DUMMY FAKE ROLLERS

邦楽オススメ若手バンドから、洋楽のガールズロックやHR/HMまで、音楽やアーティストを色んな切り口からレビューします。

[THE TWILIGHT VALLEY/GARNET CROW] 声を張らない方がいいと思う

2006年10月18日 | Being / GIZA 関連
タイトルを見て、いきなり何のことかと思われたかもしれませんが、
これは、このアルバムの1曲目「Anywhere」を聴いて、
最初に思った感想です。

今回は、ガーネットの5thアルバム『THE TWILIGHT VALLEY』の
レビューをお送りします。

本ブログの尊敬してやまないヴォーカリストの記事で、
中村由利の歌唱について「独特の憂い感を持っており、せつなさや儚さを
表現させたらピカイチ」とレビューしましたが、
最近のガーネットの楽曲は、歌を前面に出しすぎて彼女の線の細い
繊細なヴォーカルの魅力が失われているようでなりません。

彼女は、スネオヘアーのように、肩の力を抜いた歌唱でこそ、
その独特の空気感を出せるヴォーカリストだと思うので、
そこを忘れないで欲しいなと常々思います。
先述した「Anywhere」も、曲のボヤーとした雰囲気はとても良いので、
声を張らなければ、とても情感あふれる良い曲になったと思います。

また、彼女の声質には、マイナーキーの暗い曲がよく合うと
思うのですが、「向日葵の色」「Yellow Moon」「籟・来・也」は
クドくて、Too Muchな感じがします。

そういう観点から見ると、本作での私のオススメ曲は、
2曲目「まぼろし」、4曲目「Rusty Rail」、
8曲目「晴れ時計」、13曲目「春待つ花のように」ですかね。

THE TWILIGHT VALLEY(DVD付)
GARNET CROW
GIZA

メロディは良いのに、
大衆受け狙ったアレンジが目立つ


特典に付いているライブDVDは、大阪の中之島公会堂で行われた招待制の
プレミアムライブ(⇒ライブのレビューはコチラ)の映像が収録されてるんですが、
ナント、というか、予想通り、全編収録ではなく、各曲のワンコーラスずつを
編集でつないだダイジェスト映像でした。

なぜこれを全編収録のライブDVDにしてリリースしなかったんでしょうかね。
抽選に当たった人だけしか観られない貴重なライブだっただけに、
これを全編収録してリリースすれば、これまでのどのライブDVDよりも
売れたはず。しかし、なぜそれを敢えてCDに付けたのか。

今作はガーネット初となる、CDのみの販売と、CD+DVDのセット販売という
2パターンでのリリースでした。これは明らかにCDセールスの底上げを
狙ったものなんでしょうが、それのために、皆がDVD化を望んでいた
プレミアムライブをダイジェスト化して利用するなんてちょっと
ヒドイと思いました。

全編収録のDVDリリースを願っているファンもいるようですが、
今後、改めてライブDVDを出すなら、それはそれで、今回、DVD+CDを
買ったファンに対して誠意がないというもの。
レコード会社は、CDセールスのことばかり考えず、顧客満足を
もっと考えて欲しいものです。

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2 コメント

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こんばんは。 (コブすけ)
2006-10-19 17:59:47
こちらのサイトには時々トラックバックを一方的に送らせていただいています。



確かにクドいところはあったと思います。個人的には繊細な曲も力強い曲も好きなので、どちらもうまく表現できればいいかな~と思っています。
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コメント&TBありがとうございます! (lepps)
2006-10-20 01:45:45
>コブすけさん

ゆりっぺの歌唱は、味わい深さと単調さが背中合わせなので、

それが曲によって、良い方向に倒れればいいですよね。

ただ、初期の頃の淡い感覚を忘れて欲しくはないなぁと思います。
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