ですが、前半こそ多くのリスナーのハートを掴んだ
「ピエロ」(レビューはコチラ)のようなハードロックサウンドが多いですが、
後半にいくにつれて、全盛期のビーイングアレンジが顔を出してきて、
KIX・SやMANISH、大黒摩季らが歌っててもおかしくないような、
アッパーな歌謡ロックが多くなっています。
特に、「Bounce,Bounce,Bounce」はMANISH、
「プライド オブ プレイス」はKIX・S、
「フレンズ」は愛内里菜を髣髴させるし、
「傷だらけでも抱きしめて」は、モロに90年代のビーイング
サウンドを再現していて、ビーイング/GIZAの持てるエッセンスが、
この一枚に凝縮されたかのような内容ですね。

「I Sing This Song For You」はパンクで、他の曲と毛色が
異なるのですが、こういった軽いサウンドは、
あまり彼女に合ってないと思いました。
やはりハードロックの方が、彼女の声が活きる気がします。
川島だりあや、doaのメンバーらが参加すれば、もっとロック色が
濃くなって良かったんじゃないかと思いました。

そして、本作の大注目ポイントであるのが、
本作からプロデューサーのクレジットが、Aya Kamiki&DAIKOH NAGATO
となっており、久々に長戸大幸の名前が出てきました。
90年代のBeing全盛期以降は、KANNONJIとしてexective producerに
クレジットされていましたが、今回長戸大幸の名前を出してきたことで、
上木彩矢への力の入れようが伺えます。

最近、デビュー直後は話題になっても、数作で失速してしまう
アーティストが多いGIZAですが(単にGIZAが長期間の育成を怠っている
だけかもしれませんが)、彼女の場合はどのような道を歩むのでしょうか。
今後の音楽性とリリースペースに要注目ですよ!

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